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高知県まで何マイル? - 2004年10月21日(木) 『サボテン・ジャーニー』はなかなか面白かった。まず出てる役者さんが皆好きな人ばっかりだったし。小林聡美さんはやっぱりいいなあ。 物語性のあるCMが結構好きなので、このドラマも実は「すんごく長くて面白い車のCM」というつもりで見ていた次第。 で、途中まで見てふと思った。 「眠れない主人公」 「妹と自分の元彼がくっついてしまった姉」 「ドレスを着て踊りたい男」 これによく似たファクターを持つ漫画を知っている。 「眠れない主人公」 「妹と自分の彼氏がいい感じになってしまった姉」 「ドレスを着て踊る男」 川原泉の短編『月夜のドレス』。一瞬これが原作なのかと思った。 もちろん似てると思ったのはこの三点だけで、ストーリーも登場人物の設定も全然違うから関係はないのでしょうが。でも『サボテン・ジャーニー』を面白いと思った人には是非『月夜のドレス』も読んで欲しいなあ。きっと気に入る筈なので。 自分の好きな漫画家を挙げるとしたら、川原泉さんの名前がまず浮かぶ。短編で特に好きなのは『月夜のドレス』と『ヴァンデミエール 葡萄月の反動』。独特の言葉遣いが好きで、てんてん目でやらかく笑う登場人物がすごくいとしい。中学生の頃に川原教授の漫画をお薦めしてくれた友人には心から感謝。 ところで先日本屋で『ブレーメンⅡ』の五巻が出ているのを発見。ふとそこにあったPOPを見ると、 「メロディ増刊号・まるごと川原泉 好評発売中」 ……って何!? そそそんなものが発売されてたのですか!! 慌てて雑誌売り場に行くと並んでいたのは既に二号で、一号は手に入らず……全然知らなかったよ……。でも三号は必ず買います。買いますとも。 - あるはれたひに - 2004年10月07日(木) 仕事仲間が亡くなった場所に行ってみた。 ちょうど告別式が行なわれた葬儀場の前の道路で、私も普段よく通る場所だった。二車線の道路と細い道路がぶつかって「ト」の字になっている、なんてことはないただの田舎道だ。 告別式の日は雨で気がつかなかったけれど、アスファルトにはまだ血の跡が残っていて、道路脇のガードレールには幾つもの花束とジュースの缶、バイクの雑誌が置かれていた。そこに買ってきた花束を置いた。 ここへ来る前に花を買いに行った。そこで、他にも何か供えるものを買おうとして困ってしまった。 彼がいったい何が好きだったのか、全然分からなかった。 前の日記にも書いた通りで私は彼のことを殆ど何も知らなかったのだけれど、また改めてそれに気づかされてしまった。例えば音楽、本、漫画、どんなものが好きだったのかそもそもそれらに興味があったのか。食べ物、飲み物でさえどれがいいのか分からない。コーヒーは飲む子だったんだろうか。それともジュースのほうが好きだったんだろうか。供えるだけなのだから何だっていいような気もする。でも結局何も買う気になれなかった。 ここ数日の雨も上がって今日は雲も山もやけにきれいで、それが無性に悲しかった。 いつも通りにバイトに行く。突然開いたひとり分の仕事の穴はやはり大きくて、その分忙しかったりもするけれど、取り敢えず仕事はこなせている。ご飯も普通に食べるし、テレビを見て笑いもする。 それでも何かの拍子に彼のことを思い出すと、やりきれない気持ちでいっぱいになる。 親より先に死んではいけない、なんてさんざん言い尽くされたことだけれども。 付き合いが浅かったせいか自分が薄情なせいかはよく分からないけど、どうにか落ち着いてきた気がする。先日の間抜けな失敗も、一部始終をどこぞで彼が見て「相変わらずこの人はトホホだなあ」等と笑ってくれればまあいいかな、と思うことにした。 自分も、取り敢えず死ぬまでは何とか頑張って生きていこうと思う。いつまでかは分からないけれど。 - 生生流転 - 2004年10月05日(火) バイト先で一緒に働いていた人が交通事故で亡くなった。 朝、重体で助からないかもしれないという話を聞いた。昼過ぎに亡くなったと店に連絡があった。 実は身近な人に死なれた経験があまりない。特に、前の日まで普通に隣で笑っていた人がいなくなるなんていうのは。 考えたら、彼とは仕事以外でまともな話をした記憶がない。一緒に働いていたのに私は彼のことを何も知らなかった。自分より4つ年下だったことも、何が好きで何が嫌いか、何が得意で何が苦手かも何も知らなかった。 それでも、近しい人がこんな形でいなくなってしまうのは辛い。辛いのだということを初めて知った。私よりももっとずっと彼と親しくしていた職場の人達やおうちの方の様子を見ているのはなお辛い。 彼がどんな人だったのかをちゃんと知っているわけではないけれど、仕事場での彼はとても真面目で、慣れない仕事を一生懸命覚えていて、パートさんや社員の人達といつも楽しそうに話していた。私の知っている彼はそういう人だった。言っても詮方ないことだけど、こんな死に方は似合わない。 お線香をあげに行って顔も見てきた。今日はお葬式にも行ってきた。それでもまだうまく実感が湧かない。明日になったら制服を着て仕事場に来るような気がしてしまう。でも、これでもし顔を見ていなかったら、お葬式にも行けなかったら今よりもっと曖昧で据わりの悪い気分のままだっただろう。 私はもう彼に何もしてあげられない。だからせめて、彼の死によって起こったり考えたりしたことをできる限り正しく理解していきたい。 ……と確かに思っていたのに。気が動転していた、というわけではなくて単に不慣れで無知だったが為に今日は大間抜けな失敗をやらかした。ちゃんと確認すればよかったのにさ。あとで後悔したって取り返しはつかないってことを実感したばかりなのに何をやっておるのだ自分。結果大恥をかいて「あああやり直したい皆の記憶をすべて書き換えたい……」と無益なことを考え半日落ち込む。学習能力なさ過ぎ。明日からはもっと注意深く生きよう……(真剣に)。 ともすれば忘れてしまうけれど、世界は変わってゆく。人は死んでしまう。こんなにもあっけなく。人は簡単に死んでしまうけれど、人が死ぬことは簡単なことじゃない。それは本当は常に意識しているべきことなんだ。 -
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