☆梨木香歩。 『西の魔女が死んだ』

このタイトルがすごくセンセーショナルなのに、
お話は淡々と進む。
魔女の修行、すなわち「自分のことを何でも自分で決める」
ということ。
言葉ではカンタンだが、なんて難しいことだろうと思う。
自分の意見。自分の思い。自分の足で歩くこと。
そんなことから大きく遠ざかっていたような、まいと同じあの頃。
大人も子どもも忙しくって、そんなのいちいち考えているヒマ
などないのだ・・・哀しいことに。
だがおばあちゃんは見守る。まいがひとりで考えられるように。
自分の足でちゃんと歩いて行けるように。

子どもの頃、死について、考えたことはあまりなかったかもしれない。
身内にそういうことが起こらなかったし、ペットも金魚のお墓を
作るぐらいだった。
だが・・・生を語れば、死を語らねばならない。
難しいと思う。
今だワタシ自身、魂のありかを探しつづけているのだから。

新刊の文庫らしく、帯がかかっている。
「最後の3ページ、涙があふれてとまりません!」
・・・・泣くヒマなかった(泣)。
それほどに、ラストまでさらりとしなやかに
この物語はワタシに触れたのだ。


2002年10月08日(火)
By ちゃいむ

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