空中楼閣

2002年01月03日(木) 2002年。

機械に2002年と打とうとして、
必ず2001年と打ってしまう自分がいます。
「にせんにねん。」と口に出しておきながら、
それでも2001年と打っている自分がいます。
毎日のように打ってきたので身体が覚えてるんでしょうな。
脳で理解していても、身体の記憶が先に出る。
記憶は脳と心(心臓)だけじゃないんだな。

よく臓器移植を受けた人が、
術後に体質変化するという話を聞きます。
何か人間の底力を見た気になります。
獣のようなその力強さにはドキドキします。

この身体に私の記憶を。
叩き付けて、染み込ませて。
誰かの身体で再び目を覚ます。
考えただけで恐ろしくなってくる。
とても素敵な事だと思う。

私の臓物は私の脳が生きる事を止めた瞬間、
誰かの身体で生き続ける事に決めています。





生まれてこの方、何度か人を殺そうと思いました。
今回は殺すのも嫌なほど嫌悪感満々です。
私の心の中は何やら色々と複雑なようです。
今まで人を殺した事は無いのに、
この手には、人を殺した記憶が染み付いてます。
夢での殺人はあまりにもリアルで、
いつしか私は、現実と虚実との区別が付かなくなるでしょう。
今既にこれは現実ではないのかもしれません。
朝起きると、誰かが死んでいるのかもしれません。
今私に出来るのは、その虚実の経験を元に物語を綴る事だけです。
完成まで後一歩の物もあれば、出来上がらない物もあるでしょう。
現実と虚実を元にした小説では、必ずと言って良いほど、
どこかで誰かが死んだり、殺されたり、消え去ったりしています。
この場面で死んだ彼は、虚実の人ですか?
あそこで殺された彼女は、現実の人ではないですか?
彼等は、本当に架空の人間達ですか?
これは私の殺人なのではないのですか?
答は私の中にありますか?
何年探しても出ない答はどこにありますか?
私はここに居ても良いのですか?
ここに居るべき人間なのですか?
殺意を殺意だけで終わらせていたでしょうか?
私は誰かを殺してはいませんか?

この手に残る数々の感覚は何を意味するのですか?


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亨 [MAIL]

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