タダほど怖いものは無い。
そうだった。そうだったのに、うっかりしていた。
何の名目だか知らないけれど、会社からまとまったお金が出て、其れで忘年会。
自腹切らなくても良いならと、珍しく参加してみたのが間違いだった。
あんなの、ただの馬鹿騒ぎじゃねーか。
其れも、男子学生レベルの馬鹿騒ぎだ。
曲がりなりにも会社のイベントで、社会人が遣ることじゃない。
下らない。
こんな馬鹿騒ぎに使うなら、いっそ、中庭に社員集めて、屋上から万札ばら撒けば良いのに。
こんな事なら、矢張り出るんじゃなかった。
会社の知的レベルが窺い知れる。
大体、如何して忘年会などと言う習慣が生まれてしまったのだろう。
好きな人たち、一緒に居たいと思える人たちと楽しく過ごす。そんな忘年会なら大賛成だけれど、何でわざわざ業務終了後まで、一緒に居たくも無い奴らと飲み食いして、楽しそうな顔をしてなきゃならないのだ?
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