何の根拠もなく　当たり前に今が続くと思い
変わりゆくとか　失うとか　そんな現実は頭になくて
それが一瞬で　二度と戻れないものになるなんて　考えもしなかった
あるいは　多分その時は　とても大切で　かけがえのないもの
そう感じていたものが　気づけば記憶も朧げで　気持ちは冷め切っていたり
真逆のようで　ひどく似た喪失感。

私の居た空間は　見知らぬ誰かの居場所に・・・
私の居た時間は　ただの思い出に・・・
すでに色褪せた？　それとも鮮明なまま？

写真の整理をしなくなったのは　いつからだろう？
無造作に棚に積み重ねられた束を引っ張り出して
そこで笑っている自分を　不思議な気持ちで見つめる。
貴方はこの時　ホントに楽しかった？

その頃には持っていなかったものを　今の私はたくさん持っているのに
それでも失ったものを恋しいと思うのは　贅沢だろうか？
埋まらない淋しさは何だろう？
忘れ去られる淋しさかもしれない。
私は誰かの中に　刻まれているだろうか？