+女 MEIKI 息+
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2002年06月14日(金) 吐息との融合

 雲の切れ間、抜けた蒼さが真っ直ぐに突き刺さる。気が付くと、わたしは長いことこの泥濘に立ち竦んでいた。輝く木漏れ日を、まだ水滴で光る睫の先に受け止めながら、そよ吹く風のまどろみを続けていた。足元から立ち昇る草木の息吹が、熱となり木々の声となってゆっくりとした流れに変わり、頭上から浴びる陽の熱とは違う湿り気で咽かえる蒸し暑い心地良さは、わたしの鼻腔を通し絶えず芯にあるものに向けて刺激を与えているかのようだった。

 湿り気と熱との融合の中を、急く気持ちを阻むような泥濘に足を取られながらも、微かな流れを起こすようにして、あなたはわたしを目指し向かってくるのが見えた。ようやくの思いでわたしの足元に歩み寄り、そして少しだけ息を弾ませたあなたは、わたしの躯に初めて触れた。
 わたしの感動には気付きもせず、あなたは歩みで上がった息を整える間もなく、息遣いがうわ言のように繰り返されるばかりだった。愛しい人の名を切なげに呟くその姿を、わたしはただ見下ろしていた。

 わたしがわたしであることを気付かせたあなたに。

 あなたの声を反芻し、あなたの耳元に唇を寄せて一度その耳朶に軽く歯を立ててから、あなたの指の動きをそっと止め小さく呟いてみたい。私を求めたければ求めて、身を硬くしたければ硬くして、あなたの心の赴くままに、ゆっくりとあなたの心も躯もわたしが開くから。こじ開けるなど致しません。


 足元から立ち昇る咽かえるような命の息吹の中、その空気と一体化をおこすようなあなたの熱情を、そっと見守るように見下ろしていた時、わたしの奥から少しずつ滲み出されたものに触れるあなたの指を感じた。その溢れ出るものの感触を確かめるかのようにゆっくりと繰り返されるあなたからの刺激は、わたしの芯に訴えかけるようでもあり、息づくこの湿り気を内なるものとすりかえて、わたしは尚も滲ませるのだった。あなたの指の動きにに合わせ、あなたの更なる空想へ誘うための旅券でもあるかのように、ゆっくりと糸を引き溢れ出すのだった。

 早くなったあなたの息遣いが、段々と弾ませ始めるころ、抱留めていたわたしとの接触面が更に大きく重く感じた。途切れがちに零していた呟きも、息と共に喘ぐ息遣いにかき消されていった。額に汗し、眉間の皺が深くなり、微かに開かれた唇からの吐息は、この場所に溶け込んでいくような熱さが感じられた。口を半ば開けたまま、何度も快楽を呼ぶ運動を続け、息を詰める間隔が少しずつ長く多くなり、呼吸は全て内から漏れる吐息となっていった。それは、まるで強引にその先にある刺激を導かんと、動きを更に激しくしているようだった。

 何度かうわ言のように呟いていたその人の名を、開かれた唇からはっきりと聞こえたその刹那、わたしは抱留めていた重みを一層強く感じ、あなたは息を溜めたまま、嵐で陸に打ち上げられた魚のようにビクンとひとつ大きく跳ねた。

 わたしからあなたに渡した旅券で、あなたは自らの頬を汚し、あなたはそれが旅券でなかったことを知る。それと同時に、あなたが見つめた先は、あなたでありわたしでもあった。
 そしてそれが形をなさぬよう、風もないのにそっと葉陰を作るのだった。





