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★短編小説16 - 2005年02月13日(日)
[ 記憶喪失 ]
いつも思う。 お前と俺との距離はいつだって遠いって。 この距離をなんとか埋められないもんかと。 そんなことで頭ん中いっぱいなんだよ。 お前はそれを知らねぇーだろ。
それとも。 そんな俺を知って。 バカにするか? キモチワリィーっていうか? シカトしてくるか?
どっちにしたって。 知ったところで、俺に好意は抱かねぇだろうな。
授業中、屋上からお前が外を走り回ってるのが見える。 廊下ですれ違う。 お前の教室の前を通った時、かならず赤を探してる。 どこかにお前の跡を探してる。 そういうことで、なんとか俺の中のお前を繋ぎ止めてる。
いっそのこと、お前に対しての感情を潰してやりてぇ。 いっそのこと、お前の記憶だけ無くしちまいてぇ。
頭ん中がおかしくなりそうだ。
...
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