思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?
万華鏡
心のままに・・・
それは蒼く澄んだ朝(あした)
私は眩(くる)めく光の中に進む
一条の光明が
私に尋ねた
おまえはここで何を探しているの
何を感じたいと言うの
この世界は
幾筋の光明の中にあって
交差する人たちの心の揺れが
万華鏡の中で
妖しい光となり
時に美しく
なお哀しいほどに
輝いて見えるのだよ
じっと覗いていると
ほかの一条も
私に話しかけてくる
数多(あまた)ある中で
一瞬重なりあう光が
キミを照らしているのだよ
照らされた心の中を覗けば
キミが探す答えが
きっと見つかるはずだよ
万華鏡は
重なる物の切ない美学
今日と明日そして昨日さへも
照らしてくれる
優しく淡く・・儚い美学
その中にさへも
私は救いを感じていたい
一瞬でいい
光を感じていたいのです
121
風船・・・(夢つなぐⅡ)
a photo by taichou
ふと空を見上げると
ぽっかり赤い風船
とても自由そうに
屈託なさそうに・・・
浮かんでいました
祭りの屋台の古びた屋根に
括られていた
あの風船でしょうか
それとも・・・
少年がうっかり放してしまった
風船なのでしょうか
風船は・・今も
この縛りのない空を
どこまでもどこまでも飛んで
あてもない旅を
続けているのでしょうね
120
***
この絵は私の詩「夢つなぐ」に
描いていただいたものですが、
これは絵を見て即興で書いた詩です。
過去を飛ぶ鳥
いまも変わらず
キミのこと 思っています
あの時・・・
羽を広げ舞う 白き渡り鳥
嘴を合わせ愛を確かめあった
目と目で囁いては
見えない明日に
羽音残し小刻みに震えた
さよならの夜明けは
物憂げなのに
魅惑の鍵盤だけが
美しく紫の空に舞う
いまこの時が
永遠だと・・・知った
いまこの愛が
真実だと・・・確信(しっ)た
世界で一番清浄な時を
キミと一緒に過ごせたこと
白みかけた向こう側に
僅かな希望(ゆめ)も隠されて・・・
一面を浚う 風が時を包み
ふたりを 無情の砂に変えていく
あれから・・・
時は波のように流れ
ひとつの夜は 儚く明けていった
いまも・・
キミのこと ずっと・・・
ずっと大切に思っています
十月の妖精
みんなの心の中に棲む
小さな妖精
夏は暑さを風に変えました
澄んだ瞳で
心のひだを見つめ
優しく歌いかけました
でもね
十月の妖精は
ちょっぴり疲れを感じて・・
みんなの心まで
届きません
あなたの心の中に棲む
小さな妖精
冬は暖かな毛布を一枚
あなたの膝にかけました
その輝く笑みは
美しい夕陽に染まり
誰にも優しく愛のお話し聞かせます
でもね
十月の妖精は
ちょっぴり疲れを感じたままで
あなたの心まで
届くことができないのです
きっと逢える
きょうは
どこまで歩いて行こう
どんなことに
出会えるだろう
この広い空のしたで
未知のキミを
見つける・・・
今朝一番の
とびっきりクリスタルな予感
きっと・・・
逢えるね
・・・キミに
夢つなぐ
夢ひとつ またひとつ
まるい希望が 雲になる
ふわりふわりと 風船のよう
膨らんだり しぼんだり
心模様の通い道
はじけ雲 うすら雲
オレンジの風に・・・
またひとつ
新たな息吹 膨らんで
夢・・・つなぐ
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