彼女は昨日、亡くなった。
私は彼女と、中学を卒業してから4年以上会っていなかった。 いや、その間にも偶然会ったりはしたが、 いつ、とか、何を話したか、というのは覚えていない。
中学卒業後、彼女は工業高校へ進んだ。 市内には一つしか無い工業高校で、女子なんて5、6人しかいないと聞いていた。 インテリアコーディネーターになりたい、電気関係のことを学びたい、と言っていた。 将来の進路や夢があまりはっきりと見えていなかった私にとって、 彼女はものすごく輝いて見え、また、彼女の成功を心から祈った。
もうすぐ成人式。久しぶりに、彼女と話ができるはずだった。 いろいろと、夢の話を聞きたかった。 それなのに、どうしてなんだろう? どうしてアヤカなんだろう?
−−−−−−
アヤカには人を惹き付けるパワーがあった。 男女問わず、誰とでも対等に話し、友人・知人が多かった。
お通夜にはたくさんの人がきていた。 私は、その会場に入るまで、アヤカが死んだなんて信じられなかった。 でも、入ってみると、懐かしい同級生たちが座っていて、 前の方には、写真があった。着物を着て、笑っている、アヤカの写真。 どう見ても、成人式の写真だ。 そしてその下のハコには、アヤカがいるんだ。
それから、お通夜の儀式が一通り終わるまで、 どうしようもなく涙があふれてきたり、泣くのをこらえたり、 私の内側では、感情はぐちゃぐちゃで、もうよくわからなかった。
一応、終わったところで、大半の人は帰ったが、私達中学の同級生や、 同年代の人達(多分、大学の同級生の方々)は残っていた。
アヤカの顔を見ることができるというので、その順番を待った。 顔を見る直前まで、私はぼろぼろに泣いていたが、 見た瞬間、涙は止まった。自分でも不思議だった。
アヤカの顔は、とてもきれいだった。微笑んでいるようにも見えた。 今にも動きだしそうだった。ほんとうに、生きているようだった。 ただ、私の知っている、中学生のアヤカとは別人のようだったので、 動いてくれたら、「きれいになったね」と言っただろう。 でも、動いてはくれなかったのだけど・・・。
その後、アヤカのお母さんが私達に、「成人式の写真を見てってね」と言ってくれた。 私はまさか、お母さんに話しかけられるとは思っていなかった。 とてもびっくりした。反面、お母さんのことがとても心配になった。 気をしっかりもってる人ほど、後で倒れてしまったりするから。
アヤカの成人の写真は、本当にきれいだった。 でも、やっぱり、現実味がない、というか、 しゃべってくれないと、アヤカだ、っていうのがわからない。 見ていると、また涙が出てきた。 くやしい、みたいな、変な感情が涙と一緒に出て、 頭のなかがまたぐちゃぐちゃになった。
今日は泣き疲れたので寝ます。 でもやっぱり、あまり眠れそうにない。
−−−−−−
昨日と今日の日記は後日談です。 といっても、あまり日は経っていないし、 その時の気持ちを思いだして書いています。 思い出し過ぎて、また何度も泣いてしまったけど。
御葬式には諸事情あって出ませんでした。 アヤカさんの御冥福をお祈り致します。
でも、実はまだ、アヤカの死を受け止められないでいます。 自然に任せるしかないとも思っています。 この日記を読む人は少ないと思うけれど、 こんなぐちゃぐちゃの文を読んでくれた人がいたら、感謝します。 どうもありがとうございました。
|