てくてくミーハー道場
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2008年07月19日(土) |
改めまして。新生花組 |
2か月も経ってから(これを書いてる本日は、実は9月15日)の感想なので、ほんとに「憶えてる部分」しか書きませんが、そういう感想の方が、実はある意味“的を射ている”んじゃないか、などと言い訳しつつ。
まず、本編。
宝塚ミュージカル・ロマン『愛と死のアラビアー高潔なアラブの戦士となったイギリス人ー』
タイトルを初めて聞いた99%のヅカファンが、『アラビアのロレンス』の舞台化なん? と思ったに違いないのだが、何と違っておりました!
ローズマリー・サトクリフという人の小説『血と砂』が原作だそうで。
で、この『血と砂』というタイトルを聞いて、「昔、月組でやったアレか?」と50%ぐらいのヅカファンが思ったかもしれない(ぼくもそうです)のだが、それも違ってた(あっちの『血と砂』はイバニェス作。ルドルフ・ヴァレンチノ主演で映画化されたのも、こっちの方)
例によって、原作本をめんどくさがって読んでないのだが(全然読書家じゃないんだよなぁ。よく出版関係の仕事やってられるよなー我ながら)、原作が好きな人には、ちょっと、申し訳ない舞台化だったんじゃないか・・・、と(根拠なく)感じた。
主人公の性格が、タカラヅカの主人公丸出しなのだ。
カッコいい。カッコ良すぎるのだ。
一点のシミもなく(タイトル通り)高潔で、誠実で、強くてハンサムでりりしくて。
あまりにも欠点がなさ過ぎて、何だか好きになれない感じまでする。(←ひねくれ者め)
演じているまとぶん(真飛聖)自身の、陶器のような美貌のごとく「つるん」としてて、人生の機微とか、男の年輪とか、全く感じられない人物像だった。
申し訳ないが、それは100パー谷(正純)先生のせいだと思う(←出た! 決めつけ)
だって、まとぶん自身は、そういう手触りの希薄な男役ではないからだ(今まで演じてきた役々から判断して)
まー、谷先生を責めるのも気の毒だと思う。
「新生○組」の出帆作では、どの作家先生でも、めったに主人公をダーティーヒーローにしたりはしないからだ。
また、それまでどんなに「影のある役」「輝く闇を持つ悪役」が得意だった男役でも、トップ就任作では、その試金石として「真っ白な役」に挑戦するのがセオリーみたいなとこがあるし。
とにかく、周りみんな浅黒いアラビア人に囲まれて(ヒロインすらも黒塗り)、一人ぽぅっと真っ白い顔を浮き立たせているトマス・キースは、まさに「掃き溜めに鶴」(男なのに)
そういうふうに、したかったんだろう、多分。
だが、むさ苦しい(つっても、あくまでもタカラジェンヌが演じる、という冠詞がつくが)男たちの中で、一人白鳥のごとく美しく佇むトマスを見てると、何だか「衛兵隊の中のオスカル」みたいだった。
タカラヅカの雛形は、やはり『ベルばら』なのかな。
単にぼくのヅカ蓄積が、貧弱なだけなのかもしれないが。
一方、主演娘役としての貫禄充分になってきた桜乃(彩音)でございますが、主人公(トマス)があまりにも潔癖なお方に描かれている関係上、全然色っぽさ発揮できず。
大正時代の女学生よろしく(何だその例えは)「心からお慕い申してオリマス、お兄サマ」とトマスにしなしなと寄りかかるのが精一杯で、お人形さん以上メイド未満であった(役割としても、彼女が演じたアノウドは、元は裕福な商人の娘なのだが、砂漠で盗賊に襲われた後、トマスに助けられて自ら望んで彼の“ハシタメ”になるまでしか描かれてない。史実ではこの人、トマスと結婚したらしいのに・・・)
どんなに「清潔に」愛し合ってても、「夫婦」になるまでは描かないのが谷セオリーなんだったか?
