いやあ、最近分厚い本づいている。 前回は「あかんべえ」だったし・・・・・ だいたい分厚いというだけで敬遠してしまうというワガママな 読者なのだ。活字中毒とはおこがましくて言えない。
4人の友人が、久しぶりに再会して旧交を温める?旅をする。 わかるのだ、彼らが「なんで今まで忘れてたんだろう?」という 気持ちは・・・・・なぜなら、同年代なのだ。 過去はきっと、自分の都合のよいように改ざんされて、表面上の 記憶としてじりじりと蓄積して行くのである。 彼らはたぶん、恩田さんと同い年でもある。 きっとこんな風に過去を思い、たわいのないことを考え、緑の 森に圧倒されながら彼女も旅をしたに違いない。 読んでいて感じるこの安心感はジェネレーションギャップのなさか。 それとも、作中の時間の流れのゆるやかさか。
ミステリ、ではないのかもしれない。でも、随所に飛び出す 謎解きごっこは、なんだか楽しく、うらやましい。 それに覆い隠されていた「楽しくない」謎も明らかになっていくが すでにもう過去は取り戻せない。 それぞれが、それぞれの心の森の部分を感じながら、旅は終わる。
うーん・・・・あのころの誰かと旅がしたくなったぞ! |
2002年08月01日(木) |
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