ジャンプから「ヒカ碁」が消えると淋しいですなぁ。 早く三谷にゃんこの姿を拝みたいものです。 富樫が自主的に消えてしまうのにはもう慣れました。あとはいつフジリューが消えるかハラハラしながら見守っているのです。「サクラテツ」どういう話なのかわからんわい。 今週は「ライパク」にしてやられました。兄さんな上に双子…。MOE★ あとは「ソワカ」のオヤジに期待。もちろん海馬サマのヘタレにも。
先日リクエストしておいた本が届きました。 すっげぇですよ。読み始めたら止まらなくなること必至だし、読了の挙句、何度も読み直してしまうほど面白かった! 12月に出てたんですが、いろいろ忙しかったんでやっと読めたという感じ。 そして、期待に違わずやってくれましたよ…。ありがとうな気持ちでいっぱいです。
「スノウ・グッピー/五條瑛」 <あらすじ> 日本の防衛を担うために創設された軍隊、自衛隊。しかしその実体は軍としてではなく、あくまで警察の予備機構としての組織でしかない。彼らが出動するのは主に災害時の救援であり、実戦用の装備は名目上のことで、その封印を解いた者は誰もいない。 二十数年前、防衛庁内で一つの壮大な計画が小さな産声を上げた。 そして今、小松基地を飛び立った戦闘機の墜落によって、物語はその計画がついに実を結ぶに至る道をたどることになる。 「我々は"グッピー"を一匹失いました」 主人公、三津谷は失踪した同僚を追ううちに、計画の中枢へと近づいていく…。
具体的な内容はあまり言えませんが、"グッピー"とは戦闘機に搭載される対空中戦用電子機器のコードネームです。自衛隊と共に開発に当たっているのが関東電子機器という会社で、三津谷は総務部調査課に所属してます。 本来はJチームと呼ばれる開発者達で取り仕切られている"グッピー"開発には、各国機関が注目していて、水面下では情報の漏洩(リーク)の争奪戦が続いているのです。 などと書くと、何やらムズイ話なのかと思われそうですが、物語の背景として、それらを押さえておくとさらに面白いので、まぁ余裕があれば頭の片隅にでも。 "グッピー"がいかに素晴らしいものなのかは、シロウトの私には判りづらいものもあるのですが、まぁ「戦闘妖精<雪風>」における"シルフ"のAIだと思えば、なんとなくイメージが湧くでしょうか?(怒られそう…すんません)
しかし、五條瑛のウリはなんといっても、そのキャラクターのあざとさ! 今回もブッちぎりですよー。主要な人々を私的なコメントでご紹介。
三津谷:主人公。狂言回し。年齢は30過ぎ(32かなぁ。勤続十年だし)。独身。 地味で生真面目な人生と本人は思っているようだが、なかなかどうして気が 強いらしい。携帯の着メロは「スターウォーズ」「2001年宇宙の旅」である ことから、SFオタクぶりがうかがえる。 周囲の、全ての男を血迷わせているように見えます。 てゆーか、この事件の元凶はこの人にあるのかもしれない。 それに全く本人が気づかないあたり、かなりツボです。 チャームポイントは"泣きボクロ"。 特に男に対して絶大な効果有り。
宇佐見:防衛大出身のエリート幹部自衛官。妻と離婚後、独身。恐らく40代。 "正義"を貫くために全てを捨てて立ち向かう男。というと格好良いが、単に 現状に我慢できなくなっただけの軍人と見えなくもない。 四年前に、とある研究会で出会った三津谷に一目惚れしておきながら、「汚 したくない」という理由で連絡を絶ってしまうような腰の引け具合。 三津谷へのプロポーズの言葉は「今度こそ、一緒に歩いて欲しい」。 ホンモノです。
江崎:横須賀生まれ、沖縄在住のアメラジアン(混血児)。たぶん20代後半。 通称ヒロ。腹に蛇の刺青を持つ、したたかな青年。お金大好き。金に纏わる 情報には敏感で、ネタのためなら男と寝る事も辞さないタフさを持つ。 米軍兵士(男)からベッドで"グッピー"の情報を得た後、小松まで出向いて 三津谷と出会う。人懐こくて、面倒見が良い。外見は松田優作に似ているら しい。三津谷の仮住まいにちゃっかり居座っている。
矢部:関東電子機器Jチーム所属。28歳。眼鏡で痩身の技術畑一筋のオタク青年。 三津谷の後輩にあたりますが、なかなかの食わせ者。 "グッピー"開発に全てを注ぎ込む、頑固な研究者でもあります。 三津谷の持論に賛同しつつも、物足りなさを感じている様子。 「三津谷さんは、宇佐見班長のお気に入りだから…」という言葉から、結構 鋭く三津谷を見ていることがわかります。
まぁ重要な人はこれぐらいで、他にも虎視耽々と三津谷を"グッピー"を狙って動き回る人達がいます。宇佐見の師匠に当たる松野という退官間近の将官が良い味だしてます。普段はきっちりした宇佐美が唯一嫌味を言えるような相手でもあります。(三津谷は"憧れの相手"だから、そこまで砕けてないのね)
ナチュラルに男を虜にしてしまう、三津谷くんの美貌とはいかなるものなんでしょうか?宇佐見の場合。 『……涼しげな目元にある目立つほくろに、年甲斐もなく一瞬目を奪われた。それが始まりだった』 江崎の場合。 『涼しげではあるが、ちょっと暗い感じの静かな目をしていた。利口そうな顔でもあった。身なりはよく、初対面の印象は清潔、聡明。色白というほど白くもなく、日焼けしているというほど黒くもない。』 ふたりとも"涼しげ"というからには、キレイ系なお顔なのでありましょう。宴会芸で女装した写真を見て「本物の女性かと見紛う美人」と女性に言われています。 後日それを見た宇佐見(独身)はナニを思ったのか…。想像すると萌えですね。
三津谷は宇佐見に九谷焼のカップをプレゼントしていたのですが、それを使うのを見てすかさず松野が「加賀美人からかね?」と聞けば「ご想像にお任せしますよ。ただ、私は松野さんと違って趣味はうるさいもんでね」と宇佐見が答えてます。 これはその少し前に、離婚した宇佐見に対して松野が「美人は三日見れば飽きるが、ブスは飽きないというのは本当だ」と自分の伴侶について語ったのを踏まえてのことで、宇佐見が選ぶのは、当然、美人の三津谷くんですよー。
江崎も悪どい人間ではありますが、三津谷にはオムライス(には見えないシロモノ)を作ってあげたり、ステーキを奢ってくれたりと何かと世話を焼いてくれます。そんな江崎に対して、三津谷は最初戸惑っていたというか敵視していたのに、父親不在の似たような生立ちを聞いたりしたことで、妙な親近感を持ってしまったりしています。 マジであと少し江崎が三津谷の側にいたら、コロッと落ちてたんじゃないかと妄想。 きっと宇佐見が放っておかないでしょうが。
最初から最後まで名シーン続出、とにかく読め、読みなはれ!としか言えません。
高村薫が沈黙している間に、五條瑛はどんどん進化(しかも腐女子には嬉しい方向に向けて)していっているようです。 「断鎖」の続きも目を離せないし、今年も五條瑛はブイブイ飛ばしてくれるでしょう。
"スノウ・グッピー"とは何か? わかった時、私はちょっと心震えました。
五條瑛は良いよ! 読んどけ!
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