櫻の!日常カルテドグマ塾!!

2006年08月15日(火) 瞬間、輝いて候

いちごパフェを食べた。


甘いものはアンコ以外はあんまり食べないので、多分コドモの時以来なのだがパフェなど実に十年ぶりだ。


目の前にドッド〜〜〜ンと積みあがったパフェを見たくなったのだ。


けっして食べたくなった訳ではないのだと思う。


10cmくらいの高さに巻かれた生クリームにイチゴのソースがダッラァ!とかかっていて、それだけでお腹いっぱいなのだが、チョコレートケーキがまたその上にグサっと刺さっている。


んで、チョコケーキが落ちないように、ウエハースで支えている様はもうセンスを超越しているとしか言えない。


そんなエッシャーの騙し絵みたいな作品を目の前にした瞬間が最高なのだ。


時々、ひとりでデパチカに出かけ、スイーツのショーケースをブラッっと歩き回る。


あんまり食べたい訳ではないし、買って帰る訳でもないのだが、甘いもの=作品を眺めているのが好きなのだ。


“目の肥やし”である。


パティシエにいた頃は、とにかく作るのが好きで楽しかった。


理由は味見しなくて良いからである。


フルーツはつまみ食いするが。


中でもウェディングケーキが最高にテンションが上がる。


二段積み、三段積みがかなりアツく、完成した作品を冷蔵庫にほり込んだ瞬間から、急に醒めてしまう。


誰が食べようと知った事ではない。


給仕係りに、おいしかったですとお客様に伝えられましたと言われても、あんまり嬉しくない。


恥ずかしくて、なんだか気持ち悪いのだ。


だが、作品が可愛かったとか、凄かったとかかっこよかったとかいわれると最高に嬉しい。


そのくらい、作る事には命がけだが食べる事には頓着しないのだ。


自分の手を離れた瞬間、宝物はガラクタに変わる。


記憶が胸の中に残っていればそれでいい。


全てにおいてそんな人生観なので、結構ずさんに失ったものもある。


それはそれでいいのかも知れない。


咲くのは一瞬で後は胸の中でいつまでも輝いていればいい。


明日を作る為に、今死んでもいいのだ。


だから、僕は自分に、“櫻”と言う名前を与えたのだ。








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sakura [MAIL] [HOMEPAGE]

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