この頃、昼間暖かくても朝晩はぐっと冷え込むようになった。渡り鳥たちも暖かい土地を求めて南へ去って行った。暖かい土のフトンをかぶって眠る時が来たのだろうか、散歩の時いつも遊んでいた田んぼのカエルもいなくなった。日に日に日暮れが早くなり、世の中が冬に向かって足早に過ぎて行こうとする中、こうしてボクだけが自分の庭でじっと夕日を見ているのだ。今日の夕方、ボクはそんなことを考えてちょっと詩人の気分であった。