オミズの花道
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『ニューハーフの性転換手術&手術方法&思うこと』
2002年11月24日(日)


さて、今日はちょっと『イタイ』お話です。
男性諸氏には特にイタイお話かも知れません。


私は良くニューハーフの方に、同業者と間違われます。
一般人の方にではなく、その筋の方に仲間だと見られちゃうんですね。


これはちょっと複雑です。
男っぽい、女っぽいの前に、養殖っぽいんですから。

彼女等は間違えたあと、間違われるのは美形だからよと慰めてくれます。
真意はどうだか解りませんけど。ええ社交辞令です。お世辞です。


そう言われて複雑で嬉しい反面、彼女達にはとても適わないと思い直します。
彼女達の『美』への執念ときたら、私ども女は足元にも及ばないんだから。

お化粧法だけでなく、仕草や、男の心理に至るまで。
すべて自分の美意識の向上の為に。
私は今まで沢山のニューハーフの方々にご指導を戴き、糧にしてきたと思います(?)。


さて、彼女等の段階としては多々あります。
工事してない方、工事途中の方、工事済みの方。
そう、性転換手術の事です。彼女等の美意識の集大成とでも申しましょうか。


ニューハーフの方の殆どは、脱毛、喉仏の切除(というか削る)、豊胸、睾丸除去、
そこまででペニスは残ったまま、ホルモン療法の段階の方が多いと思います。


なぜ睾丸を先に除去するのか?というと、これはホルモン治療の為です。

外から女性ホルモンを補っているのに睾丸があることで、
中から製造されてしまっては効果が薄れるんですね。
ペニス本体を後に回すのは、影響が少ないからだと思われます。


でもまあ、これは本当に人様々です。
女性っぽくて華奢な人は、睾丸も残している人がいるらしい。



さて、問題の膣生成。
皆さんはニューハーフさんが女性に変わる時、ペニスは根元からちょん!
・・・・と思われてませんか?


でも・・・・違うんですね。
その方法を解りやすく書かせて戴きますと、次のようになります。



(1)陰嚢を中央から切開し、睾丸を取り出して切除する。

(2)その切開線を陰茎部まで伸ばし、陰茎を皮膚と尿道と海綿体と亀頭に分離する。

(3)そのまま陰茎部まで切開し、海綿体は切除する。

(4)亀頭は子宮頸部として利用する方法と、切除してしまう方法がある。

(5)女性の尿道開口部位置に合わせて皮膚を切開し、そこに尿道を通す。

(6)女性の正しい膣の位置に指を挿入し穴を開ける。

(7)そこに陰茎皮膚を逆転して押し込み、膣とする。

(8)尿道の余分な長さを切除して尿道口を形成する。

(9)陰嚢皮膚を利用して陰唇を形成する。

(10)膣がふさがらないように詰め物(ステント=シリコン製)を入れて完成。



この手術法を最初に聞いたとき、女の私でも貧血を起こしそうになりました。
その話を私と一緒に聞いていた男性客は、みるみる無口になってしまいました。
この話、血に強い女性ならともかく、大概の男性なら貧血物なんじゃないかと思います。


『その方法しかないの?』
恐る恐る尋ねる私に、
『昔はね、腸の一部を使って形成したり、
 太腿の皮膚を丸めて形成したりする方法もあったのよ。
 でもね、自分のオチンチン使った方が性感が残るから気持ちいいの。』
さらっと答える某有名店ママ。


『い・・・、イタイでしょう。』
ああ、とっても馬鹿げた質問。
『ん~、どっちかって言うと部分麻酔でやる豊胸手術の方が痛いわねえ。
 性転換手術は全身麻酔だから、その時は痛くないわね。』


『・・・・術後は?』
『豊胸は胸元の皮膚が引き攣れて暫くは痛いわ。
 局部は2週間くらいドーナッツ座布団のお世話になるかしら。
 痔みたいよね!!あはは!!』


加えてこの手術を受けた人は、膣が萎縮してしまわないよう、
一生膣にシリコン製の詰め物を入れておかなければならないらしい。


『最初は慣れなくてねー。詰め物を何回もトイレに落としちゃったわ。』
『今も・・・入ってるの?・・・よね。・・・あ、見せなくていいからね(汗)。』


ママはふふ、と笑いながら薬のシートを見せる。
『後はこれだけよ。毎日ホルモン剤を飲むの。』


銀色のシートをクルクルと弄ぶその横顔は、何だか少し寂しそうだ。

『なおちゃん、アンタは天然物の女なんだからね。
 ちゃんと気張って女を磨きなさいよ。
 私達は所詮、養殖の女なんだから。
 アンタ達に勝てっこないの。』


私はう~ん、と考え込んでしまいました。
果たして自分はどれだけ女として努力しているのだろう?

男に生まれた事を幸せと感じ取れなかった彼女達。
私は幸いにも自分の生まれた性を違和感無く過ごせる人生である。

ひょっとしたら私はすでにこの時点で充分幸せものなのかも知れない。


この人達が努力と痛みと金銭に変えても欲しかった物。
私はそれを最初から持っているけれど、このままでいいのだろうか?

女にアグラをかいていないか?


そう思った日から、彼女達は私の中で興味の対象ではなくライバルになった。
今は彼女達を『同性』までもは思わないが、商売敵だと思っている。

そう、それくらい尊敬しているのだ。


え?間違えられて怒ってるじゃないかって?




・・・・・・・・・・それとこれとは別問題です。

この辺りが天然の女心の微妙な所かな。
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