Land of Riches
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清澄白河にある東京都現代美術館で開催されている「開発好明展」に行ってきました。 会社の福利厚生により無料入場できる美術館には良く行くのですが、恥ずかしながら現代アートは 何が良いのかさっぱり分かりません。私は文字情報のインプットを好む傾向があるのです。
そんな私が足を運ぼうと感じたのは、SNSで最近繋がったコーチング系の方の感想でした。 入口で入場者ごとに異なるミッションカードをもらって楽しめ(私は一番気に入った作品の 写真を撮る、だったと記憶)たり、発泡スチロールを来場者が投げつけることによって 作品がどんどん姿を変えていき、その瞬間の姿はその時にしかない形式だったり、興味深かったのです。
加えて、美術館HPを見たらアーティスト本人による「愛銀行」なるワークショップが開催されると知り、 この日を選びました。阪神・淡路大震災で無力感に苛まれ、東日本大震災では何ができるかを考え、 被災地にて「愛銀行」を開催した開発さん。災害が起こるたびに問題としても話題になるのが ボランティア活動です。助けたい情はあっても、何をすれば真の意味で被災者の助けになるのか。 マッチングが重要だと感じた開発さんが作った、愛情を集めるアート作品としての銀行です。
夢や願い、叶えたいことーあい(私が)したいこと。 誰かにやってあげられることーあい(私が)せること。
大きなことから小さなことまで通帳(という名をつけた紙束。愛銀行南相馬支店でした)に 3つずつ書き出し、ワークショップ参加者が二組に分かれ、マッチングを成立させるワークでした。 私が書いたのは「1年間家を空けて日本各地を巡りたい」「座禅修行をしてみたい」 「スーパー銭湯に行きたい」という愛したいことと、「話を聞いて文章にする」「掃除」 「調べ物をする」という愛せること。参加者は美大の学生さんやライターさんなどで それぞれが勝手な欲望を綴ってはいたのですが、だいぶ無理やりなまとめ方だったとはいえ、 (キャンプファイヤーやりたい人がいたので)キャンプ場に行き、日常生活から離れたい系の イベントをいろいろ当地で行う形でそこそこの小さめ欲求は叶えられたことにしました。 調べ物スキル、割と活用範囲が広めな扱いにされました(笑) 掃除もどこでも必要ですからね。
人がそれぞれ違う能力を持つのは自明の理ですが、誰が何をできるのかは案外分かりにくいものです。 だから私の会社も人事DBに自分の持つスキルや希望職種の登録を推奨しています。私はしてませんが。 求められる能力を持つ人を紹介できる才覚は一般に人脈と呼ばれ、とても重宝されます。 それでも、人脈に連ねられるのは知己がある者のみ。繋ぐにも限度があります。だからこその銀行の着想。 私も、自分が何が提供できて、何を欲しているのか、DBに詳細を登録とまではいかずとも、 きちんと言語化できて他人に伝えられるぐらいの準備はした方が人生にプラスなのでは、と感じました。
常設展も非常にボリューミーでしたし、何より現代美術館で作品の保管に深い配慮が要らないからか、 地下にレストラン、2Fにサンドイッチ屋と飲食施設が充実していました。カフェの激戦地である 清澄白河にふさわしいと言いますか。私は2Fで昼食を取りましたが、お値段やビジュアル含めて ただのおしゃれカフェとして来ても問題ないのでは…と感じたぐらい素敵なスポットでした。
2025.1.19 wrote
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