ぽあろの音楽旅日記
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2001年02月01日(木) 第12回 涙を流したクラシック① ドヴォルザーク 交響曲第9番

 クラシック音楽を聴いて、涙を流したことはありますか?もちろん、あくびの涙はだめですよ(笑)。僕は今のところ、2回ほどあります。今日はそのうちの一回目のほうをご紹介します。
 曲はドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」です。第2楽章の主題が「家路」という曲で広く知られています。また、第4楽章の冒頭はTVCMなどでもよく使われていますね。クラシックの中でも特に有名な曲のひとつといっていいでしょう。
 スロバキアの作曲家、ドヴォルザークが請われて新天地アメリカへ赴いた、そのアメリカでの作品だということです。全体的に「郷愁」を感じてしまうのはそのためでしょうね。
僕が涙を流したのは、その部分にあるのだと思います。

☆ケルテス指揮 ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ケルテスのデビュー盤、僕にとっても「新世界」をはじめて聴いた盤であり、例の「涙を流した」のはこのCDです。何がどう、という理屈抜きに感動できる演奏です。残念ながらケルテスは水難事故で早逝してしまいました。
☆バーンスタイン指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 僕の「神様」、バーンスタイン様の名演のひとつです。こうしてみると、僕はいろんな指揮者の信者になっていますが(笑)。彼の凄さは、自分の音楽を徹底することだと思います。この曲の演奏も、良くも悪くも極端。テンポもボリュームもものすごい幅を持たせています。「演歌調だ」と批判する向きもありますが、いいじゃないですか、演歌で。
☆サヴァリッシュ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
 ヨーロッパの音楽シーン(そして日本ではNHK交響楽団との多数の共演)で安定した評価を得ていた名匠・サヴァリッシュが「請われてアメリカヘ赴いた」、最初の録音です。そこにドヴォルザークとの共通点を指摘する批評家の方もいらっしゃいますが、そんなこと抜きに、名指揮者と名オーケストラの初顔あわせのぶつかり合いの凄み、それがこのCDの魅力です。見事なまでに融合していて、暖かみのある演奏になっています。


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