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2007年03月06日(火) ルルを思い出す。


正面からみると、大きな黒い丸が正三角形を描いているような顔の
犬を飼っていた事がある。テリアと柴犬の雑種、今で言うミックス犬だ。
これは小学校3年で私が新聞を読んでいたと言う論拠に、今もなっている。
もらって下さい欄から8歳だった私が見付けて来て 「飼って」と
親に頼んだのだ。

時期がはっきりしているのは、それが祖父の葬式の直後で、親族が
居間に揃っていた時だったからだ。
母も疲れていたとは言え、寂しかったのかも知れない。
案外あっさり、犬は我が家にやって来た。
名前はルルと名付けられた。雌の犬だった。

15年生きた。子育てが下手な犬だった。基本的に人間任せ。
2度目のお産に失敗し、子供が産めなくなった。一度目のお産で4匹。
2度目のお産は1匹が死産、1匹がお腹の中で死んでおり
生まれたのは1匹。 みんな直ぐもらわれて行った。

誰にでも尻尾を振る。
だから短大時代、家に遊びに来た先輩に「飼い主にそっくりだ」
言われた事がある。前足が少々ガニ股だったが、芝犬の毛にテリアの顔は
幼い頃、散歩に連れて行くと通る人に声をかけられるほど可愛らしくは
あった。
私に似ていたのは誰にも尻尾を振ると言う部分なのだが。

外犬で飼っていたので、新興住宅地に越した時、フィラリアに罹った。
犬の病気の知識が足りなかった。蚊が多く発生する場所だったのだ。
長い時間掛けて弱って行った。虫は全身を性質悪く回っていたようだった。

私がやっと社会へ出た頃、病と老いで目も見えなくなったルルは
犬小屋ではなく、車庫に入って暮らす事が多くなった。
体調の悪い日は部屋に入れたが、そんなある時 母が何を思ったか
ルルにカメラを向けた事があった。
見えない目を 情け無さそうにカメラに向けたルルの写真が残っている。
浮き出たアバラ、犬だけに人間ほど変貌する事もなく、頼りなげな
顔は 老いよりもやつれが目に付く。
それでも天気と体調の良い日は、外で日向ぼっこして暮らした。

ある日、ルルは目も口も大きく開けたまま横倒しになって死んでいた。
起きて来てノビをしようとした瞬間心臓が止まったらしく、欠伸をしようと
していたようで苦しんだ様子はまるで無かった。
庭の深くに、骨壷が埋まっている。



ううん、ルル、インコのおーちゃん。お腹が痛いです。
胃痙攣は胃炎になったみたいです。
どうして人ではなく、彼らばっかり浮かぶのだろう。

あ、祖父ちゃんが死んで以来、親族のお葬式って私 出てないもんな。
近い親族は思いっきり長命な人が多くって。
この手で触れてお別れをしたのって、動物ばっかりだあああっ

数日前 鏡に全身を映したら、フィラリア末期のルルそっくりで
これはまずいと無理に食べ始めたから、多分胃炎になったんだなあ・・・



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