Love Letters
DiaryINDEX|past|will
2007年06月26日(火) |
一夜明けて、抱かれて |
ホテルに戻ってから、
あなたは朝一番で帰ると言い出しました。
私は帰らないでと言ったけれど、
あなたは冷淡な表情のままでした。
確かにあなたは誰かと寝たわけではないし、
キスをしたわけでもないのです。
ただ心が他の人に向いてしまうだけ…
私の所から離れて
もっと面白い別なおもちゃを探し出してしまう…
あなたは決して私を抱こうとはしませんでした。
本当に一足先にホテルを出て、
そのまま私の所には戻らないつもりだったのでしょう。
あなたに会っている間ずっと
心が揺れ動いていました。
あなたと待ち合わせして、
イタリアンレストランでランチ。
いつもと同じ穏やかな風景。
私しか見つめていないあなた。
何もかも幸せだった頃に戻ったかのように見えた
土曜日の昼下がりでした。
夜、行きつけのバーへ行きました。
あなたのデリカシーのない行為から
私の心はいきなり揺さぶりをかけられて…
「もう、別れるから。」
あなたと飲んでいる時はいつも抑えていた感情が
この日は一気に溢れ出したのでした。
あなたの憤りの表情。
マナー違反の行為に対する謝罪は一切なく、
あなたはバーを出ると一人で
ホテルに向かい歩き出しました。
たった一度さえ振り向きもせずに。
出会った頃にも似たようなことはあったけれど、
それでもどこか違う気がしました。
何かが完全に壊れてしまったような感じ。
お互いに対する優しさはいつ消えてしまったのでしょう。
チャイナタウンに一人佇んで
あなたにコールしました。
あの時の捨てられた気分を
二度と忘れることは出来ないでしょう。
ホテルで一人で過ごすのは嫌。
もうずっと前のことだと思います。
あなたは言っていました。
風俗で女性を選ぶのは
バーで好きなウイスキーを選ぶようなものだと。
それは大人の男の遊びの感覚なのでしょうか。
今あの言葉を思い出して、
あなたにとって女性とはそういうものなのではないかと。
つまり、あなたは好奇心で
飲んだことのないウイスキーを飲みたがるように、
古い女に飽きたら新しい女に興味がわくのかもしれません。
先週末、あなたに会いました。
バーであなたは無造作に携帯を取り出して、
当たり障りのない幾つかの画像を見せてくれました。
私の心はとても穏やかで、
何の警戒心も持ってはいませんでした。
あなたもまた注意を怠ったのです。
一枚の猥褻な画像。
それはただのインターネットから拾ったものだったのに…
不器用なあなたは取り乱したのか、
さらに私を狼狽させる話を始めたのでした。
取り繕うどころか
私の心をもっと掻き乱すような話。
結論。
男には色々いるけれど、
あなたのお酒と女に対する執着心は
私の理解を遥かに超えたもの。
私は彼女だからステディな存在で、
その他不特定多数に対する好奇心とは別物。
つまりは母親のように絶対的な存在なのでしょう。
「君は俺にとってかけがえのない存在。」
あなたにもそう言われたし、頭では理解出来るのです。
でも、心と身体が言うことをきかないのです。
私に安らぎなんて感じないで。
退屈と同義語の寛ぎなんて求めないで。
女として見つめられたいのです。
いつだって求められていたいのです。
そうでないと、
自分が全く価値のない存在のように思えてしまうから。
私から目を反らさないで。
そう泣きながら叫んでる心と身体。
こんな心と身体、
どこかに捨ててしまいたいです。
一度も具体的な浮気などされたこともないのに、
浮気心を持たれるだけでも狂いそうになります。
私のこの負のエネルギーの源はどこにあるのでしょう。
小夜子
|