Love Letters
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あなたのお見舞いに行った日のことを
詳しくは書かずにいました。
何となくあの時に私が会った人は
私が知っているあなたとは違う人のような気がして。
予想していたよりもずっと綺麗な病院。
それもその筈、市がかなりの予算をつぎ込んで建てた
最新設備の整った新しい病院なのだそうです。
GWの前半ということもあって、
あなたの病室の他の患者さんは
皆外泊に出ていました。
柔らかい春の日差しが入る病室で
あなたと二人だけでお喋りしました。
当たり障りのない会話。
何だか友達だった頃に戻ったような感じ。
帰り際、
休日のがらんとしたロビーで話をしました。
帰りの電車の時間を気にしながら。
長いすの隣に座っていた
昨日もあなたと電話で話をしました。
どうやら入院が長引きそうです。
治療は一通り無事終了して、
後は退院を待つばかりだったのですが、
担当医師から今後のことも考えて
外科的手術もしておこうという方針が出されたからです。
あなたには早く元気になって退院してほしい、
そう願う一方で、
色褪せていく己の気持ちに
目を背けることが出来ない自分がいます。
「活きのいい男にしか興味が抱けないのは、
健康な女だったら当たり前でしょ。」
私達のことをよく知る友人が言いました。
あなたのことを嫌いになったわけではないのです。
毎日のように惰性的に交わされるあなたとの会話。
見通しのつかない退院の日。
そういった諸々の事情が
私達の恋を曇らせているのでしょう。
昨夜、
2006年05月19日(金) |
大切な指輪を失くしたら |
ふと気がつくと、
左手の薬指にしている指輪がありませんでした。
あなたから貰った最初の指輪。
いつ、どこで外したのかが思い出せなくて…
血眼になって探しました。
職場で指輪を外すということは絶対無いから、
あるとすれば家の中の筈。
キッチンのシンクや
バスルームの棚、
ベッドの下や隙間など
思いつく場所は全て。
『どうしよう…
失くしたことをあなたに伝えるべきか否か…』
伝えればきっと
あなたはがっかりするでしょう。
でも、たとえ今黙っていても、
いつか気づかれてしまうと思うし。
担当医師に器具の使用ミスがあって、
一時はICUに搬送されるかもしれないという
容態にまで陥っていたあなた。
不幸中の幸いで医師が素早くミスに気づき
適切な処置をしたため、
最悪の事態は免れました。
数日安静に過ごしていた個室を出て
四人部屋に戻ったあなたは、
本来の治療を始めました。
春の日差しが暖かい週末に
あなたの病室を訪ねました。
その後の治療が順調だったこともあって、
あなたは思ったより明るく見えました。
病院生活が退屈なのか
あなたはいつになく饒舌で、
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