ボクが住んでいた山には、よくキノコが生えてくる。 朝、顔を出したキノコは、みるみるうちに大きくなって、 夕方にはカサを開いている。
このキノコは何というキノコなのか、ボクは知らない。 アキコも知らないらしい。
アキコが知らないということは、きっと食べられないキノコ なんだろうと思う。食べられるキノコだったら、アキコはす ぐに採って食べるにちがいないからだ。
残念ながら今までボクの山に食べられるキノコが生えたこと は一度もない。 食べられるキノコが生えてきたら、アキコと一緒にキノコ採 りをして、山の中をガサガサ歩くことができるのに、残念な ことである。

|