2004年07月01日(木) |
読書日記。伊坂幸太郎「オーデュポンの祈り」「重力ピエロ」 |
新潮社 伊坂幸太郎「オーデュポンの祈り」、「重力ピエロ」を読んだ。 だめ人間っていうのは、時間がたっぷりあるので、読書も進みますなあ。
この2冊、ミステリとはいいながら純然たるミステリじゃないです。 「オーデュポン〜」は最後の新潮ミステリ大賞とってます。 でもミステリじゃないの、ミステリ風なの。 びっくりだよ、新潮ミステリ大賞。 だってせいぜいがところ、ライトミステリだよ。 というよりもジュブナイルなのかな、主人公が28歳なのに。
あー、悪い意味じゃないです。 キャラクターに魅力も”そこそこ”あるし、ストーリーも”そこそこ”面白い。 でも、そこそこ、なんだよう。 「オーデュポン〜」がデビュー作、「重力ピエロ」が多分第3作で、成長の跡が見られます。 でも、あまりにもリアリティなさすぎて、そこがジュブナイルちっくなところなのかも。 殺人事件なり放火事件なりが起きて、警察が動かないわけがないのに、警察の動きに対する描写が全くと言っていいほどないのは、如何。 別にリアリティばりばり有りの高村薫や桐野夏生を読みたいわけじゃないけど、もうちょっと物語を重層的に作り上げて欲しいなあ、と思うわけです。
全然リアリティなくてもOKOK!な作家さんもいるのに、伊坂さんにだけちょい辛口なのはなんでだろう?と自分でも不思議だけれども、少し突っ込みどころが多すぎるんだよなあ。 私ごときに突っ込まれてたらいかんですよ。 頑張れっ。 今後に期待。
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