昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2004年11月30日(火) 空白 其ノ四

 晴天続きの日々。明日から12月とは思えぬあたたかさである。
 本日もトラブル続出で、スリル満点の綱渡り仕事であった。このところこんなんばっかり。
 
 帰り道を少し遠回りして天満橋に寄り、京阪系列の店で使うとポイントがたまって5%引きになるカードを作り、デリスタでごま油とジャコを買った。
 京橋辺りを自転車で走っていたら偶然にも会社帰りのTと出くわして、腹が減ってもう一歩も歩けないとか大げさなことを言うので、印度屋でカレーを食べて帰ることにした。食べ終わる頃、カマキリみたいな顔の男性客が入ってきて、カレーひとつ、と注文したら、おばちゃんが何のカレーにします?、と聞いて、何のカレーて普通のカレーや、とカマキリが言うと、ウチは普通のカレーってないねん、とおばちゃんが答えて、カマキリが、ええー普通のカレーないのんかあ、と残念がるというやり取りを横で聞いていて、普通のカレーってどんなカレーのことだろうと、ぼんやり考えた。

 いったん家に荷物を置いてから、近くのガソリンスタンドに灯油を買いに行って、この冬初めてストーブをつけた。ストーブの上にホイルでくるんだサツマイモをのせて、コロコロ転がして焼きながら、新聞を読んだり、「吉行淳之介短編全集」をひもといたりする。この時間がいかにも冬だなあ、と思って何となくシミジミする。焼き芋は朝ごはんにして、残りは明日観に行くレイトショウ前に食べるつもり。
 夜にはレンコンとゴボウのキンピラと、芋虫がわんさかとでてきた大根菜を使って、ジャコと炒め煮にしてふりかけをつくった。
 寝る前に友人より、好きな男ができた!、とウキウキなお気楽なメールがきた。アホらしくなって、返信もせずに寝る。

・購入物:なし

・朝食:バケット、クリームチーズ、珈琲、柿
 昼食:お弁当(魚のすり身の天ぷら、ふかしたジャガイモにマヨネーズをかけたもの、赤カブの甘酢漬け、ごはん)
 夕食:外食、印度屋にて(ポテトオニオンカレーに厚切り牛肉をトッピング、スープ)


2004年11月29日(月) 芋と芋虫とペーパーエイド

 あっという間に月曜日。ようやく仕事も落ち着いてきて、少しノンビリした日であった。
 
 帰りにジュンク堂の大阪本店に行って、「ペーパーエイド」を買った。本のバンソウコウで、一つ1000円もした。Tは、100円で売ってるでー、と言ってたはずなのだが…。0が一個多いやないか、と思ったがまあいいか、ケチケチするのはやめよう。昨日買った古本の中にもアンダスンの文庫のページに少々破れている部分があったし、他にも修復したい本が何冊かあるので、これを機会にみんなまとめて治療しようと思う。
 
 食料を調達して帰宅。宅配野菜を整理する。里芋、ジャガイモ、サツマイモ、こがね芋、大根、れんこん、ゴボウ、とまあ、よくもこれだけ根菜ばかり入れられるもんだ。特に芋が問題だ。芋料理を考え出さねば。
 今夜もまた湯豆腐を食べる。湯豆腐大好き。大根を切っていたら、大根の葉の中から芋虫みたいなのがゾロゾロと5匹ほど出てきた。ここでも芋だ。芋責めだ。芋虫を水で流して、葉を熱湯に入れて茹でたら、また3匹ほどプカプカと浮いてきた。しつこいヤツだ。

 寝る前に「ペーパーエイド」で、本を何冊か修繕した。夜はけっこう冷えたので、毛布をかぶって眠る。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、珈琲、ジャガイモとチンゲンサイのスープ(昨日の残り)、蜜柑
 昼食:お弁当(豚肉と玉ねぎの炒め物、ゆで卵、ふかしサツマイモ、ごはん)
 夕食:鶏ナンコツの唐揚げ、湯豆腐(水菜、揚げ、大根、豆腐、ネギ)、赤カブの甘酢漬け、ごはん、麦酒


2004年11月28日(日) ゆるやかにすぎていく

 久々に9時すぎまで寝た。早起きも清々しいが、朝寝坊するのも気だるくていいもんだ。今日はいつまでも寝ていていいんだー存分にゆっくりと、と思うけれど、そういうわけにもいかないんだった。

 朝昼兼用のごはんを食べて、自転車に乗っておでかけ。「大阪古書会館落成記念古書フェア」というのに行く。場所は谷町五丁目あたり、少し迷ったけれどノボリがあがってたのでわかった。古い予備校みたいなグレーの建物。
 最近、古書市での収穫はいまひとつなんだけれど、今日はまあまあだったような。文庫は全て100円か150円。また新潮文庫の海外短編小説集が見つかったし。本日購入したのは、顔が峰岸徹にそっくりの「アンダスン短編集」。小島信夫訳の「ワインズバーグ・オハイオ」は面白かったなあ、内容はほとんど忘れたが、面白かったという記憶だけはしっかり残っている。
 古書会館では「ブッキッシュ」も買って、近くのドトールでひと休みしてから、一昨日見つけたけれどお金がなくて諦めた「吉行淳之介短編集」を買いに天神橋筋の天牛書店まで行った。箱入りで980円。吉行淳之介の短編は全く読んだことがない。この本でかなりおさえられそうで、楽しみ楽しみ。
 それからまた天満橋まで戻って、ジュンク堂で遊ぶ。大阪の新刊書店では天満橋のジュンクがやっぱり一番好きかも。ここの窓辺の机のひとつは、すっかり私の指定席のようだ。
 今日は新しく刊行された、安井仲治の写真集をとっくり眺めた。私は安井仲治の写真が何だか怖くてしょうがないのだが、引き寄せられるように見てしまう。目がページにビタッと張り付く。でもホントは寒気がするほど怖いのだ、この気持ちがどこからくるのか未だによくわからない。
 写真集はひとまず止して、第六版が出たというので「新明解国語辞典」を買った。持っている第四版は会社に置いたままになっているので、自宅用にしようと思って。何しろ辞書好きなもので。「新明解」は語釈や例文が、妙に後ろ向きなところが特に好き。
 ジュンクの下に「デリスタ」という食料品売り場が出来たというので早速行ってみる。賑やかでまことにけっこう。松坂屋が閉店した当初は涙にくれていたものだが、これからは本を買ったあとで食料品も物色できることになって、この流れがとても嬉しい。晩ごはんのためにお寿司と、お弁当のために豚肉などを購入。自転車をこいで家路につく。空は夕焼け。

 夜は、本を読みながらMDにおとしておいた「世界の快適音楽セレクション」の昨日の放送分を聴く。テーマは「夭折した人の音楽」。聴きはじめは「溶接の音楽」だと思い込んでいて、世界にはいろんな音楽があるもんだなあ、と感心していたのだが違った。でも「溶接の音楽」も聴いてみたい。
 「夭折」した人の中には佐藤伸治も入っていて、フィッシュマンズの『バックビートにのっかって』が流れた。自分でかけるんじゃなくて、ラジオとかから好きな曲が不意に流れてくるのはドキッとする。トキメク、という感じに似ているかもしれない。

 冴えない一週間だったけれど、今日はどことなくほっこりしたような、良い一日だった。家の掃除はさぼっちゃったけど、まあいいか、汚いところは見ないようにしよう。

・購入物:吉行淳之介「吉行淳之介短編全集」(新潮社)
     シャーウッド・アンダスン「アンダスン短編集」(新潮文庫)
     バーナード・マラマッド「アシスタント」(新潮文庫)
     アルベール・カミュ「太陽の讃歌ーカミュの手帖1」「反抗の論理ーカミュの手帖2」(新潮文庫) ここまで古書
     「新明解国語辞典・第六版」(三省堂)
     「ブッキッシュ」vol.8

・朝、昼兼用食:焼そばパン、クロワッサン、ジャガイモとチンゲンサイのスープ、珈琲、柿、蜜柑
 夕食:買ってきた巻き寿司(ウナキュウ、マグロ)、湯豆腐(豆腐、大根、しめじ、えのき、薬味にネギ)、揚げの網焼き生姜醤油、焼酎お湯割、もっと他のものも食べた記憶があるが思い出せない…。
     


2004年11月27日(土) 文楽は愉し

 早起きして朝ごはんと後片付けをすませ、たまっている日記一日分だけ大慌てで書いて、文楽劇場へ行く。今日は通し狂言「仮名手本忠臣蔵」。10時半開演で終演が21時と長丁場なので、睡眠を十分にとって臨む。途中で打ち合わせもあることだし…と、このことを考えるとムカムカする。

 とにかく三段目の塩谷判官が高師直を斬っちゃうところ(「殿中でござる」の場面)まで見て、大急ぎで梅田へ。ごはんを食べながらあーだこーだと出口の見えない打ち合わせの後、しばし雑談。この雑談が余計だが無碍にもできず。14時半頃解放されるが、上演途中で入場するのもマナー違反なような気がして、第2部の開演まで難波界隈をブラブラし、眠気防止のガムやお茶を購入したり、黒門市場をひやかしたりする。
 気を取り直して第2部七段目から観る。結局、四段目から六段目まで観られなかった。知らぬうちに塩谷判官も早野勘平も切腹してしまっていた。何と言っても四段目の「城明渡しの段」を見逃したことは、この私が切腹ものだ。うーん残念、また次の機会に。でも「次の機会」っていつ?

