昼間に眠った所為じゃないのに、全然ねむれない。 12時まで凄く眠くてベッドに入ったのに。 眠気があるのに眠れない。 腹が立って、苛々として、泣きそうだった…(弱。 眠れるひとが羨ましかった。
あたしの夢に知っているひとが出てくる事は滅多にない。 友達とか学校のひととか家のひととか、出てこない。 一番出てくるのが、女のひと。 そのひとは何時も着物を着ていて、幼かったり大人だったりする。 あたしはその子に『鈴子』という名前を勝手につけてた。 もともと『鈴子』っていうのは、あたしが勝手に実家の天井で鳴る鈴の音や。 何となく気配のする童につけていた名前で。 あたしが其の座敷で眠らなくなり、自分の部屋をもつようになってからも。 部屋の扉の向こうで、鈴の音は止まなかった。 ばあちゃんに話すと、ネズミが歩っている、とあしらわれたけれど。 『鈴子』は可愛らしい鈴の音を鳴らしながら、あの家に棲んでいた。
今年、東京で暮らすようになってから七ヵ月。 最近、部屋の扉の向こうで、時々だけ鈴の音がする。
『鈴子』だけじゃなかった。 夢に出てくる子供達は、みんな鮮やかな絣の着物を着て。 時に井戸の中を覗き込んでいたりする。
夕べは螢火の夢をみた。 知らない場所に手を引かれ歩いて、闇をくぐり抜けると。 真っ暗な街の中、螢火が降り積もっていた。 涙が出そうなほど綺麗な景色だった。 其の先で、道端に死体が落ちていた。 それでも螢火は止むこと無く、闇の街に降り注いでいた。
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