自分にもっと力があれば良いのに。
力があれば、もっと、いろんなことを変えていけるのに。
目を閉じて、願う。「私に力を下さい」と、願う。
いつも、「今日こそは何も言うまい」と心に決めて臨むけれど、矢張り、どうしても、言わずには居れない。
誰かが言わなければ。
言っても何も変わらないけれど、言わねば絶対に変わらない。
そう思って、言わずには居れなくなってしまう。
もうやめなくては、と思いながら、一度走り出すと、抑えが利かなくなる。
皆、心の中では「また始まった」と思っているのだろう?
「如何でも良いから、早く帰らせろ」と思っているのだろう?
けれど、そうやって今迄やって来たから、このザマなんだろ?
口をつぐんで唯、時が過ぎるのを待っていれば、如何にかなる。其れならば、どんなに良いだろう。
私だって、口をつぐんで、大人しい顔をして居たい。
けれど、言わずには居れない。止められない。
私にもっと、力が有れば。
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