 七段目の「祇園一力茶屋の段」は見応えがあった。玉男さんと蓑助さん、勘十郎さんが勢ぞろいしたし、それぞれの駆け引きも見事で、おかるの可憐さにはうっとり。八段目は少しウトウトしたが、続く九段目の「山科閑居の段」は、文楽鑑賞歴が短い私でもわかる何とも難しい曲で、これを十分に想いたっぷりに語れるのは多分世界にただ一人、住太夫さんしかいないのだ、それを今ここで聴いているんだなあ、と思うと感激もまたひとしおであった。

 でも「忠臣蔵」って、どうもピンとこない話だ。吉良のクソジジイなんかのためになんで死ななきゃならんのかという疑問が、観ている間中ずっと心にある。わざわざ仇討なんかしなくても、人間は放っときゃそのうち死ぬよ。第一、俗物ここに極まれり、みたいな強欲好色ジジイの吉良にブチ切れて、先に刀を抜いちゃった浅野内匠頭が悪いんだし。吉良家突入前夜に、ああ今宵が最後の夜じゃ、などど泣いている大石家の人々を見ても、討ち入りなんか止めときゃいいのに、もう終わったことやないのー、と思うばかりで全然感情移入出来ずじまいであった。これも「城明渡しの段」を観ていれば、また違う感想が出てきたかも知れず、返すがえすも残念無念。

 帰宅は22時すぎ。疲れたが面白かった。次の文楽はお正月。今度は最初から最後までちゃんと観たいものだ。

・購入物:文楽11月公演プログラム

・朝食:根菜汁、梅干、卵焼き、ごはん
 昼食:外食(サイコロステーキランチ、サラダと珈琲つき)
 夕食:残っていた根菜汁にお餅をいれたもの、柿


2004年11月26日(金) 少しづつ狂っていく

 晴れてあたたかい一日。相変わらず仕事はバタバタ、というかガタガタ。明日は文楽の通し狂言の日であるが、お昼にどうしても外せない打ち合わせが入ってしまい、観劇途中で抜けなければならなくなって、ひどく落ち込む。何とか避けようと努力したけれども抵抗空しく…、という感じだ。春から楽しみにしていたのになあと思うと、涙がじんわり。
 会社で席替えをして今までとは反対側の窓際に机をもってきた。ブラインド越しの日差しが気持ちいい。会社の前の通りの交通量がすごくていつも渋滞していること、夜になるとテールランプの光が束になって案外綺麗な眺めであることを、今日初めて発見した。上から見ると人も車もオモチャみたいだ。

 夜、仏壇屋の前を通って、また今週も蜜柑を買った。ビニール袋にいっぱい詰まった柿も一緒に。帰ってから柿をむいて食べた。カシッと固くて、幼い頃田舎の柿の木から、おじいちゃんが取って食べさせてくれた懐かしい味がした。
 閉店前ギリギリに飛び込んだ商店街の古本屋さんで田村隆一の本を100円で、それから豆腐屋でお揚げを買った。今晩は根菜をいっぱい入れた豚汁をつくるつもり。自転車をコキコキこいで家に帰る。夜になったらやっぱり寒いので灯油を買いに行こうかとおもったが、面倒くさくなって止めた。
 「プレデター2」を観ながら晩ごはん。透明のエイリアンみたいなヤツと刑事の対決。ホホホ、バカバカしい。
 後片付けをして、新聞を読んでいたら意識が朦朧としてきたので、割りと早く寝た。明日は早起きしなければならないので、目覚ましをキチンとセットして消灯。

・購入物:田村隆一「ぼくのピクニック」(朝日文庫)

・朝食:ごはん、梅干、味付け海苔、
 昼食:お弁当(甘酢肉団子、ゆで卵、あともうひとつ何だったっけかな…忘れた、ごはん)
 夕食:根菜汁(ゴボウ、レンコン、里芋、人参、大根、コンニャク、厚揚げ、豚肉)、焼鮭、ほうれん草のおひたし、ごはん


2004年11月25日(木) 空白 其ノ参

 今日も午前7時に出勤。最近のわたくしはとても働き者だ。でももうそろそろこんな毎日も終わりにしたい。コツコツやるのは飽きがくる。
 途中入社があったりアルバイトを入れたりする関係で、事務所の席がえをしようとか何とか誰かが言い出して、このクソ忙しい時にこんなことやってる場合かよと思いつつ、一日中掃除や整理整頓ばかりしていて、片付けたいことの半分もできなかった。

 帰り、阪神百貨店の化粧品売り場と地下街のファンケルに行って、基礎化粧品を買った。化粧品コーナーに行くと獲物が来た獲物が来たという顔をした店員さんが、待ってましたとばかりにアレコレと商品を勧めてくるので面白い。みんな綺麗だし、張り付いた営業スマイルもバッチリだけど、お腹の中では何を考えているかわかったもんじゃないなあ、といつも思う。まあそれはどんな職業の人にも言えるけれど。
 Tがごはんを奢ってくれるというので、京橋の紀伊国屋で待ち合わせして、ハンバーグを食べに行った。今日はお昼もNさんにお寿司をご馳走になったし、なかなか素晴らしい日であった、ような、気がする。
 明日のお弁当のオカズに551で甘酢肉団子を買い、コカルドでスフレチーズケーキも買って帰宅。最近すっかり早寝早起きが身について、午後11時には夢の中であった。

 数日で読んだもの。「デモクラシーの冒険」と角田光代の「トリップ」。読書も滞りがちなのと、何よりゆっくり本屋めぐりができないことが、ここ最近で最大の欲求不満である。

・購入物:なし

・朝食:ガーリックフランス、珈琲、バナナ
 昼食:外食、回転寿司5皿か6皿(「牛トロ」とか食べた。人のオゴリで)、赤だし、麦酒中瓶一本
 夕食:外食、かめや(エビフライとハンバーグ、イカフライ半分、サラダ、ライス)


2004年11月24日(水) 背中に人生を?

 早起きして、午前7時には出勤。早朝に自転車で走ると冷たい風で手と顔がピリピリする。もうそろそろマフラーや手袋が要るかもしれない。
 こんなに朝早くても、途中の道では多くの通勤の人々とすれ違ったし、ビルの別フロアの人は既に仕事をしていたりして、普段私がまだグウグウ寝ている時でも世の中は稼動しているわけで、みんながそれぞれの時間を動かしているから、私たちの暮しが成り立っているのだなあ、と当たり前のことをしみじみ感じた。

 仕事では、まあゴチャゴチャといろいろとあって(ホントに「いろいろ」あったなあ)、ぐったりと疲れて退社。晩ごはんを手抜きするため、近所でコロッケを買って帰る。店のオジサンがおまけに、揚げすぎて少し黒くなり売り物にならないコロッケを2個くれた。

 ごはんの後、登場人物が少なくて、話が込み入ってなくて、大げさなことは起こらず、短くて、人も動物も死んだりしないような映画が観たくなって、ビデオ棚を物色して、パトリス・ルコントの「タンデム」を観た。
 ラジオの公開番組収録のため町から町へ旅を続ける、初老の司会者と番組ディレクターの中年男の話。それぞれをジャン・ロシュフォールと、「トリコロール・白の愛」でジュリー・デルピーと共演していた役者さん(名前忘れた)が演じていて、さりげなくてシブイ演技がカッコいい。ふたりの友情物語かなあ、と思いながら途中までは見ていたけれど、友情じゃなくて恋なんじゃないか、と気づいてからは、細かいところをああでもないこうでもないと深読み出来て面白かった。こういうピリッとした短編小説のような映画が自分の好みなんだなあ、とつい最近わかりかけてきた。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、珈琲(他にも何か食べたはずだが、もはや何にも思い出せません)
 昼食:お弁当(ハムとキャベツの炒め物、水菜のゴマ和え、卵焼き、ごはん)
 夕食:近所のお肉屋さんで買ったコロッケ、コンニャクと竹輪の炒め煮、小松菜のおひたし、とろろごはん、キムチ)


2004年11月23日(火) 空白 其ノ弐

 休日であるが出勤。この日は確か、スコーン晴れて気持ちの良い天気の一日だったはずだが、私の心はずっと冴えずじまいであった。

 ガチャガチャと仕事しては飽きて休み、また仕事しては飽きて休み、その繰り返しであったが、かなり片付けることが出来て満足して、お昼に近くのコンビニで買ってきたインスタントの焼きそば(「UFO」みたいなやつ)を食べていたら、今日は絶対出勤してこないと思っていたUさんが部屋に入ってきて、ビックリした。開口一番、「んまあ、スゴイ匂い!」と言われる。「そういう食べ物って体に悪いのよ〜」と、チクリと忠告される。体に悪いものほど美味しいのだよ、と思うけれど、言わない。言ったら倍になって返ってくるもんね。
 Uさんは、箕面か能勢かその辺りに自分の畑を持っていてそこで取れる野菜を毎日食べておられるようなとにかく「オーガニック」な人で、そういう方面のことにはすごくうるさい。それに、嫌煙だか分煙だか、煙草撲滅運動みたいなこともしていて、いつも立派で正しいことしか言わなくて、まああんまり面白くない人なのだ。

 Uさんが来て何だか仕事を続ける気が失せてしまい、旭屋に寄って講談社の「本」をもらって、晩ごはんの買い物をして帰り、日がとっぷり暮れるまでグウグウと昼寝をした。

 夜は蓮実重彦「映画への不実なる誘い」を一気読み。ヒッチコックの映画を見直したくなった、特に「汚名」「めまい」「私は告白する」など。どこかで借りてこなくては。
 なんだか疲れて、けっこう早い時間に寝た、と思う。
 
・購入物:なし

・朝食:バタートースト、目玉焼き、珈琲、柿、ヨーグルト
 昼食:インスタント焼きそば
 夕食:キムチ鍋(中華そばいり)、水菜のゴマ和え、焼酎


2004年11月22日(月) 唇に血の酒

 こないだ提案したいい加減な企画が通って、急に忙しくなった。
 周到に準備した(つもり)だったり、綿密に考えた(つもり)だったりした時は箸にも棒にもかからないくせに、半分居眠りしながら考えた企画書が難なく通ってしまうのは一体何でだろ。でもだからといって、万年居眠りしていればいいかというと全くそうではなく、このあたりのからくりはどうなってるのか、もう永遠の謎だ。好きな人にはトンと相手にされないのに、えっ!アンタ誰?というような人に好かれてしまう時のような気分。ちょっと違うか。
 何でもいいけどこれで今週の予定は丸潰れになりそう。ほとんど絶望的な気分で帰る。

