37.2℃の微熱
北端あおい



 古屋兎丸『Garden』

終電間際、ふらりと入った五反田あゆみBooksで、古屋兎丸『Palepoli』とどちらにしようか散々迷ったあげく『Garden』を買う。
近頃、忘れかけているなにかを思い出させてくれそうな予感がして。

それから、もう10回以上繰り返し読んでいる。
古屋兎丸、ダ・ヴィンチの4コママンガと『π』などが最初に触れた作品だったので、実はさほど気に留めてなかった漫画家…だったのに。
でも、初期作品はいいと教えてくれた人がいたので気にはなっていたのです。
そのとおりでした。
あんまりぽろぽろと泣いているせいか、電車で目の前のスーツの男性が席を譲ってくれました(感謝)。
でも、はたから見ればエロ漫画にしかみえない作品で、なんでこんなに泣いているのか不思議に思われているにちがいありません。
電車で読むような本ではないのだけれど、でも、ページをめくったら文字通り手がとまらなくなったのでした。

読んでいると叫び出したくなるような衝動にかられます。
泣かないで、泣かないで。
分析して。
この衝動がどこからやってくるのか、
ちゃんとつきとめて。

しばらく鞄にいれて持ち歩くことにします。
しばしば見失いそうになる衝動を見失わないために。

2005年06月20日(月)
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