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カオパラさん
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カオパラさんに登録させていただいてるデータを、新データベースへ移行してきました。
「天より降る風」どうしよう……FT恋愛……FT非恋愛……どっちにしても半端なような。
そういえば、運営費が結構大変な額になっていらっしゃるようなんですよね。大変気がかりです。
しかし、クレジットカード持っていないので、お手伝いしにくいんですよね……はてなポイントなら送信できるんですが。
そして今日は久しぶりに読んだ本についてちょっと長めに書いてみました。
批判的な内容ですので、そういった調子が嫌いな方は避けてくださると嬉しいです。
プロローグ辺りで暗雲を感じた。
フランス、ドイツあたりのワインばかりが知られ、イタリアワインが知られていないことを語る著者から、「他のチームを褒める言葉を聞いて、贔屓のチームが貶されたかのように怒る人」のような印象を受けたのがその皮切りである。
私は、著者が奨めようとするものを、比較対象を貶めることで褒めるエッセイが好きではない。明確な根拠がなければなおさらだ。(たとえば「同程度の格付けのイタリアワインならば、フランスワインより安い」は同程度のというところを気にしつつ受け入れられるが、これが「安い」ではなく「おいしい」になるとちょっと素直に頷けない)
それがゆえに、後に著者がイタリアワインを絶賛しているところも、何だか信憑性にかけるように思えてしまう。
日本人に対する視点も気になる。日本におけるワインの歴史が短いのはヨーロッパに日本酒の長い歴史がないのと同じで、当たり前のことだ。ギリシャからワインが伝わったばかりのローマなどではワインを水や海水で割った歴史があるように、日本人がワインに対する歴史が浅い時点で甘口のものを好んで飲んでもいいと思う(というか、辛口・重口でを通の飲むものとするのは、甘口・軽口のワインに対する侮辱であるのではないか)。
そして、日本におけるワインは「日常の飲み物」ではなかったのだから、高いものばかりだったのも当然ではないだろうか。特別な時に飲むものならば「ちょっといいもの」を買いたいのは人情だと思うし、慣れないものであれば値段を基準にいいものを探そうとするのも無理はないと思う。そうなった場合、商売人である業者が何を仕入れるか、どのように価格設定をするかは自明の理ではないだろうか。
勿論そこに日本人の「フランス信仰(一時期良く言われてましたね)」があったのは否めないが、諸種の事情を無視して、日本人は「フランス(ブランド)信仰」だの「ワインを知らない」だのと語り、「イタリアワインはいい」、「ヨーロッパ人はワインを知っている」といわれても、どうも頷きにくいし、いいものを知らしめたいというよりは、蒙を開いてやろうという印象を受ける語り口であるのも頂けない。「日本人のフランス(ブランド)信仰」と同じように作者は「ヨーロッパ人信仰」しているようにも読める。日本では自国の悪口を言うのがインテリ文化人のしるしであるように言われているといったようなことをマイナスイメージとして語るのであれば、著者はもういちどこの本を読み直してみるべきではないだろうか。どうも、ワインには関係ないところでも欧州礼賛と日本軽侮の観が強いように思える。
後もうひとつ、最後の章からエピローグあたりというのは前までの流れを受けての纏めにあたるものだと思うのだが、どうも流れに乗ることができていない印象を受けた。どうもぶつっと断ち切られた印象を受けてしまう。
……まあどうもこの著者の文章とは馬が合わなかったらしく、こんなことを言っていますが、イタリアのワイン職人さんの話などは普通に興味深く読めましたし、おいしそうだなとも思いました。
イタリアワインに触れるきっかけにはなりそうです。
どうも私は、食に関するエッセイは比較で物を言って欲しくないらしいです。味覚というのはそもそも客観性が薄いものだと思っているからかもしれません。
2004年11月16日(火)
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