 家に帰って、宅配野菜の整理。このところ毎週入ってくるゴボウを使って一品作り、あとは手抜き。
 ごはんの後は、Tが買ってきた「クウネル」を読んでおでんが食べたくなったり、今よりもっと古い家に引越したくなったり、心は千々に乱れる。今住んでいるところも相当ガタガタで、つい先日も家の前を通った小学生に「なんやこれ、ボロボロの家やなー」と言われたばっかりなので、これはこれで気に入っているのだが、できればもう一部屋くらいあって、猫の額ほどの庭があれば、なおいいんだけどなあ、と妄想はさらに膨らむ。『晩春』での笠智衆と原節子の住まいが私の理想系。

 夜は、三浦哲郎の短編集「みちづれ」を読んでしまう。静かに静かに続いてきて最後にふと、グラッと振れる。難解な言葉は何ひとつ使っていないのに、その本質を言い当てることはとても難しい。人生の果ての果て、終わりのほうで読むともっといろんなことを感じられるかもしれない。私はまだその域に達していないようで、それがいいことなのかそうでないのかわからない。
 日記を書いて、消灯。時間は忘れた。

・購入物:なし

・朝食:ごはん、カボチャの煮物、梅干、漬物
 昼食:お弁当(焼鮭、ポテトサラダ、蕪の漬物、ごはん)
 夕食:牛肉とゴボウの甘辛煮、ポテトサラダを扇形ソーセージでクルッと巻いたやつ、カボチャの煮物、ごはん、焼酎


2004年11月21日(日) 空白

 昨夜の夜更かしがたたってか、午前10時頃までグウグウ寝る。朝ご飯は昨日の残り物ですませた。みんながバケモノみたいな食欲だったことと、Tの友人たちにお土産として、焼きおにぎりやおひたしやサラダなどを持って帰ってもらったので、思ったより余らなかった。
 もうひとり暮らしも長いし、ずいぶん長い間手作り料理というものを食べていなかったような気がする、一人で食事をするのはけっこう寂しいし、そろそろ誰か毎日ごはんを作ってくれるような人が欲しいと思う、というような意味のことをS君が言っていた。たとえ「毎日ごはんを作ってくれるような人」が現れても、S君の寂しさのようなものは解消されないと思う。それは人と人の関係の中で減っていくようなものではないと思ったが、うまく言えないような気がして口には出さなかった。
 ごはんの後、蜜柑の皮を煮たものをぬるま湯に混ぜたやつを作り、Tをおだててそそのかし、床と窓を拭いてもらった。スゴクキレイニナッタヨー、と大げさに喜んだら、また年末もやる、と言って張り切っていた。なんでも自分で解決しようと思わず、これからはどんどん人を頼っていこうと思う。簡単なことだ。

 その他、本日行った場所とおこなったこと。
 図書館。予約していた本が届いていると電話をもらったので。予約していたのは蓮實重彦「映画への不実なる誘い、国家・演出・歴史」。蓮實重彦の本はいつもジュンクの三階で立ち読みしていたが、図書館で借りればいいのだと、ついこないだ気がついた。それと、角田光代の「太陽と毒ぐも」「トリップ」を借りた。
 ユニクロ。急に思いたって、700円くらいのタートルカットソーを買ってみる。すぐダメになりそうな予感がするが、まあものは試しということで。
 千林の古本屋。いつも行く「おっちゃんのとこ」と呼んでいるお店に行く。店主さんがおじさんなのでそう呼んでいるのだが、古本屋の店主はほとんどがおじさんなのだった。写真集を一冊300円で購入。奈良原一高らが推薦文を寄せている。
 千林の市場。商店街をくねくねと入っていったら、魚屋や肉屋、八百屋が並ぶ市場のようなところに行き当たった。どれも新鮮で安く、店の人も気さくで良い感じ。塩鮭と鰤のお刺身、豚肉を購入。食べ物を買うのはいつもワクワクする。

 夜は、えーと、何してたっけ。たぶん、借りてきた本など読んだりしてたと思うが何だかうまく思いだせない。「おしゃれカンケイ」で手品をやっているのをボーッと見たりした。米を研いで、お風呂、午前0時には就寝。なんか霞がかかったような週末であった。

・購入物:写真の歴史シリーズ「アンドレ・ケルテス」「エドワード・スタイケン」(クィック・フォックス社)古書

・朝、昼兼用食:昨日の残り物、カレーとかサラダとか
 夕食:鰤のお刺身、ポテトと卵のサラダ、豚肉とキャベツの蒸し煮、焼酎お湯割、ごはん、蕪の漬物


2004年11月20日(土) 大きな口が待っている

 午前7時起床。少々二日酔い気味である。午前中は洗濯と簡単に掃除をする。今晩、Tの友達が2人ほどごはんを食べにくることになっているので、曲がりなりにも部屋をキレイにしておこうと思って。少なくとも、キレイに見えるようにはしたい。
 先日Kから電話があった時今夜のお客様のことを話したところ、へえじゃあ私も行く、出会いがありそうなところにはマメに顔を出しとかなくっちゃね、などと言ってひとりで盛り上がり、Yちゃんも誘ってみようかなあ、と言っていて、出会いとは一体何のこっちゃいな、と思ったことを思い出し、本当に来るのかどうか今朝電話してみたら、行く行くワインかビールを買っていくよー、とやっぱり大盛り上がりのご様子、となると今日はこれから、私も含めると約6人分の食事を作らねばならず、何となく気が重い。

 重い気を引きずっていても仕方ないので、昼頃から買い物に出かける。よく料理番組なんかで、『楽しいおもてなし料理』とか『簡単楽しいパーティメニュー』とかやってて、みんなでワイワイやりながら食べるのは本当に美味しいものです、だから私は人をお招きするのがダーイスキ、などと言っているのがあるが、アレは本当にそう思っているのだろうか。私はただただ面倒に思えるのだが。
 とにかく絶対失敗しない自信のあるカレーと、あと煮物と揚げ物とサラダを作ることにする。カレーにはちょっと上等の肉を入れようと、いつものお肉屋さんで、100グラム400円くらいの牛肉を買ったら、今日はえらいはりこむなあ!、と店のおじさんに大声で言われて、隣でハムを選んでいたおばちゃんに笑われた。

 午後からひたすら一心に料理。一週間分のものを作った気がする。キッチンに立っている間、CDを何枚も聴いた。久しぶりにカルトーラなんかも聴いたりした。
 日が暮れてからひとりふたりとやって来て、午後7時ころには全員揃って、けっこう楽しく飲んだり食べたりした。私は昼間の大奮闘からそのまま給仕に追われてかなり疲れていたが、料理は概ね好評だったし、みんな何かいろいろ楽しそうに話してたのでよかったんじゃないだろうか。出会い、とかいうものがあったのかどうだか、よくわからんが。Kが、いやあこうやって集まるのも楽しいねーまたしたいねー、などと無責任極まりないことを口にしやがって、顔ではへらへらと笑っておいたが、もう当分結構です、と私は思った。
 夜10時頃になって、Tの別の友達が車で迎えに来て、どこだかにカラオケに行くとか言いだして、カラオケなんかそんなややこしいことはまっぴらごめんだと思い、実は昨日から風邪っぽいねん、などと白々しいデタラメを言って断った。5人が嬉々として連れ立って出かけて行った後には、大量の洗い物と食べ残しと、妙に気疲れした私だけが残った。

 テレビで、石原裕次郎を題材にしたダサい演出の「駄ドラマ」を斜めに見ながら洗い物。一段落してから、お風呂に入って、寝床で「デモクラシーの冒険」を一気おしまいまで読んで寝た。本を一気に読んだなんて実に久しぶりのこと、なんか充実。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、ゆでキャベツと玉ねぎのサラダ、珈琲
 昼食:たこ焼き6個(近所で買ってきた)
 夕食:ビーフカレー、大根とイカの煮物、揚げ蓮根だんご、カキフライ、鶏の唐揚げおろしポン酢かけ、小松菜と厚揚げのおひたし、シーザーサラダ、ニンジンサラダ、焼きおにぎり、蕪の漬物、麦酒、焼酎、ワイン、あとはチーズとかクラッカーとか、そんなようなもの


2004年11月19日(金) 酒と蜜柑と解説目録

 昼から神戸へ。車内で「新潮文庫解説目録」を読む。何だってそんなものを読んでいるかというと、今朝も例によって例の如くバタバタ支度に追われて、あろうことか本をカバンに入れてくるのを忘れ、自転車で通勤して一日会社で仕事する日は別にかまわないけれど、こうしてどこかへ電車に乗ってでかけるという時に本がないとけっこう精神的にきついタイプなので、どこかで何とか調達せねばと梅田の紀伊国屋に入って物色しようとしたが発車の時間が迫って気が急きちゃんと選べず、仕方なくカウンターにあった「解説目録」をもらって電車に飛び乗ったのだった。
 前置きが長いけど、とにかく「新潮文庫解説目録」を読む、というか、眺める。ふと三浦哲郎の「短編集モザイク」というシリーズが目に止まった。解説が荒川洋治であることと、『僅か数ページに封じ込まれた人の世の情味と残酷。宝石の如き短編小説をゆっくりと読みふける至福の時間』という紹介文に惹かれて、三浦哲郎は今の今までほとんどノーマークであったがちょっとこれを読んでみようと思い、打ち合わせ終了後三宮のジュンクに飛び込んで3冊とも買った。司修によるモザイク模様の装幀もいい感じだ。なにかいい買い物をしたような気がする。帰りの電車でゆっくり読み始めた。

