モンキチョウが 残り少ない蜜を探して頼りなく花から花へと ひらめくこうしてしゃがんでいるうちに存在と空間の境界線は午後の太陽ににじんでゆく高くなった雲がほこほこと西へ西へと流れているだけの午後に誰かの記憶から 私が消えるときはなにもお知らせなどせず辺りの空気の温度が ほんの少し下がるだけそれは あなたの肌に心地よい風となり 庭先をなぜてこの秋はじめての落葉がかさりと小さくかたむく