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向日葵のように
ひまわり
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2006年06月03日(土)
どうにでもして。

彼が来た。
突然。


金曜の仕事が終わって帰ってきて、
たばこを吸いながら
そろそろ寝ようかな、なんて考えてたとき、

あたしの携帯がなった。

着信。
あいつ。

なんかあったんだなって、
電話を切る前からわかってた。

酔っ払ってまた送って欲しいのか、
それとも
家でなにかあったのか。


声を聞いて、
明らかに奥さんとケンカしたんだなって気付いた。

でも聞かなかった。
彼が言うのを待ってた。
あたしが発するのは
「酔ってんのー?」
くらいに抑えて。

彼が言った言葉は、
投げやりな笑いと
「離婚ですよ、離婚」

泊まっていい?って言われたから、
とりあえず部屋を適当に片付けて。

彼を待ってる間考えた。

大方、
また遅くに家に帰って
奥さんに怒られたんだろう。
そのときタイミングよく子供が夜鳴きしたりして。

それで彼は家を飛び出した。
昔からそう。
あたしとケンカしても、
彼はすぐ家を出てった。



あたしの家に着いた彼は
やっぱり酔っ払っていて。
とりあえず寝せた。

酔うとヤりたがるあいつは嫌い。
あたしも拒んでたのは最初だけだった。
「最近まじでヤってないから早いよ」
こないだあたしと会ったのは、
たった3週間前じゃなかった?
それから考えても、
あんたどんだけまだ思春期なの?

お昼くらいに起きて。
またヤられ。
むしろ犯され。

好きだよ?
あなたの腕に抱かれるのは。


起きた彼はまた、
ふっと思い悩んだり、
あたしにも聞き取れない声で何かを呟いたり。

あたしは
何も言えなかったし、
言いたくなかった。

あたしを逃げ道にすればいいって思ってたあたしは、
目の前にいる、
離婚に悩んだ男を、
元彼として、
友達として、
なんて声をかければよかったんだろう。

彼との付き合いは5年目になる。
その半分以上を二人っきりで過ごしてきた。

それでもわからない。
忘れちゃってたのかもしれない。
いや、こういう事態にならなかったのかもしれない。

彼は相談を求めてるとき、
どうして欲しいタイプだった?
話を聞いてあげるだけでよかった?
意見を求められた?


考えたら、
あたしたち、
お互いのコトでケンカしてばっかりだったのね。


彼が言ってた言葉は
「離婚する」
「仕事も変えたい」
それだけだったかな。

子供のコトは口にしなかったね。
あたしに気を遣ってくれたのね。


お風呂を貸したけど、
なんだか考えごとのせいか
彼の行動は不思議だった。
単純にボーっとしてたんだけど。

あたしもあたしで、
いつもの自分のお風呂でいつものように過ごしたのに、
なぜか最後のコンディショナーを流すのを忘れて上がってた。



彼は帰っていったけど。
「どうするの?」って聞いたら
「とりあえず話し合い」って。







あたし自身、どうなってほしいんだろう。
別れちゃってほしい?
その結果あたしと結ばれるんならそれもいいかも。
けど、そんな未来、
きっとあたしはツライだけだし。
子供がいる現実は消えない。
でも、あたしと結ばれなかったら、
また他の女のコトで苦しむ羽目になる。
結局あたしは、彼と繋がっていたいから。


でも別れないと思うな。
酔いが冷めた頭で考えれば、
きっとうまくいくよ。
子供もいるんだし、別れるべきじゃない。
確かにあなたは、
いい父親でもいい旦那でもないかもしれないよ。
それでも父親は支えになるんだよ。
ましてや男の子でしょ?


彼からの呪縛から解き放たれるためにも。



ごめん、
あたし今、
自分のことしか考えられないや。




あなたの思うように行動して。