久々の谷作品だったので、よく思い出せないのだが、ハシタメで終わる方が、なんか・・・と思ってしまった。
ただ、「谷作品は、いつも大虐殺で終わる」という批判を本人も気にしたのか、「新トップ就任作品で、それはいかん」と思ったのか、トマスの死刑シーンを出さないで終わったのは良かったのだが、トマスとアノウドが美しく寄り添い合って幕、となった瞬間、客席のほとんどが「ぽかーん」だったのは事実ですよ?
隣りのお姉さん、明らかに「え? これで終わり?」って呟いてたからね。
ぼくは一緒に観てたヅカ友さんと、「(主人公が)死なないで終わったねー!(谷先生なのに!)」と顔見合わせて思わず苦笑いしたくらいです。
さて、本作品から花組に異動してきたゆーひちゃん(大空祐飛)
歌劇団は、彼女をトップにする気があるのかないのか全く読めないのだが(ぼくは基本的には、歌劇団の人事に関してあれこれ考えない客)、今回の役はゆーひちゃんにとってはさほど役不足でもなく、本人もしっかり演じていたし、良かったんじゃないかと思った。
次回以降、ゆーひちゃんをきちんと使えるかどうかで、今後の花組(プロデューサー)のクオリティが知れるような気がする。
逆に、よく分からん使い方をされてる感じのそうちゃん(壮一帆)
『メランコリック・ジゴロ』でスタンをやらされた(この件についてはコチラをご参照)のは、気の毒というか身に余る光栄だったと思うのだが、今回演じたトゥスンは、思ったよりなかなか天真爛漫な感じがちゃんと出てた。
顔立ちがヤンさん(安寿ミラ)に似てるせいか、影のある役向きかと思っていたが、案外邪気のないタイプなのかもしれない(ヤンさんも、けっこうコメディエンヌではあったが)
悪く言えば軸が定まらない、でも、良く言えば、何でもできるオイシイ立場、それが二番手。これでいいのかも。
ちなみにトゥスンて人は、トマスとは「実の兄弟以上恋人(?)未満」の関係だったらしい。
タカラヅカでよくあるパターンだが、「トップ男役と娘役のコンビ」<「トップと二番手」の典型である。そんな、タダレにはたまらん関係だったらしい(\(−−;)自粛!)
でも、ヅカだから、ちゃんと「清く正しく美しい」たまらん関係でした(何のこっちゃ)
そんなタダレのアホ嗜好よりも、みわっち(愛音羽麗)演ずるドナルドとの最後の別れのシーンの方が、ぼくの好きなタイプの「男同士の濃い友情」を感じさせて(多分に浪花節っぽかったが)良った気がする。
次、ショー。
グラン・ファンタジー『RED HOT SEA』
南の海です。
サンバです。
ラテンです。
草野(旦)です(笑)
黒塗りです。
スパンコールギラギラです。
極彩色の羽根です。
草野です(2回目)
以上(オイ!)
・・・いや、だって。
これ以上の説明はムリ(・・・疲れてきたな?)
つうか、完全に「いつもの草野ショー」なんだもの(・・・あんまり好きじゃないな?)(あんまりはっきり書けないが)ご名答
正直、既に内容をよく憶えていない。
ぼく自身が個人的に大好きな黒燕尾と白ドレスの総踊りだけは憶えてるが(しかも、ここも例によって「草野ショー名物」のパーティ→酔っぱらい大会)
まとぶんが「崖の上のポニョ」のメロディで「は〜なハナハナ、花組よ〜♪」と歌ったことしか憶えてない(−−;)
全体的(本編もショーも)に「何だかな」的な作品ではあったのだが、お披露目って大抵こんなものであったと思う(それに安住するのもどうかと思うが)
んで、花組次回作は、ヨン様ドラマであるところの『太王四神記』。一応(←失礼発言)話題作ではある。
ご存じ大長編なのであるが、題材的にタカラヅカにぴったりなので、何の躊躇もなく楽しみにしたいと存ずる(←言葉遣いが既に変)
ドラマで予習する気はさらさらないが(←無礼者め)
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