 近所の猫が発情期
 にゃおぉ〜ん、例のあの声が「火の用心」に聞こえるヤツが一匹居る。
 ひにょのぉぁ〜にゃおぉおん。
 朝に晩にの巡回ご苦労様です。五月蝿い。


 時期が来ればまた、静かに眠るのだろう。
 巡回猫も、わたしも。


2002年06月12日(水) 振り下ろされたのは

 刀を振り下ろせ
 あなたにそれが出来るのなら
 わたしでどうぞ
 試し斬り
 刀を振り下ろせ
 忌の際で叫んでも
 命拾いはさせないで


 で、振り下ろされたのは

 午前中に、東京電力云々から検査員がやってまいりました。なんでも漏電の検査とかで、玄関の天井近くに取り付けてあブレーカーを下ろされました。サクッと。
 それまで作業途中であったPCがスタンバイ状態だったのに気付いたのは、昼食も摂った昼下がり。作業の合間にメールのお返事でもしなきゃなと、スイッチを入れるとけたたましいエラー音。
 やっちゃいました。(甘栗むちゃいましたは、なんかえっちぃ)
 こんな時間に誰に連絡すれば、この対処法が分かるの?
 あ、姉さん。あんな時やこんな時、困ったことがあれば相談しようそうしよう、の姉さんが居るじゃないですか。
 電話をかけると数回の呼び出し音の後に「ぅいーっす!」の声。いくら先日、いかりや長介サイトでウィルスを貰ったからって、本人まで長介にならなくとも。
 事情を説明すると、高らかな嘲笑のあと、対処法を教わりました。とても細かい説明に聞き入ると、なんでも同じ体験をし、その事を自サイトにも書かれていたそうで、電話口でその過去文を読みながら確認してくださいました。
 電話を切り、指示通りにケーブルを抜き、その後30分は放置しろとのことなので「古畑任三郎」の再放送を見ながら一時間も放置し、元の通りに繋ぎ電源ON。
 ピーーーーーーーーーッ!
 またしても、けたたましいエラー音。

 んだよ?うるせーなあ、という顔で猫に睨まれつつ、諦めて電源を落とし、肩も落とし、小雨の降る中を傘もささずに自転車を走らせて、駅前のネットカフェまで行きました。
 珈琲と灰皿を持って席につき、最初にこの状態をメールでお知らせ各位様。
 ふっと右下を見るとメッセが、あーるじゃありませんか。
 早速サインインして「誰かいないかなぁ?」と見ると、おお、こんな時間でも居てくれたのね、わたしの大切なお姉さま。
 程よく時間も過ぎて、メール連絡も完了して、また小雨降る中を帰ってきました。


 昨晩は、あれほど蒸し暑かったのに、今日は肌寒い。
 みなさま、お風邪を召されぬように。
 東京電力保安なんちゃらが検査に来た時は、ご用心なさってください。





 それは挿されるたび、引き抜かれるたびに、抱えた沸点間近で膨らむ快感は、腰を打ちつける速さと同調し、息がそれにあわせる。リズムを取るように漏れる声と軋むソファの音。今まさにはちきれんばかりの昂ぶりを…

 と、ここまで書いて今日は終わり。





 更新の催促は、本当に嬉しい。
 例えそれが脅されようとも、蔑ろな扱いでも、エロ画像を添付されて更新しなきゃそれでヌケとメールされても、嬉しい。ありがとうね、見にきてくれてて。
 更新の催促を受けてるときだけ、えむぢょの目覚め?

 んなぁこたあ無い。
 素直に嬉しい、ありがとう。


2002年06月10日(月) 携帯電話

 限りなく一部の方々のみ、
 ご迷惑ご心配をおかけいたしました。
 液晶壊れ、着信のみが
 気紛れ可能になっていたわたしの愛機、
 新しく姿を替えて復活いたしました。

 商店街にある携帯屋に持って行き
 データの吸い上げを希望したところ、
 「ウチじゃできません」とアッサリかわされ
 「どこなら出来るの?」と訊くと
 「J-PHONE専門ショップでなら」答えが返ってきました。
 「じゃ、この近くのそこの店舗教えて」で、行ってきました。

 その店舗に行ってブツを見せると、ただ一言
 「無理ですね」アッサリとかわされてしまいました。

 手渡したブツを見もしないで答えるのを見て
 何処かで何か逆流する音が聞こえたか聞こえなかったか。

 □「みたんかい?」
 ○「いや、この状態では…」
 □「ジックリ見てみぃ」
 ○「いや、お時間が…」
 □「こっちは、たっぷーりあるわい」

 カウンタでそのやりとりを聞いていたのか
 奥から少し偉そうに構えた社員が現れました
 そして、またも同じ対応と同じ問答を繰り返すので
 何処かでプツンと音が聞こえたか聞こえなかったか。

 □「やりたくないのか、出来ないのか、どっちか答えてみぃ」
 △「…お調べさせていただきます」


 待つこと5分弱。
 あーら、なんて素敵なんでしょう。
 大破していたと思っていたデータは残っていました。

 取説が殆どの重さを締める新機種のパッケージをさげ、
 にこやかに店舗をでてまいりました。


 用心のため、書き写す作業を後回しにして
 色々な機能を説明書もろくに読まずに試し
 着信音をダウンロードして
 かけてくれた人それぞれに割り振るつもりが
 途中で見つけた曲の、あまりの素敵さに
 他に割り振ることが出来ず
 お仕事のお電話だけは「必殺仕事人」

 そして他全ての着信音は「燃えよドラゴン」


 これじゃ、はぁでんはムリ。











2002年06月08日(土) デヴィッド・ボウイ


 タイトルに意味なし。オジサマになっても素敵だなと。
 「地球に落ちてきた男」は、もう26年前?


