せめて少しでも独りの時間を確保しなければ心が壊れると切迫して、どうにか独りで居られる時間と場所を作って逃げ込んだ。何にも縛られず、何も考えず、只ひたすら無になってぼんやりできる時間と場所だった。其処にも、彼奴は入り込んできた。何処までも追い掛けて来て、私の自由を侵し、奪う。本当の自由を得るには、矢張り、生の外側へ出て行くしかないのか。