 少し残業してから仕事関係の飲み会に出席。あんまり気が進まぬが、断ってばかりもいられない。店に行くまでの道をすこし遠回りして先日蜜柑を買った仏壇屋の前を通ったら、また野菜や果物を売っていた。蜜柑を一袋150円で買う。小さい蜜柑がビニール袋にいっぱいつまっていてずっしり重い。
 飲み会は可もなく不可もなく、という感じで、私の中では淡々と終わった。一次会の後で行ったスナックでは、歌も歌わず隅のほうでIちゃんとWさんと3人で、昔のテレビドラマやアニメの話などして、これはすごく面白かった。それからWさんに、アナタは教師になればよかったのに、今からでも遅くないからちょっと頑張ってみれば、というようなことを言われた。私は時々人から教師に向いていると言われるが、そのたびすごく意外な思いがする。こんなわけのわからん教師がいていいんだろうか。誰かが誰かに知らず知らずのうちに与えている印象というのは、全く不思議なものだ。

 午前1時ころ帰宅。すぐお風呂に入って、ひと休み。カーペットにペタリと座って顔のマッサージをしている時に、蜜柑をスナックに忘れてきたことに気づいた。ものすごくショック。しばし呆然とするほどだ。ショックを引きずりつつ、夜中に日記を書いて就寝。
 
・購入物:三浦哲郎「みちづれ」「ふなうた」「わくらば」短編集モザイクⅠ〜Ⅲ(新潮文庫)

・朝食:ごはん、白菜と豚肉のスープ、ジャガイモの煮物、梅干し
 昼食:お弁当(ウィンナー、ジャガイモの煮物、卵焼き、ごはん、蜜柑)
 夕食:外食、鍋物屋さん(ちゃんこ鍋、サラダ、焼酎お湯割)


2004年11月18日(木) ちいさい秋

 雨。朝からほぼ一日中シトシトシトシト、同じペースで降っていた。冷えるので少し厚めのコートを着ていく。3年前に買ったA.P.Cのコート。これを着ると毎年、いよいよ秋が深まってきたなあ、と感じる。

 仕事終了後、TSUTAYAに借りていたDVDを返却に行った。その続きにフラフラと東通り商店街の古本屋さんに立ち寄って、竹西寛子の文庫を買った。野上弥生子や小倉遊亀、平塚らいてう、東山千栄子などへのインタビュー集。270円。
 泉の広場あたりから地下にもぐって、旭屋まで歩く。「草思」をもらって、2階で新書と文庫をそれぞれ2冊づつ買い、そのまままた地下に降りて地下鉄に乗って帰った。
 自宅の最寄り駅で降りて、スーパーで買い物。中華そばと1個300円のキャベツを買った。少しはマシになったけれど、キャベツはまだ古本より高い。家に帰って、小さいお好み焼き2枚と焼きそばを作って食べ、焼酎を飲んだ。
 
 後片付けをして、「ウフ」に連載されている柴崎由香の「フルタイムライフ」を読み、次に「草思」の増田晶文による「噺家として生きる桂文我」という文章を読んでしみじみと感じ入っていたら、友人のKから電話があり、昔私がつき合っていた人の名前を言って、あの人が誰々ちゃんと結婚していることを知っているか、と聞くから、もちろん知っている、と答えたら、でも離婚したことは知らんだろう、と少し得意気に言い、そのことは知らなかったので素直にビックリした。あんなことがあったらしい、こんなことがあったらしい、と、仕入れてきた話をいろいろと教えてくれ、アンタどうする?電話くらいする?、と聞くので、電話なんかしない、と答えたら、Kは、ふうん、と言って話題を変え、しばらく話して切った。
 寝る前に明日のお弁当のため、ジャガイモをだしとお酒と醤油で煮て、米を研いでおく。それからお風呂に入って少し本を読んで寝た。
 Kにはあのように言ったけれどちょっとだけ、何か話をしてみたいかもしれない、と思ったりした。今ならもう少しうまくやれるかも、なんて。幻想だ。甘い幻想。やっぱり私は電話なんてしない。

・購入物:姜尚中、テッサ・モーリス-スズキ「デモクラシーの冒険」(集英社新書)
     中沢新一「僕の叔父さん 網野善彦」(集英社新書)
     和辻哲郎「和辻哲郎随筆集」(岩波文庫)
     ローデンバック「死都ブリュージュ」(岩波文庫)
     竹西寛子「人と軌跡」(中公文庫)古書

・朝食:ごはん、豆腐とねぎの味噌汁、梅干、赤カブの甘酢漬、味付け海苔
 昼食:お弁当(豚肉と玉ねぎのトウバンジャン炒め、卵焼き、赤カブの甘酢漬、ごはん)
 夕食:お好み焼き(ネギ焼と豚玉)、ソース焼きそば、焼酎(ロックで)


2004年11月17日(水) じんわりとひろがれ

 つまらない失敗をしでかして、一日中バタバタ。ほとほと疲れた。夕方にはぐったりしてしまったけれども、今日は映画を観に行くと決めていたので気合を入れなおして、自転車でガーデンシネマまで行った。

 整理券をもらって、ロビーでひと休み。お腹が空いたので、お昼に食べ損ねたバナナを食べる。映画館のロビーでバナナを食べてる人なんか後にも先にも見たことがないが、まあいいや。それからせっせとチラシを集める。なんと「吉田喜重通信」なるものが発行されていた。えらい通信もあったものだ。vol.1となっているから次々でるのかな。またもらい続けねばならないものが増えた。
 
 なんだかんだでヴィム・ヴェンダース「ソウル・オブ・マン」を観た。ブルースを題材にしたドキュメンタリー。どうもこの頃ドキュメンタリーばっかり観ている。
 良かった。正直あんまり期待してなかったんだけれど、なんかすんごく良かったわ。J.B.ルノアーに惚れてしまった。黄色のタキシードに赤の靴下をはいて出てきて、この人どういう色彩感覚なんかしら、と疑ってしまうのだが、いざギターを弾き始めると世界が一変するというか回転するというかとにかくたいへんな迫力でひきつけられて、演奏を終えて喋りだすと、かん高い声にとぼけた間があっておかしく、再び唄いはじめるとやっぱりすごくてこちらはじっと聞きほれてしまうしかなくて、でも唄い終わるとまたニコニコ顔の優しいおじさんに戻る。とてもチャーミングで、ステキだ。
 カサンドラ・ウィルソンはやっぱりカッコよかったし、スキップ・ジェイムスの半生を振り返った再現映像もわりとよく出来てたし、その他、ベックが演奏している横にあった仏像は一体なんだろう、ベックって上手いんだか下手なんだかいまいちわからんなー、とか、いろいろ楽しめて大満足だった。なんとか時間をつくって、このブルースプロジェクトの他作品も観てみようと思ったり、これからブルースをちゃんと聴いていこうと決心したり、まあまんまと企画に乗せられたわけである。

 家に帰って、珈琲をいれて「ソウル・オブ・マン」のサントラを聴いていたらそのままホットカーペットの上で寝てしまった。目を覚ましたら午前1時。よろよろと米を研ぐ。夜中に蛍光灯ひとつつけた台所で米を研ぐ女。それからお風呂にはいって寝た。えーと、たぶん3時頃。
 
・購入物:なし

・朝食:キノコとジャガイモのシチュー、トースト、珈琲
 昼食:お弁当(鶏肉とネギのしょうゆ煮、煮卵、ポテトサラダ、赤カブの甘酢漬、ごはん)
 夕食:外食(かき揚げうどん、おにぎり)、それと映画の前にバナナ


2004年11月16日(火) ここから先はひとりで

 朝一歩外に出たらちょっと首をすくめたくなるくらいに、洗濯物を干す時吐く息が白くなるくらいに、自転車のハンドルを握る手がかじかむくらいに、ようやく寒くなってきた。今朝は見渡すところ空に雲がひとつもなくて気持ちがよかったけれど、会社に着いたらどんどん曇ってきて、昼からは真っ暗けになってしまった。このところ朝から晩まで晴れてくれる日になかなかめぐり会わない。

 Tに頼んで、難波の無印良品でホットカーペットの本体だけを買ってきてもらった。去年か今年の初め、長らく使ってきたものが壊れたので、迷ったが買うことにした。この冬の暖房器具はコタツを廃止して(ついつい足を突っ込んだまま寝てしまうから)、カーペットと石油ストーブで乗り切るつもり。
 どういうわけかTはカーペットだけではなく、無印の上階にあるタワーで「ブレードランナー」のサントラとパトリス・ルコントの映画で使われたトラックを集めたCDを買ってきた。ごはんを作りながら「ブレードランナー」のほうから聴く。異世界にいるように感じる。浮遊する感じ。あんまり積極的に聴きたい音楽ではないように思う。「ブレードランナー」はまだ観たことがない。SFが苦手分野であることと、ハリソン・フォードがあまり好きでないせいもある。ハリソン・フォードは何を演じても「ハリソン・フォード」でしかなく、はっきり言って大根役者だと思う。大根役者でもいいものはいいのだが…、まあ趣味の問題だろうか。

 夜、午前1時くらいまでかかって「A2」を観た。けっこう長かった。面白かったが疲れた。観ながら次々といろんな思いが浮かんできて、それを消化していくのに骨が折れる。そして、やっぱり考えはまだまとまらない。
 大学時代、同じクラブで活動していた友達が5年ぶりに再会する場面がある。片方はオウム信者、もう片方は新聞記者として。取材する側とされる側。世間のこちら側とあちら側。ふたりは一見親しげに話すけれど、根っこのところがかみあっておらず、平行線だ。お互いにそれをひしひしと感じているのがわかる。信者が言う。「あーあ、5年前は一緒にクラブやってたのにね」。こんなに隔たってしまったね。この隔たりを埋めることは、たぶんもう出来ないね。信者は最後に「いい記者になってよね」と、友人に声をかける。まだ若い記者は少し笑って去って行き、信者はそれを見送る。
 人と人との別れとは例えばこういうことかと思い、このシーンが私は最もきつかった。
 
・購入物:なし

・朝食:バタートースト(アフタヌーンティーで買った全粒紛食パン。ほどよい塩味で美味しかった)、珈琲、バナナ、ヨーグルト
 昼食:お弁当(レンコンとゴボウと牛肉のしぐれ煮、ゆで卵、水菜と揚げの味噌和え、赤カブの甘酢漬、ごはん、要するに昨夜の残り物)
 夕食:キノコ(椎茸、エノキ、しめじ、まいたけ、エリンギ)とジャガイモのホワイトシチュー、ガーリックトースト、赤カブの甘酢漬、米焼酎ロック


