月に舞う桜
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◆2合計17冊 13. 盛永審一郎『安楽死を考えるために 思いやりモデルとリベラルモデルの各国比較』 14. 松村圭一郎ほか『文化人類学の思考法』 15. 小林太郎著、笠原十九司解説『中国戦線、ある日本人兵士の日記 1937年8月~1939年8月侵略と加害の日常』 16. 木下龍也『つむじ風、ここにあります』 17. アナトール・フランス『神々は渇く』 18. 櫛木理宇『逃亡犯とゆびきり』 19. 山崎雅弘『アイヒマンと日本人』 20. 高橋哲哉『反・哲学入門』 21. 青木理『時代の抵抗者たち』 22. 櫛木理宇『骨と肉』 23. 青木理『時代の異端者たち』 24. 桜木紫乃『ヒロイン』 25. 近藤史恵『シャルロットのアルバイト』 26. 斉藤章佳『男が痴漢になる理由』(2回目) 27. 千々和泰明『戦争はいかに終結したか 二度の大戦からベトナム、イラクまで』 28. 湊かなえ『絶唱』 29. スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』
※数字は1月からの通し番号
高橋哲哉の『反・哲学入門』は、西洋哲学の蓄積を参照しつつ、アカデミックな哲学を飛び出して一般社会の現実的課題を分かりやすく語る良書。社会が世俗化するに従って、むしろ宗教以外のもの(国家や学校)が神格化されてきたという論点が非常に面白かった。 『骨と肉』は、これまで読んだ櫛木理宇の小説の中でも面白い部類。血縁の業が怖い。 スティーブン・レビツキーとダニエル・ジブラット『民主主義の死に方』は、アメリカの大統領候補がどうやって選ばれてきたかの歴史を振り返りながら、大統領候補の選び方が民主的になればなるほど、かえってトランプのような大統領が誕生して民主主義が破壊されてしまうことのジレンマを語っている。昔は、フォードやリンドバーグ(ともに反ユダヤ主義者)が大統領選に出ようとしたが、政党の幹部がそれを阻止したらしい。欧州や中南米でどのように独裁政権が生まれてきたか、またどのようにして独裁政権の誕生を阻止してきたかの話も興味深い。
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