ボクは散歩の時には、必ずガサガサと草むらに入る。ガサガサという音を立てて草むらを歩くのはとても男らしいと自分なりに感じている。暖かい頃はこの草むらはミドリ色をしていたのだが、だんだん茶色い草が多くなったように思う。ミドリの草むらは、ボクがガサガサ歩いたくらいではびくともしなくて、次の日には草がまたピンと上を向いていたものだが、この頃、茶色くなった草むらは元気がない。ボクが昨日倒した草が、そのまま地面に寝てしまっている。まるで草むらの中にボク専用の道ができたみたいである。