2004年11月15日(月) 留まり、そしていつか流れる

 雨。ピチャピチャピチャピチャ。雨音を聞きながら、久々にホットケーキを焼いた。バニラの甘い匂いが部屋いっぱいに広がる。バターとはちみつをたっぷりつける。Tはわざわざ近くのコンビニまでアイスクリームを買いに行って、ホットケーキの上にのせて食べていた。
 そんな悠長な朝を過ごしていたら遅刻しかけた。ゴミを出して出かける。

 会社で、Nさんから映画「血と骨」の感想(というか文句)を聞いた。昨日観てきたらしい。北野武は絶対ミスキャスト、というのがNさんの見解で、原作と引き比べてみると北野武はぐんと身体が小さいし、声が甲高すぎるし、とにかく迫力がない、とのこと。じゃあ主人公役は誰がいいかという話になり、とにかくもっと身体が大きい人じゃないとアカン、ということなので、安岡力也とかですかねえ、と言ったら、アレでは映画の質が落ちるやろ、と一蹴された。確かに。配役というのは難しいものだ。でもオダギリジョーは格好よかったでしょ、と聞いてみたけれどNさんは顔と名前が一致していないようで、はかばかしい返事がもらえなかった。国内の若手で一番カッコいい役者はオダギリジョーだと、私は勝手に思っている。

 帰りにアバンザに寄る。新星堂で一部のDVDが20%引きで売られているのを見つけて、棚を物色してみたら運良く「ストーカー」があったので購入した。ジャケットはおののくほど趣味が悪く、なんじゃこりゃ責任者でてこいという感じで、2枚組なのにも不満だが、特典映像も多いようだし(日本語字幕がついてないけど)、これしかなかったから仕方ない。
 「ストーカー」はビデオで一回(これは途中で何度も寝たから観たとは言えない)、スクリーンで一回観た。設定はバリバリのSFだけど、SF映画を観たという印象はまるでない。ここで描かれているのは人間と世界のこと、その関係と根本のことだ、多分。タルコフスキーの作品の中では見やすいほうだが、映像世界について考えれば考えるほどドツボにはまる。この作品を自分なりに理解できるかは永遠の謎だ。これから少しづつ噛み砕いていきたいなあ。日々精進。

 寝る前に「A」を読んでしまう。いろいろと思うところがあるが、眠いせいなのかそれとももともと頭のめぐりが悪いのか、どうもまとまらない。明日「A2」を観てからもう一度考えようと思いつつ寝てしまう。

・購入物:アンドレイ・タルコフスキー「ストーカー」(IVC)DVD

・朝食:ホットケーキ、珈琲、リンゴ半分
 昼食:お弁当(人参とネギと焼き豚のチャーハン、マスタードマヨネーズをかけた蒸しカボチャ)
 夕食:牛肉とレンコンとゴボウのしぐれ煮、水菜と揚げの味噌和え、豆腐とネギの味噌汁、再びマスタードマヨネーズをかけた蒸しカボチャ(お弁当に入れたのが美味しかったので)、ごはん


2004年11月14日(日) あたたかい手を握る

 昼前に家を出て、「おたのしみ会」のため図書館へ。今日は午後から2回やることになっている。2ステージ。けっこう疲れた。声がかれた。
 集まった子ども達は4,5歳くらいまでの小さい子が主で、日曜日のせいかお父さんの姿も多かった。子ども達が茣蓙に座ってかぶりつきでお話を聞いている間、お父さんは後ろでウトウトと居眠り。でも終わったあとに子どもと一緒にやってきて、とても良かったです、なんて言ってくれたりする。子どもが握手を求めてきてくれたりもする。すごく嬉しい。これは私の力なんかじゃなく、お話の力なんだけれど、それでも嬉しい。結局、やってる私自身が感動させられてるんだなあ、と思う。

 図書館で気になる本をいくつか予約していこうと思ったのだが、どういうわけか館内のパソコンがうまく動いてくれなくて、果たせないまま諦めて帰る。
 地下鉄に乗る前に携帯電話を見たら、年下の友人から絵文字がふんだんに使われたメールが届いていた。目がチカチカする。絵文字のことはよくわからないが、何と言ってもわからないのが、文末についている小文字のwとかvとかの意味。『すっごく眠かったですw』みたいなヤツ。これは何のことです?それとも、意味なんてないのかな。

 なんだかひどく疲れていて何をする気もしないので、晩ご飯は近所のお好み焼き屋ですますことにする。店は家族連れでいっぱい。店内のテレビでは紀宮婚約のニュース、北朝鮮の話題、それから天気予報をやっている。それらをボーッと見る。世の中では誰かが結婚したり餓死したり、どこかで雨が降ったり雷が鳴ったりしているのだ。そして私は今、お好み焼きを食べている。

 夜、「A」と「評論家入門」を交互に読んで、お風呂に入って寝る前には「タルコフスキー日記」を読み返す。「ストーカー」が観たいなあ、明日どこかでDVDを買ってこようと考えつつ就寝。午前0時、スイッチオフ。

・購入物:なし

・朝食:塩鮭、ジャガイモと玉ねぎの味噌汁、味付け海苔、ゆで卵、ごはん
 昼食:抜き。食べる時間がなかった。
 夕食:外食、近所のお好み焼き屋(イカ玉、焼きそば、麦酒)


2004年11月13日(土) 確かなものなどないのかも

 土曜日。曇りのち晴れ。風は弱いけれど空気が冷たく、夜になるにつれてどんどん寒くなっていった。
 朝はいつもどおり6時半頃起床。「ウィークエンドサンシャイン」を聴きながらのんべんだらりと朝ごはんを食べる。後片付けと掃除。太陽は隠れているけれど、もうほとんど強引に布団と毛布、洗濯物を干す。曇天の下でヒラヒラしている洗濯物を眺めていると心細くなるが、次第に雲が切れて、昼からはサンサンと陽に照らされていた。
 
 日記をつけているとIさんから電話あり。今度の「おたのしみ会」で昔話を語ってくれないか、とのこと。例えばホラ「桃太郎」とか「浦島太郎」とか…、と言われたので、「桃太郎」はキライなんで止めときます、とすばやく断っておく。わけのわからん鬼退治の話なんか嫌だ。「浦島太郎」ならやってもいいかな。快楽の誘惑に抗えず、気づいた時には取りかえしがつかなくなっているあの絶望の感じが好きだ。ストーリーテリングはまだまだ勉強中で自信がないけれど練習しときます、と優等生的な返事をして電話を切る。なーんて言ってホントに練習なんかするんかしら、と自分でも少々不安。

 日用品の買物に出たついでに天満橋まで足をのばして、ジュンク堂で何冊か本を買った。「東京するめクラブ」は発売をけっこう楽しみにしていたので、それから「A」は映画を見たから本も読んでおこうと思って、「評論家入門」は立ち読みですまそうと思ったけれど何となく購入。短時間で読める本はなるべく買わないでおこうと思っているのだが…。でも絵本は別なのだった。ずっと探していた村山知義夫妻によるモダーンな絵本「3びきのこぐまさん」を見つけて驚喜。飄々とした絵がたまらなく可愛い。それに石井桃子訳のルース・エインズワーズも発見。ルース・エインズワーズは幼稚園の時くり返しくり返し読んだ「こすずめのぼうけん」(絵は堀内誠一)の著者で、大好きな作家なのだ。今日買った「ちいさなろば」はクリスマスがからんでいるのでプレゼントにもいいかもしれない。赤い表紙が落ち着いていてキレイだ。
 収穫をかかえて通りがかりのトンカツ屋さんで晩ごはんを食べ、スーパーへ寄ったついでに近所のブックオフもチロッとのぞく。「マーク・トウェイン短編集」を発見。着実に見つかるなあ。このシリーズの征服も間近かと思われる。

 夜はDVDで「A」の続き。おしまいまで見る。ラストで荒木広報部長がおばあさんに会いに行くシーンが胸にジンとくる。命をかけて信じたものにさえ、人は根本を揺さぶられてしまうのか。揺さぶられたくはないけれどどこかに、そんな弱さも持ちつづけていたいと、エンドクレジットを見ながらぼんやり思った。

・購入物:村上春樹・吉本由美・都築響一「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」(文藝春秋)
     小谷野敦「評論家入門」(平凡社新書)
     森達也「A」(角川文庫)
     村山知義・画、村山籌子・作「3びきのこぐまさん」(婦人之友社)
     ルース・エインズワーズ・作、石井桃子・訳、酒井信義・画「ちいさなろば」(福音館書店) ここまで新刊
     マーク・トウェイン「マーク・トウェイン短編集」(新潮文庫)古書

・朝食:はちみつトースト、ボイルソーセージ、ゆで卵、ヨーグルト、珈琲
 昼食:バナナとリンゴ半分
 夕食:外食、とん太にて(しそ巻きカツとアスパラ巻きカツ、キャベツ、ごはん、味噌汁)


2004年11月12日(金) 続きの続きを続けていく

 目覚めたら7時半。またやってしまった。ダメだなあ。約1時間ほど忙しく動き回って支度。何とか遅刻せずにすんだ。洗濯もできなかったし、台所には汚れた食器が山積みのままだけど。

 会社へ行く。つまらないことに振り回されて、仕事上でもなんかバタバタ。瑣事に追われるというのか、なかなか頭で思い描くようには物事が進まない。能力の限界かな、やっぱり。その向上にむけて邁進する元気が今日のところはあんまりないなあ、と感じてさっさと帰ることにする。
 
