ウィングのつぶやき
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2007年03月08日(木)

最近のドライバーのトレンドは「深重心」です。

以前はこぞって「低重心」をアピールしていましたが、いまは「重心が深く、そして低い」が各メーカーの売り文句になっています。

重心が深いメリットは、

①慣性モーメントが大きく、方向性がいい。
②フェースが自然にターンするので、スライスしない

ということになると思いますが、本当にいいことづくめなのでしょうか?

実は落とし穴があって、

深重心のクラブを使っていると、自発的なフェースターンというものをしなくなり、その結果、ゴルファーの飛距離的なポテンシャルは落ちてしまいます。

どういうことかというと、

深重心のクラブは重心が偏った位置についているので、なるべく重心を暴れさせないスイングが必要になるわけです。

まっすぐ引いて、まっすぐ出す。
ぶつければ、フェースが自然に返り、しかも上を向いてくれるので、とても楽です。

なんだかとってもいい感じですが、インパクトで左脇が開いていても打ててしまうので、自分が知らず知らずのうちにカット打ちになっていることに気づかない「怖さ」があります。

こういうスイングに慣れたら、もうロングアイアンは打てません。そこでユーティリティという便利なものが発明されたわけです。

とても楽にゴルフができるようになったわけですが、道具に頼りすぎると、人間の能力は退化してしまいます。

何がいいたいかというと、日本のプロは、進化しすぎたクラブによって、逆に退化しているのではないか、ということなんです。



イマドキのクラブのテクノロジーは凄いものがあります。

四角いヘッドのドライバーも打ってみましたが、確かに後ろからドーンと押してくれるので、カタパルトで発射!という感じです。

アドレスでどこを向いているかイマイチわからない、という人や、

インパクトに力を集中できない、という人にはとってもいい道具です。

しかしその一方で、信じられないようなミスショットが出るのも事実です。

フェースが戻らず右を向くこともありますし、思い切り返ってしまうこともあります。ひっかけは自分のクラブでも出ますが、右に切れていくスライスなんて久しぶりに打ちました。

こういうショットが出ると、最高速度は出るけど、ブレーキの効かない車、みたいだと思います。

もしこういう車に乗ったら、ブレーキが効かないので、怖くてスピードは出せないですよね。


つづく




ゴルフライター小林一人

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