 昨日、今日と夏になっちゃったの?ってぐらいの気温になりました。30℃を越したんですってよ、奥さん。
 エアコンのカバーを外すかの思案どころです。もう少し我慢して、梅雨時になったころに使おう、それまでは扇風機で我慢しよう。その扇風機も、一回キレイに洗わないと使用できない程に埃が被っています。せっかく、仕舞う時に大きなビニール袋を被せておいたのに、ウチの可愛いワガママ王子の、ガシガシとした噛み跡。見るも無残なビニールになっていました。デローン。

 このところ、メキメキと更新頻度が落ちてると思っています。言葉が思い浮かばないなんて格好いいことじゃなく、話をしていると元気を吸い取られるように感じる男はダメだと実感中なのです。
 あー、もうイヤだよ。って思う刹那、それを打ち消す同情とも呼べる感情が厭がる気持ちを捻じ伏せて、一人になってドット疲れる、そんなのは面倒なのに、と繰り返しております。これからの梅雨に向けて、うってつけなのでしょうか。


 小さい庭にある紫陽花は満開になり、雨恋しさに色褪せてしまいそうです。色を変え咲き誇る紫陽花は、その色を心に例え浮気者との花言葉。
 …多情仏心。







 Eroticismってさ、実体験が微かでも伴わないと想像出来ない部分が必ず出てくるでしょう?もしかしたら、こうなのかしら?と、状況や設定を空想することは出来ても何かが欠けると、すっぽりと嵌まらない部分が生じるように思うのです。
 その夫々の欠けている部分を、補充するように言葉で彩り続けていくと、ただの作文になってしまうように感じています。
 同じ感情を持つ部分に共鳴できるようなものとなると、やっぱりそれは大衆化したものになるのかなあ。
 んなことを考え出したら、一文も綴ることができない。と、安易に〆切りの引き伸ばしを訴えてみたり。


  (ノ ゚ο゚)ノ 嵐を 呼べぇぇぇ〜。









2002年06月04日(火) 文字の裏側


 気持ちの裏側

 好きな文章というものがある。
 それは、全体を通した話の筋に惹かれる以前に、その人の紡ぎ出すヒトツのくだり、その人の捕らえる視線からの描写の仕方、そういうものがあわさり流れを作った文章から受ける雰囲気が好きなのだ。
 その文章から感じる匂いのような説明し難い印象が、自分とのその時の波長に合うということもある。但し、この場合は書き手が伝えたいこととは違った印象も受けてしまうことも少なくは無い。
 例えば、以前にとある人の雑記を読んだ。
 それは悲しいお話でもなく、ましてや笑わせようとネタを考えた文章でもなかった。その人にとったら日常の1コマを切り抜いただけなのかもしれない。その書き出された内容は、今思い浮かべてもサラッと読み返せる内容だと想う。
 けれど、わたしはその文章を読んだときに、泣いた。
 途中でティッシュを掴んで、読み終わるころには、鼻をかんでいた。
 わたし自身が同じ境遇であるとか、今現在が同じ状況に立っているという訳でもなく、感動を受け、その書き手の人の心に共鳴した訳でも決して無い。それなのに、泣ける文章というものがある。
 強いて言うなら、その書き出された1コマがはっきりと鮮明に想像出来るものであったのか。
 そうした「どうして泣けるのだろう?」の部分に触れないまま、いや、表現できないままでいる。
 自分の思うことを言葉として表現し、それを文字に表し文章にしていく。今更ながらに難しいと感じる。


 感じる文章というものがある。
 その一言で、状況を丸呑みにするような、ヘビに射すくめられたネズミの気持ちを味わうような文章に出くわすことがある。
 それは、恐怖であると共に目が離せない状況になり、読み進めるうちに汗をもかきそうになるほどである。
 上記と同じようにその文章を作り出した書き手の人の思惑とは違っているのだろうけれども、その一文でヤラレテしまったわけだから、わたしは参った!と呟くのである。

 感じる文章というものがある(その2)
 貴方の心を振るわせる文章よりも、
 貴方の熱く滾るそこに訴え、撫で上げ、擦り、舐め上げて、嗚咽ともつかない哀願を受けるような文章を書いてみたい。

 と、いうことでほんの数分、お喋りのお付き合いを頂いたチャットのあなた。
 わたしの打ち出す文章にあなたが感じてくれたことが、どれだけわたしの躯を反応させたことか。
 エロ文章を書くだけでは、決して躯の変化は無い。どんな妄想の元に書き出したとしても、書くことに夢中で濡れたりはしない。表示された文章を読み、その相手が感じてくれることが、たまらなく嬉しい。ひとつひとつキーを打つたびに、あなたのうなじにかかる文字の微風が、新たな竜巻を一瞬おこしたかのように、躯中を駆け抜ける甘い疼きを呼び覚まし、あなたの中の感じる部分が、強く押し当てられた唇に吸いこまれ飲み込んで欲しい想いとなって湧き上がり、声が漏れそうになるのを堪えていることを想像させてくれることが、嬉しい。

 文字の裏側で、わたしはあなたの唇が押し当て易いような体勢を、仰け反る仕草であらわしたい。愛しさを覚え、あなたの舌にそっと自分の舌を絡ませてみるように。






 只今、意味不明なエロ文章に囚われております。
 しかも某氏の誕生日にあわせて、エロ雑文をプレゼントに替えろなどと、畏れ多い注文を受けてしまいました。
ああ、どなたか…。Please give エロ.