 今日はどこへ寄り道しようかな、ボーッとしている間に「中島らも写真展」も終了してしまったようだし、いくら手帖にメモしててもこの体たらくではどうしようもないなあ、と考えながら、キコキコ自転車をこぐ。
 行き着いたところは天牛書店。久々だ。新潮文庫の「サキ短編集」を120円で見つけた。表紙のサキの顔は、「仕立て屋の恋」にでていた主人公に似ている。向かいの八百屋ものぞいて白菜を半分、それから角の豆腐屋さんで木綿豆腐を一丁買った。
 夜になってずいぶん冷えてきたので、今夜は鍋にしよう。ポン酢も自分で作ろう、柚をしぼったポン酢にゴマを入れて七味をふって食べよう、と考えていると猛烈にお腹が空いてきたので急いで帰る。空には月が半分だけ出ていた。
 
 帰宅すると、ポストにアマゾンからメール便が来ていた。中身は「ヴァンダの部屋」のDVD。一度や二度では観たとは言えない作品だと思って、こないだ発作的に注文したのだった。今年観た中で一番心に残っている映画。ここ数年観た中から選んでも上位にくること間違いなしだと思う。
 今日は「A」の後半を観るつもりだったけれど、サキやハーディ、マラマッド、モーパッサンなどの短編集をズラズラと並べて、手当たり次第に読んでいたらそのうち眠くなって、布団に沈没してしまった。午前0時半頃就寝。
 
・購入物:サキ「サキ短編集」(新潮文庫) 古書
     ペドロ・コスタ「ヴァンダの部屋」(zeyliv) DVD

・朝食:バタートースト、牛乳
 昼食:お弁当、ハンバーグ(スーパーで買った焼くだけのやつ)、肉じゃが(のジャガイモとニンジンだけ)、ゆで卵、ごはん
 夕食:白菜と豆腐の鍋(白菜、豆腐、揚げ、鶏肉、豚肉、菊菜、しめじ、えのき、マイタケ、ネギ、最後にうどん)、焼酎(ロックで)


2004年11月11日(木) ぐるぐるまわってまたもとどおり

 ジャバジャバと雨降り。相変わらず気温は高い。
 天候不順のため、地下鉄で出勤。車内で、定塚甫「人格障害」を読了した。内容は確かに重要なことばかりだが、『~であるのである』と文末に多用されているのが気になって仕方ない。とにかくくどいのよ。

 仕事を何とか片付けて、ああくたびれたくたびれたと首をグルグル回しながら街を歩く。まっすぐ家に帰りたくない。フラフラと通りがかりのTSUTAYAに寄り、半額クーポンを使って前々から見たかった森達也の「A」と「A2」を借りた。
 まだ帰りたい気分にならないのでそのまま地下を通って堂島まで歩く。途中のお店でまたリュックを探してみるが、やはりコレといったものがない。そのうち自分がどんなものを求めているのかよくわからなくなってしまった。
 ジュンク堂で新刊をチェック。文芸文庫もちくま文庫も今日のところは見送って、2ヶ月くらいまえから手にとっては棚に戻し、また手にとっては棚に戻す、を繰り返していた堀切直人さんの本をようやく買った。
 本を買ったら満足して、バスに乗って帰った。家に着いたら、Tが料理本と首っ引きで肉じゃがを作っていた。味見をしてみて、もう少しお醤油入れたら、などとアドバイスしてみるが、レシピには「大さじ3杯」としか書いてなかった、と言って頑として譲らない。出来上がりは、ちょっとヨソユキ顔の上品な煮物になっていた。少々薄味だけどね。でもそのことは言わず、おいしいおいしいと言って食べる。人を育てるには、まず褒めること。

 ごはんの後、「A」を途中まで見る。サリン事件から約1年半たった東京で、警察が白々しい演技を駆使し、公務執行妨害で一人のオウム信者を逮捕して行くところまで。
 正義とはいったい何だ、と思う。そんなものが本当にあるんだろうか。
 とにかく、続きは明日また見ることにして、寝る前に新聞を読んだ。
 アラファト議長が亡くなった。そりゃあ、誰もがいずれは死ぬんだけれども…。
 寝る時、蚊がファンファンと耳元で飛んでいた。夜中にどしゃ降りの雨。雨音が耳について、なかなか寝つけず。

・購入物:堀切直人「浅草」(栞文庫)

・朝食:バタートースト、ゆで卵、ヨーグルト、珈琲、蜜柑
 昼食:お弁当(ソーセージと玉ねぎのカレー炒め、筑前煮、ごはん、蜜柑)
 夕食:肉じゃが、冷奴(カツオと海苔とネギのせ)、ほうれん草と揚げの味噌汁、柚子大根、ごはん


2004年11月10日(水) 風景はうしろへ流れていく

 本日の主な出来事など。
 ガバッと飛び起きたら午前7時半。寝坊だ。目覚ましかけるの忘れてた。でも弁当はつめる。何をおいてもまず弁当。昨夜の残り物でごまかして、とにかく急いで支度をした。朝ごはんは化粧をしながらバナナを齧ってすませた。不本意である。
 今日もヘンな天気。日中は24度まで気温が上がった。夏日だ。なのに、ストールをグルグル巻きにしたり、スエードのコートを着たりしてる人をちょいちょい見かけた。平気な顔して歩いてるけど暑くないのかなあ。ちょっとアナタ暑くないの?って聞いてみたい。それとも苦行をしておられるのかな。
 昼休みは、IちゃんとNさんとでごはんを食べながら雑談。いろいろとバカ話をしたが、今日はなんと言ってもIちゃんの貯金額を聞いてのけぞるほどビックリした。そのへんの中古の家ならラクラク買えそうな額だ。Iちゃんが天上人のように見える。働き始めてからきっちり計画を立ててコツコツ貯めて増やしてきたんだそうな。まだ若いのにエライなあ。寄せ鍋か何かに入れて食べるから爪の垢でも今度持ってきてね、と言っておく。
 帰り、地下街をブラブラ歩く。ここ最近急にリュックが欲しくなっていて、気が向いたらちょちょこと見てまわっている。今日はギャレに行ってみたが、どれもこれもダサく感じられて不作であった。グルッと回ってそのまま地上に出てきて、旭屋に行く。講談社文芸文庫はまだ出ていなかった。「UP」と「遊歩人」をもらう。カウンターのところでベレー帽をかぶった頑固そうなオジイサンが、「草思」のバックナンバーがあったらあるだけ欲しい、と言って2,3冊出してもらっていた。「もうないの?、もっと前のないの?」としつこく聞いていたので気の毒になって、私の持っているのを貸してあげたいような気分になった。でも話がややこしくなるような気がするので止める。あのおじいさんもある種の何かに囚われてしまったのだ、私達は同類項でくくられている。
 帰って、30分でできる簡単おかずを作って、焼酎を飲みながら食べた。この頃すっかり焼酎好きになった。もっと寒くなったらお湯割りで飲みたいものだ。ごはんの後、「コミットメンツ」のサントラをMDにおとしながら、「未来」と「UP」を読む。またいろいろとメモしたいことが噴出。それから、風呂に入って、米を研いで、就寝、たぶん1時頃かな。
 そんなような一日。特にどうということはない、まあ、表面上は。

・購入物:なし

・朝食:バナナ、牛乳
 昼食:お弁当(筑前煮、卵焼き、ごはん、蜜柑)
 夕食:鶏の唐揚げ、揚げシシトウ、湯豆腐、ほうれん草のおひたし、米焼酎(ロック)、柚子大根、ごはん


2004年11月09日(火) 右往左往で日が暮れる

 給料日前につき、お金がありません。11月になってから何か知らんが気持ちが悪いくらい暖かい陽気が続いているんだけれど、わたくしの財布にはヒュルヒュルヒュルと北風が。サムイ。そして、サミシイ。
 午後、外で打ち合わせがあって、じゃあちょっと珈琲を飲みながら話しましょうか、などど言われ阪急インターナショナルホテルのティーラウンジに引っ張っていかれた時はちょっと焦った。何故なら、今日私は600円足らずしか持ち金がなく、おそらく仕事の関係上や立場上から考えても相手が出してくれるとは思う、思うけれどももし割り勘ということになったらどうしよう、割り勘ならまだしも、私が払うのが当然とか思われてたらどうしよう、カード使えるかしら、しかし珈琲代にカード使うってどんなヤツや、よりによって阪急インターナショナルなんかに入らなくてもいいのに、スタバかなんかにしといてくれたらよかったのに、ああ困った困った困ったよー、などと考えながらスリルとサスペンスに満ちた打ち合わせが終わったあと、相手がシャラッと伝票を取って会計してくれたので、私はホッと胸をなでおろしましたとさ。
 2000円少々の金のことでドキドキしてるなんて、私は本当に社会人なのかしら。情けない人だ。

 帰り、堂島のジュンクに寄り道。「未来」の11月号をもらって、文芸誌と女性誌を立ち読み。いろいろ欲しい本があるにはあるが、もう少し我慢することにして、トロトロと帰宅。
 晩ごはんの後、Iさんと電話で話してから、昨日借りた「ザ・コミットメンツ」を観た。昨日がロックで今日がソウル。サントラは一時期愛聴していたけれど、映画もなかなか面白かった。「青春」なんて言葉でまとめてしまえば何か青くさいけれど、やっぱり良い季節だなあ、とジーンとしたり。
 「人格障害」を読んで寝る。文章がちと難ありだけど、わりと勉強にはなる。
 
・購入物:なし

・朝食:ごはん、焼鮭(お弁当に入れて余った分。皿に残ったカケラという感じ)、麩の味噌汁、梅干、柚子大根
 昼食:お弁当(焼塩鮭、ゆで卵、水菜のゴマ和え、塩昆布、ごはん、蜜柑)
 夕食:筑前煮(レンコン、ゴボウ、人参、里芋、鶏肉、昆布)、湯豆腐(お揚げとうどん入り)、キムチ、ごはん、米焼酎(ロック)


2004年11月08日(月) 唐辛子の山

 目が覚めたら午前4時だった。歯を磨いていたら、新聞配達のバイクがおもてを通った。まだ暗いけどもう朝なのだ。それまではもう一度寝るつもりだったけれど止めにして、お弁当のために玉ねぎを刻む。そういえば今日は月曜日なんだった。起きた時から何となく休日のような気がしてて、少しがっかりした。

