被虐の喜び...しおり

 

 

会う - 1998年07月09日(木)

今日は友達とおでかけ。

遊んで帰る途中のできごと。




いつも使う乗り継ぎ駅で電車を待ち、乗り込む。
乗車率は80%ほど。
となりの人と腕が軽くぶつかっても仕方がない程度に混んでいた。
まだ明るい時間。窓からはきれいな月が見えたから
ずっと、見ていた。

そして、とても暑い日だった。

とても。







車内でわたしの手に触れる何かがあって、指先に意識を集中させると
人の手。だれかの手がわたしの手に触れている。
とても軽く触れている。

そのまま月を見続けていたら、だれかの手はゆっくりとゆっくりと
わたしの手に絡んでくる。














小指から。










ゆっくり。









だれかの指が乗ってくる。













小指。
















薬指。















中指。








どんどんだれかの指がわたしの手の中に入ってくる。

すこし、見てみた。じぶんの手を。

そこに絡んでいる手首は、きれいだった。
とても暑いのに、長袖のシャツで。
袖口にはノリがきれいに効いていて、うれしい気持ちになった。



















もうすぐ電車は駅につく。







つかないで。














もっと手を繋いでいたかった。










駅に着く。と同時に、だれかの手は私の手にしっかり絡み
手を繋いだまま電車から降り、向かいに停まっていた電車に乗った。









男の人は、乗り込んでしまった電車のなかで
この電車?と言った。
わたしは首をふる。
次で降りよう。







次の駅で降りて、ホームのベンチに2人で並んで座った。

その時に顔をやっと見た。
とても良い顔の人。








お互いの家はこの駅ではないので、向かいのホームから戻ることにした。


もどった駅でお茶に誘われた。
快くうけた。


喫茶店でお茶しながら、名前、年、仕事、今日なにをしていたか、
そんな話を、切れ切れに、長い時間をかけて話した。
男の人はホテル行かない?って言ってきた。




数分前に知り合った知らない人とホテルに行くのは初めてだった。




名刺をもらって電話番号を教えあって
下着を脱いだところまでの記憶しかない。

きっと、とても緊張していて、とても嬉しかったからだとおもう。


















彼との出会いから、わたしの道はとても変わった。


...




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