2002年06月03日(月) 意気消沈


 大切なオトモダチ、そして(表向きは)大切なお仕事関係者各位殿


拝啓 うっとうしい季節を迎えますますご発展の事お喜び申し上げます。

貴重な時間をさいてご多忙中にも関わらず
携帯電話にご連絡頂きましたのに、
わたくし、大ボケのため留守対応をしておりまして、
大変、失礼を申し上げております。


実は、携帯電話が大破いたしました。
せっかく教えてくださいましたあなた様の電話番号、
及び携帯メールアドレス、全てパアな状態でございます。

留守電の無機質な対応ばかりで、
何のおもてなしも出来ずお恥しい限りです。
しかも、ソレすら聞くことができません。
(普通電話からの、聞き方を知りません)
わざわざご連絡下さいましたのに
お気を悪くなさったのではないかと心配でなりません。


いずれ、新機種購入致しますが、
こちらからのご連絡が、データも消去状態ですので一切できません。
なにとぞご容赦下さいませ 。


上、とりあえず不在のお詫びまで



 現在、こんな状態になりました。
 わたしが懸念するほどに、連絡がくるわけではありませんが。
 (と、いうか皆無だったらそれはそれで悲しい)

 携帯に入力するだけで、控えをとっておかないのが
 こんなにも痛手だったとは、改めて知りました。

 しかも即、次の機種を買い換えようと思っても
 あと数日で安く買えると分かっていれば、
 つい先延ばしをしたくなるものです。

 仕事を干され、気が付けばオトモダチからも干される
 悪夢を見つつ…おやすみなさい。







 突然の、電話襲撃も出来ないのか。 ち。
 もしかしてこれは、あのボロッとした携帯を笑った祟りなのだろうか。


 あの方に、も一度番号とメアドを訊く勇気が、もう無いかも。
 かけないと分かっていても、取っておきたかったのに。
 ちくしょー、泣いてやるー。


2002年05月30日(木) 日記

 朝、携帯にメールを受信。

 送信者にとっての嬉しい事を知らせてくれた。
 わたしにとっての嬉しい知らせではないのに、
 なんだか一緒になって、嬉しい気持ちになった。

 朝なのに、気分が良い。

 珈琲豆をガリゴリ挽いた。
 豆を一粒摘んで、口に運んで齧ってみた。
 挽いた豆ほどには香りが出ないもんだ。
 こぽこぽと音を立ててドリップされると
 部屋中が香りに包まれる。
 最近では、猫も慣れたもので臭がりはしない。
 傍らでうっすらと目を閉じ また夢の中に入っていった。

 携帯が振動し着信を知らせる。

 携帯で話をしながら 片手はPCの電源を入れる。
 メール受信内容に、口答しながら珈琲を啜る。
 手が疲れて、耳が痛くなったころに
 やっと、打ち合わせは終了。

 少し冷めてしまった二杯目の珈琲をつぐ。

 また画面に向い、お気に入り登録先を覗いてまわる。
 メッセンジャーが起動しててもこの時間では意味がない。
 溜息をついて一旦は閉じる。
 が、再度オンラインに、そしてまた閉じた。

 読みかけの本を、ベッドに置いてきたのを思い出す。
 取りにいく途中で足の小指を机の角に強かに打ちつけた。
 蹲って暫くすると、空腹を訴えるようにお腹が鳴った。
 その場で転がってみた。

 空腹だけど、明るい陽射しが暖かで気持ちがいい。

 部屋の中をころころと転がってみた。
 テーブル脇まで転がって、数本残っている煙草の箱を掴んだ。
 そのまま匍匐前進しながら、灰皿とライターを取る。
 寝煙草は禁止されております、呟いた。
 燻らす煙が窓からの陽射しに当たって、青色に見えて綺麗だ。

 前の路地を子どもが大声を出しながら通った。
 音に驚いた猫が起きて、転がっているわたしの隣りに擦り寄ってきた。
 柔らかくて暖かい。
 寄り添うように躯を移動して、猫のお腹の動きに合わせて呼吸をした。


 携帯の着信振動で目が覚めた。





 真っ当に日記を書いてみようと思ったのだが。ががががが。
 日記って難しいんですね(今更)
 え?いつもと変らないって?
 こりゃまたどーも君。





 好きな男のタイプ?
 こいつとはヤってみたいな と こいつとはヤらずにいたいな の どっちか。


香月七虹 |HomePage