 半額クーポンを使って何か借りようと思って、帰りにTSUTAYAに寄った。畠山美由紀と枝雀さんのCDをそれぞれ1枚づつ、それから、「ザ・コミットメンツ」と「スクール・オブ・ロック」のDVDを借りた。

 素早く晩ごはんを食べて後片付けをして、早速「スクール・オブ・ロック」を観る。明日返却するので、何としても今夜中に観なければ。眠くなってしまう前に早く早く。
 「スクール・オブ・ロック」は公開当時に劇場に行ったけれど、Tが観たがっていたこともあるし、私ももう一度観たいと思ったので借りてきた。
 ごくごく単純な構造ながら、すっきり胸がすく映画だ。エンドクレジットが終わって画面が暗くなった後、私は今すごく楽しいものを鑑賞した、という気持ちが心の中にしっかりと残る。充実感みたいなものに満たされる。映画を観て、この気分になるかならないかは大切なことだ。
 ジャック・ブラックが「ロック馬鹿」を嬉々として演じているのがとてもいい。「○○馬鹿」として生きるのが、この世を最も楽しむやり方であるかもしれないと思う。馬鹿になるのは本当に難しいし、その才能に恵まれた人しか出来ないことだけど、私はこれから先全身全霊をかけ、馬鹿になり尽くして死にたい。

 布団に寝っころがって、MDに落としながら桂枝雀の「親子酒」を最後まで聞いて眠った。声だけでなく、姿が見たい、と思う、切実に。

・購入物:なし

・朝食:カレーうどん(揚げ入り)、柿
 昼食:お弁当(豚肉と玉ねぎの炒め物、卵焼き、平天と小松菜の和え物、ごはん、柿)
 夕食:鯖の塩焼き、水菜のゴマ和え、カボチャの味噌汁、キムチ、柚子大根、ごはん


2004年11月07日(日) 平坦な道をゆく

 午前8時起床。昨夜、Tが作って一人で食べたという「鶏手羽先のカレー」なるものを食す。鶏のほかに、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、合びきミンチ、みじん切りのつもりが大きく切れてるショウガとニンニク、それから何故か長ネギが入っていた。何故長ネギを入れたの?と聞いたら、緑があったほうがキレイかなと思って、とのこと。美味しかったのでまあいいけど。

 朝ごはんの後、晴天の中キコキコと自転車を飛ばして、図書館の「本のバザール」に行く。図書館で要らなくなった本をもらえるのだ。これに参加するのは2年ぶり。要らなくなったといっても保存状態はわりといいし、古い本ばかりじゃなく最近出版された本もある。選定時間は45分間で、ひとり10冊まで。
 本日の収穫。石井桃子「幻の朱い実 上・下」(岩波書店)、モーパッサン「脂肪の塊・テリエ館」(新潮文庫)、獅子文六「胡椒息子」「おばあさん」(角川文庫)、田中小実昌「コミさんの二日酔ノート」(PHP)「旅情短編集きょとん」(実業之日本社)、ライナー・チムニク「熊とにんげん」(偕成社)、司修「赤羽モンマルトル」(河出書房新社)、林芙美子「風琴と魚の町」(旺文社文庫)。きっちり10冊。
 林芙美子は最後まで吉田知子と争ったんだけれど、装丁がよかったので芙美ちゃんに軍配があがっちゃった。読みたいのは吉田知子だったんだけどな。「コミさんの二日酔ノート」は文庫で持っているんだけど、単行本の姿を見たのは初めてだったのでもらうことにした。嬉しいのは石井桃子の「幻の朱い実」とチムニクだ。チムニクの絵をみているだけで、顔がニンマリしてくる。
 駄本も多い中これだけ拾えれば、まあよくやったと言えるんではないでしょうか。

 図書館を離れて、そのまま北堀江をうろうろ。何度か入ったことのあるお店で、people treeのオーガニックコットンシャツを買った。オーガニックコットンは丈夫で柔らかくてすべすべしてて好きだ。着ていてとても気持ちがよい。
 お店の前の公園で、四ツ橋筋手前のパン屋で買ったメロンパンと珈琲でお昼ごはん。家から持ってきた蜜柑とミレービスケットも食べる。ミレービスケットは素朴な塩味が美味しくて、食べ出したら止められぬ。
 その後、難波のタワーとジュンクを巡回して、いろいろ心をかき乱されたが今日は何も買わず。もう少し我慢することにする。それから道具屋筋で、かねてから愛用している「やっとこ鍋」の大きいサイズの料金をチェックし、思ったより高くないから給料が出たら買おうと決心だけして、自転車でヨロヨロと帰る。本を10冊も持ち歩いてさすがに疲れましたよ。

 夜は日米対抗の野球を見ながらキムチ鍋を食べた。二日連続の鍋料理。キムチ鍋にジャガイモを入れるのが定番になりつつある。お腹がいっぱいになりすぎるのが難点だけど。
 ごはんの後、どう書いていいのか散々悩みつつメールの返事を書く。日記はすらすら書けるのに、メールの返事は何故こんなに時間がかかるのだろう。妙にくたびれて、「人格障害」を2章まで読んで寝てしまった。また化粧をおとさずに寝ちゃったよ。反省しきり。

・購入物:ビッグ・イシュー第16号(書き忘れ。土曜日に京橋で買った)

・朝食:チキンカレーライス
 昼食:メロンパン、珈琲、蜜柑、ミレービスケット
 夕食:キムチ鍋(うどん入り)、めざし(こないだの残りを焼いた)、米焼酎ロックで


2004年11月06日(土) たぶん、どこまでも

 ボケラー、と過ごす土曜日の朝。何にもしたくない気分。ペタリと座り込んで珈琲と煙草。怠い。せっかくのお休みなのにもったいない、と思わないでもないが、時間を惜しむことすら面倒に感じる。

 洗濯モノを干して、しばし空を見上げて飛行機雲など眺めたあと、洋服の整理を始めた。春夏物と秋冬物を入れ替える。この作業を11月になるまでしていなかったなんて驚きだ。いろいろと考えた末、電車に乗るなんて今日はあんまり気乗りがしないけれど一念発起して、冬のセーターやコートなどを取りに実家に帰ることにする。
 実家へ帰る前に地元の図書館に寄って、ナボコフを返却し、予約していた本を引き取った。本日借りた本は、定塚甫『人格障害・知られざる人間の「心の闇」』。なんでか自分でもよくわからんけど、「人格障害」についてちゃんと知りたいという気持ちがある。それと、心の病とそれを抱える人々に対して多くの人が持つ偏見と差別について、その心理の出所についても。

 実家では、ほとんど物置と化している自分の部屋でいろいろと作業。すぐに使用しそうなものだけ持って帰り、あとは送ってもらうことにする。ここで自分の箪笥の中を見るたび、母親の服が増えていくようだ。わたし服なんかここ数年買ったことないわー、といつも母は言っているが、アレは絶対に嘘である。
 夜は、父と母、弟とその彼女と私の5人で鍋を囲んだ。母に漬物と柿や蜜柑をもらって、弟が車で彼女を送るついでに、私も途中まで乗せてってもらう。車の中で、二人のくすぐったくなるような会話を聞くともなく聞いて、若いっていいなあ、としみじみ思った。

 寝る前、久々に向田邦子「隣りの女」を読む。向田邦子はシビアだな。

・購入物:なし

・朝食:ごはん、焼き平天、レタスとたまごの炒め物
 昼食:実家にて、おでんの残り(大根とこんにゃくとたまご)
 夕食:実家にて、牡蛎鍋、麦酒


2004年11月05日(金) 線路はこの先もまだ続く

 きれいに晴れて、爽やかな一日。
 
 どういうわけか仕事が少々忙しくなってきていて、今日はずっと何かに急き立てられていた。
 午後、会社の備品を買うため外出した折、仏壇屋の前で蜜柑や柿を売っているのに出会う。何故仏壇屋で果物を売るのかよくわからんが(これを買ってお供えしろという意味だろうか?)、蜜柑が12個くらい入って150円だというから、あまりに安いので2袋買って、会社に帰って作業中の人々と食べる。素朴な甘さがあって美味しかった。いっせいにみんなが蜜柑の皮を剥いたので部屋中に果実の匂いがぱあっと充満する。温泉旅行に向かう団体バスの車中のような匂いだ。何となく懐かしいような。

 残業していたら友人より電話。近くにいるからお茶でも飲まないか、とのこと。仕事を片付けてからドトールに行く。飲みに行く?、と聞いたら、金ないねん、とのご返事。そのままお金とその周辺の話になって、こんなにバタバタと仕事をしているのに(彼女は昨夜も徹夜したらしい)、何故にこんなに金がないのか、という話になり、私たちこれからどうなんのかしら、とふたりして溜息をつく。
 22とか23歳の頃、私たち30すぎても「こんなこと」やってんのかなあ、とよく話してて、案の定30すぎても「こんなこと」をやっているわけで、この分でいけば40とか50すぎても「こんなこと」やっている可能性は割と高く、好んでやっていることとはわかっていながらも、どことなく切ないものがある。
 何かどこかで道を間違えたような気がする、しかも確信的に。それがどこだったのか考えても無駄だし、わかってももう戻ることはできない。だから腹をくくって、このまま進むしかない。

 家に帰ってまた仕事をするという友人と21時頃別れて、私は自転車で帰る。帰途のお供はフェラ・クティのMD。ここ最近はこればっかりだ。
 珈琲しか飲んでいなくてお腹が空いたので、うどんを作って食べ、買ってきためざしを焼いて、これと缶詰の焼き鳥で焼酎を飲む。Tに、それは完全にオッサンの食べ物やなあ、と言われたが、オッサンでも何でもいいのだ、めざしと焼き鳥好きだから。
 お腹がいっぱいになったら眠くなったので、本能のままにとにかく寝る。2時半頃起きて、入浴。日記をつけてから朝方まで、里見とんの「彼岸花」を読み返した。

