Land of Riches


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 2025年04月18日(金)   花紺青 

職場の年間目標に有給消化率が復活し、計画的に休まないと年度末に破滅が待ち受けます。
午後半休で向かったのは西荻窪inf。推しイメージカクテルをウリとする飲み屋も増えましたが、
元祖CafeBarKirinの流れを汲む店です。Bar moonwalkで以前わだべ&るいべイメージを
楽しんだ私、自本丸の長谷部はinf系列(荻窪と大阪にもある)で頼むと決めていたのです。

バーのマナー動画を出していたKirin時代ほどガチではなくなったとはいえ、ビールorワイン
1杯分のチャージ800円が求められる格は健在。コンセプトカクテル1800円のオーダーシートを
提出しファーストドリンクを飲みつつ待ちます。平日初回時間帯限定のHappyセット800円が
(ビールor赤ワインor白ワインorソフトドリンクにソーセージが3本ついてくる)
あって助かりましたが、バーテンダーがオーダーシート片手にアイデアを練るシンキングタイムが
約1時間と長く(時間がかかるとHPにも明記されている)サングリア1000円も追加で飲みました。
moonwalkが推しカクテル以外は廉価なのとは対象的に結構なお金がかかる、大人の遊びです。

我が本丸の長谷部をイメージした1杯は、細身の体つきを模した長細いグラスで提供されました。
飲み口の面は斜めになっていて呑みづらく、仲間から見たとっつきにくさを表現しています。
アクセサリーとして添えられた白いリボンは駆けると揺れる極のストラを彷彿とさせます。

表層は無糖無色のソーダ、ベースはウイスキーのグレンリベット12年、底にレモンシロップ。
最下層だけ甘いのは長谷部イメージでは通例ですが、レモンの花言葉「心からの思慕」や
「愛の忠誠」「誠実な愛」が彼の本心に通じるから、とのこと。時間が立つと底から浮かんでくる
甘みが本心を隠しきれない有り様を表します。スコッチシングルモルトであるグレンリベットは
スモーキーでクセが強め。スコッチウイスキーは密造酒をルーツにしている商品が多いのですが、
その中にあって早くから正当に生産されたのがグレンリベット。苦境に置かれても未来を見据えて
努力を積み重ねる性分をイメージしての選択だそうです。まさか酒の知識が解釈に必要だとは。

紫色については全く説明がなく(イメージカラーとして紫、黒、白、金を書いてどれがメインかは
尋ねられた)キャラクタービジュアルではなく、あくまでも客が書いたオーダーシートを忠実に
具現化する方針だと良く分かりました。HUBの廻コラボでも長谷部はウイスキーベースでしたが、
彼の面倒くささをアルコールに変換するとウイスキーになるんですね。ビールや日本酒に比べると
ワインは難しいと思っていましたが、分かりにくさでウイスキーは更に上を行くかもしれません。

お値段相応のサービスを満喫した後は渋谷へ移動。ヒカリエで新・平家物語の人形を鑑賞してから
AXSHでのpointsofyou体験会に参加しました。割と新しい建物「渋谷◯◯」が多すぎます…。
3月に申し込みながら直前まで主催から連絡がなく、イベント潰れたのかと判断して先述の
Bar予約をしたため、顔を合わせた主催が申し訳なさそうに接してきて、ちょっと苦笑いでした。

Everithing is possibleというカードで綿毛を飛ばす女の子の写真を手に取りながら、
先日、舎人公園でこんな女の子を見たという自己紹介をしてスタート。4人のチームで写真と言葉が
別のカードになっているツール「パンクタム」を使い、今の仕事に対して抱いているイメージに
近い写真を選んだメンバーの心情を勝手に想像して語り、他者の視点を導入するワークでした。

たくさんの車線に同じ方向を指す矢印が並ぶ横を女性が一人で歩道をキャリー引いて歩く写真。
私は矢印のイメージだけで今のタスクを連想して選んだ(そして同じくお堅い仕事をしている方に
カードを取られたと言われた)のですが、他のメンバーの視点は孤独な女性に集中。
端からは孤独に見えるものの、気にする様子もなさそうな彼女はどことなく私に似てもいました。

矢印を塗り潰して向きを変える、何かを失ったら同時に何かを受け入れられるスペースができる。
独りで考えても思いつかない考えを対話から受容できるのがpointsofyouの名前通りの強み。
90分弱の長いとは言えない時間でしたが、有意義な経験を味わえたように思いました。

他人が何を考えているかは見ることができず、語られなければ知ることもできないのです。実は。

2025.4.27 wrote


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