カゼノトオリミチ
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2006年10月05日(木) 存在




モンキチョウが 残り少ない蜜を探して

頼りなく花から花へと ひらめく

こうしてしゃがんでいるうちに

存在と空間の境界線は

午後の太陽ににじんでゆく


高くなった雲がほこほこと

西へ西へと流れているだけの午後に


誰かの記憶から 私が消えるときは

なにもお知らせなどせず

辺りの空気の温度が ほんの少し下がるだけ

それは あなたの肌に心地よい風となり 

庭先をなぜて

この秋はじめての落葉が

かさりと小さくかたむく










natu