あふりかくじらノート
あふりかくじら



 色である音の、そのユニークなるパワー・重量・および容量について。

ざくざく
ていねいに。ひとつひとつ色が生まれる。
ぽろぽろ、そしてずんとひと突き。
生きている。生きてきた。それが、それらすべての音。

一方で空間的だ。
無数に連なるそれらが、よりあわさって音楽となる。

フジコ・ヘミングの指先から発せられる彼女の魂のかけらたちは、
うつくしい雨だれ。
ひとつひとつ、重たく透き通っている。
それらはすべてとても孤独で、ひとつぶずつ自立している。
ひとつの色が音楽。織り成すすべてが音楽。
彼女の人生、ヨーロッパの空気とか重さとか歴史とかそういうことだ。

無数の鉛のような雨がうつくしく色濃く煌き、
髪や顔や身体じゅうに、そしてこの世界のすべてに降り注ぐ。
触れた瞬間、それはやわらかく消え去り、
残された想いだけが重たく充満するのだ。

押し寄せられる力の波。

それはわたしの魂と融合する。
フジコ・ヘミングとそのピアノのものがたり。
うつくしい重たさで、息苦しく動けない。

録音され冷凍保存された音楽ではない。
生きて、血が通っていた。

2003年03月02日(日)
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