・購入物:なし

・朝食:バタートースト、バナナヨーグルト、珈琲
 昼食:お弁当(蒸しカボチャ、ウィンナー、卵焼き、塩昆布、ごはん)
 夕食:きつねうどん、めざし、焼き鳥、米焼酎水割り


2004年11月04日(木) 言葉にのみこまれるような

 朝は、自宅から神戸に直行。ちょっと重いけど、車内で読むために返却期限が本日に迫った「ナボコフ短編全集」の2巻目を持ってきた。もちろん1巻目も全部はまだ読めてない。でも今日が返却日なのだった。悲しい。
 『音楽』『完璧』などを読んでいたのだが、ポカポカ陽だまりに阪急電車の絶妙な揺れが加わり、最高に気持ちのいい揺りかご状態になってトロトロと居眠りしてしまった。この頃よく寝るなあ。寝すぎにより、だんだん脳細胞が死んでいくんじゃないだろうか。
 
 煩雑な仕事を終えてくたびれて、そのまままっすぐ帰る気がしなくって、ちょこっとブックファーストで立ち読み。「TITLE」という雑誌に、ジム・ジャームッシュの『coffee and cigarette』が来年にも公開されるというようなことが書いてあった。ろくなニュースのない今日この頃であるが、これはなんと喜ばしいことであろうか。15の掌編から成る短編小説みたいな映画で、タイトルの珈琲と煙草というのはどうやら「怠惰」を表しているらしい。んまあ、何が何でも観に行かねば。メモっとこ。

 トボトボ家に帰り着き、洗濯物を取り入れる。暗くなるまで外に干しているから、どれも冷たくしっとりぬれているような感じがして、あんまり気持ちがよろしくない。夜になってからより空気が澄んできたようで、物干し台から空を見上げたら星がポツンポツンと光って見えた。
 ごはんを食べたあと、テレビで「きょうの料理」と少しだけニュースを観た。お風呂に入ったあと、寝る前に弁当の仕込み。米を研いで、カボチャを切っておく。カボチャの種のところから、クネクネと体をくねらせる黄土色の虫がでてきた。少しビックリ。日記をつけたのち、就寝。

・購入物:なし

・朝食:ごはん、豆腐と長ネギの味噌汁、たくわん、塩昆布、梅干
 昼食:お弁当(豚肉とチンゲン菜の炒め物、ネギ入り卵焼き、レンコンのキンピラ、ごはん、塩昆布)
 夕食:イカの唐揚げ、里芋のそぼろ煮、サツマイモごはん、モヤシのサラダ、米焼酎水割り


2004年11月03日(水) 本日、おこなったこと

 休日。「文化の日」らしい。
 普段と同じくらいの時間に起きた。時々雲が出てきたけれど、今日は総体的にまずまずの天候であった。
 
 午前中におこなったこと。
 鍋磨き。台所のふき掃除と玄関の掃除。布団と絨毯、クッションと座布団を干す。古紙をまとめて回収に出す。近所の安売りスーパーに日用品の買物に行く。ティッシュペーパーが安かった。自転車の空気を入れる。大統領選のテレビをみながら朝ごはん兼昼ごはんを食べる。それから、押入れからストーブを出した。少しづつ、冬支度。

 午後からおこなったこと。
 ラジオを聴きながら本棚の整理。文庫本の棚がもう飽和状態だ。でもナントカ無理矢理おさめる。リサイクル車(要らなくなった電化製品などを引き取ります、という業者さん)がやってきたので、ずっと以前に故障した再生専用ビデオデッキと炊飯器を持っていってもらう。このビデオデッキでは何本もの映画をダビングしたし、炊飯器は何度も何杯もおいしいごはんを炊いてくれた。本日をもって永遠の別れとなる。寂しい。
 だいたいのキリがついたところで、支度をして地下鉄に乗ってでかけ、シネ・ヌーヴォで中島貞夫の『にっぽん‘69 セックス猟奇地帯』を観た。
 学生運動、アングラ、ブルーフィルム、美容整形、性倒錯者、ストリップ、などなど、1969年当時の風俗を活写したドキュメンタリー。
 西村晃のナレーションがイヤに真面目で面白かったが、全体のテンポは緩く、少々だれる。トルコ風呂や乱交パーティ、ヌードスタジオのあたりはやらせかな。やらせでもいいんだけれど、乱交パーティなんかはどこが乱交なんだか、暗闇で相撲とってるみたいにしか見えない。見どころは整形手術の施術シーンと、マゾ男の歓びっぷりのシーンかな。最後に唐十郎が沖縄に行く場面では何だか強烈な眠気に襲われて、少し居眠りしてしまった。
 客席は8割ほど埋まってはいたが、ヤイヤイ言うて観に行かねばならぬもんでもない。

 その他、夜にかけておこなったこと。
 天満橋のジュンクに寄って立ち読みし、バスに乗って帰宅。弁当の仕込み。青梗菜を刻んで、豚肉に下味をつけておく。米を研ぐ。入浴の後、珈琲を淹れて、「モンテーニュ私記」と昔のスタジオ・ボイスをところどころ読み返す。スタジオ・ボイスのどこかの号に、武藤康史の里見とん大礼賛の文章があり、急に里見とんの「秋日和」が読みたくなる。何とかして手に入れなければ。決意したところで、午前1時頃就寝。わりと楽しい一日だったみたい。

・購入物:なし

・朝昼兼用食:バタートースト、レタスとツナのサラダ、ゆで卵、珈琲、ヨーグルト、バナナ
 夕食:外食、王将にて(チャンポン)


2004年11月02日(火) 誰のものでもない金が

 まあまあ晴れ。11月にしては、ずいぶん暖かい。
 
 朝ごはんを食べていたら、隣のアパートのFさん来訪。町内会費を持ってきてくれた。Fさんは、こんな格好でごめんな、と、パジャマの上にフリースを羽織って、頭にホットカーラーを巻いたままの姿で現れた。それから、何度も来てくれたんやってなあ、と2000円出して、釣銭は取っといてなどと言うので困った。黙ってもらっておけばいいじゃん、とそそのかすのだが、そんなことをするとかえってややこしいので、釣銭はちゃんと持って帰ってもらう。夜に仕事をしているので、朝の7時台に起きるなんていうのはとても珍しいことなのだとFさんは言った。このお金を持ってくるために目覚ましとか鳴らして起きてくれたんだろうか、と思うと、こちらのほうがかえって申し訳ないような気がした。 

 会社では、Wさんと打ち合わせ。仕事とは全然関係ないけど、昨日新しく出たお札を見せてもらった。5千円札と千円札。野口英世は夏目漱石が散髪したみたいな感じで、あんまり前と違いがよくわからなかった。へえ、と眺めて、これ記念に私にくれるんですか、と聞いたら、普段はクールなWさんが目を白黒させて慌てたのが見ていて面白かった。

 終業してのち、今日はまっすぐ帰宅。晩ごはんは鍋もの。鍋ものははついつい食べ過ぎてしまうからよくないなあ。洗い物など片付けて、レーザーディスクで「パリ、テキサス」を見始めたが、焼酎を飲みすぎたためか途中でぐっすり寝てしまう。ムクッと起きたらもう0時まわっていた。
 明日は休日のため、弁当の仕込みはなし。お風呂に入って、2時半頃まで「マラマッド短編集」から2篇ほど読む。

・購入物:なし

・朝食:ごはん、豆腐と長ネギの味噌汁、蓮根きんぴら、梅干し
 昼食:お弁当(たらこ、蓮根のきんぴら、カボチャのサラダ、塩昆布、ごはん、蜜柑小さいの2個)
 夕食:マグロのハリハリ鍋(マグロと水菜がメイン、あとは豆腐、揚げ、しめじ、えのき、コスレタス。鍋料理にレタスを入れると美味しい。最後にうどん)、カボチャの煮付け、米焼酎水割り、キムチ


2004年11月01日(月) ふところ手帖

 朝のうちはうっとうしい曇天で、小学生たちが黄色い傘を振り回して登校していくのを見て、本日の天気もまだ不安定かと判断し、洗濯物は部屋の中に干していく。不本意なり。気温も少し高いようだ。空気がぬるい。
 地下鉄の中では、昨日丸善でもらった「図書」の11月号を読む。堀江敏幸の文章の中から、片岡鉄兵、椎名鱗三、丹羽文雄という未読の作家名をチェックしてメモしておく。メモ、メモって、私はメモ魔か。確かに字を書くという行為が異常に好きではあるのだが。

 映画の日でもあるし、なーんかあんまり気が進まんけど「珈琲時光」でも、と思っていたが、会社を出るのが遅くなり逸してしまった。Iちゃんに、今度「2046」を観に行きましょう、と誘われたのだけど、ムニャムニャ言って断る。ウォン・カーワァイ、苦手なのだ。あの人の映画を観ると、首筋の辺りが痒くなる。
 旭屋に「ちくま」と「一冊の本」をもらいに行って、映画の夢破れたり、ということで、浮いたお金で(別に浮いたわけじゃないけど)、餃子を食べに行った。餃子と麦酒、この至福の組み合わせ。

 「ちくま」の高井有一の『夢か現か』は「水上勉さんと私」。今月は水上勉について書いている人が多い。「宇野浩二伝」読まなきゃなあ、とメモ。またメモか。「宇野浩二伝」は、買ったきり本棚にチンと並んでいるだけになっている。今月は新しい本はあまり買わず、積読してるやつを片付けていこう、と決意を固めたりする。本当に固まったかどうかは知らない。

 弁当の仕込み。夜中に蓮根のキンピラを作る。ゴマをたっぷり入れた。午前1時頃、就寝。

・購入物:なし

・朝食:ごはん、焼かます、味付け海苔、蜜柑
 昼食:お弁当(鶏のしょうゆ煮、煮卵、かぼちゃのサラダ、ごはん、塩昆布)
 夕食:外食、丸久(餃子、煮豚、キムチ、もやし、きゅうりの漬物、麦酒、ごはん)


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