2004年06月08日(火) |
「生まれる森」/島本理生 |
以前雑誌で見かけてからずっと読みたいと思っていて、やっと読んだ。 島本理生の本は初めてです。 (最近、いろんな人の本を読もう、と思っているんだけど。)
初めの方から主人公のツラさ?イタさ?がせつなすぎて、一度本を閉じた。
「それは彼がふとした拍子に見せる攻撃的なものの言い方や神経質な性格が原因ではなくて、もっと奥のほうにかかえた強い不安が一番身近な人間の心を容赦なく揺さぶるからだった。そばにいると苦しくてたまらないのに、離れようとすると大事なものを置き去りにしているような気持ちになった。」
「楽しいこともあったけど、いつも洗い流せない疲れ」に身に覚えがありすぎてズキズキした。
こうゆう恋愛はしない方がいい。と知識で知っていたとしても、落ちてみないと「こうゆう」恋愛なんて分からない。 そして望まなくても落ちていくものだ。
読み終えて、これは再生の話ではなく、この後も長い時間をかけて苦しみながらも少しずつ癒される、その過程の話なんだろうな、と思った。
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