French Wolf の日記
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2000年11月13日(月) |
捨印の意味 - 要注意! |
今日は月曜日。いつもどおり早起きして、早く仕事から帰ってきた。その間の話をしても面白くないので、今日は別のネタをちょいとひとつ。
友人からメイルが来た。内容はアパートの賃貸契約に関する相談。まぁ、内容は彼のプライバシーも関わってくるから割愛させていただくが、ここでみなさんに覚えておいてもらいたいことは、「捨印」の意味である。
どんな契約書でも、特に印刷されたクレジットカードの会員申込書やローンの申込書などにありがちな「捨印」欄。意外とこの本当の意味を知っている人は少ないのではないだろうか?
本来、有印公文書において修正液を用いて訂正を施したり、後から二重線で修正し手書きで加筆するような真似は許されない。そのために小さなはんこ、俗称訂正印なるものがあって、二重線で訂正したらその上に捺印する。が、実際はこれだけでは正式な訂正方法とはいえないのである。「何文字抹消」、「何文字追加」というコメントを沿えてはじめて、修正を加えた文書が正式なものとして認められることになる。
ただ、クレジットカードの申込書など多くの人が申し込み、多くの書類の不備が予想される場合、あらかじめ「捨印」なる裏技を用いて、契約書の有効性をスピーディーに勝ち取ることができる。つまり、本来契約書には、一箇所ずつ訂正印と「何文字抹消」などの文句を付け加えなければならないものだが、「捨印」はこれをすべて提出先に一任し、申請者が申し込み手続きを済ませた後に発覚した書類の不備などの訂正を一括で許容・容認・承諾する、という極めておも〜い意味を持ったはんこなのである。
自分はこの情報をある本で知ることになったのだが、それ以来「捨印」は一切押さないことにしている。「自分の書類に不備があったら多少時間がかかっても仕方ないから、もう一回返却してください。書き直した上で再送します」とやることにしている。提出先には極めて迷惑な話かもしれないが、民事裁判を避ける上でもこれくらいの防御策はみなさんも注意された方がよかろう。
ちなみに、French Wolf の本職は翻訳家であり、法律関係ではない。上の情報に多少大げさな描写が含まれている可能性も否めない。が、心配しすぎて損をすることはないだろう。
ということで、ひとくち教養講座でした。それではまた明日。
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