
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫

2年近くかけて伸ばした髪を切ってみることにした。
美容室の店長から「エロモン出すのやめちゃうの!?」 ※エロモン…エロいフェロモン約してエロモン。 と驚かれるが、気分というのは恐ろしいもので、 一度決めると切らずにはいられなくなってしまったのだ。
そもそも髪を伸ばし始めたのは、今の彼と付き合い始めたのが きっかけだ。職場恋愛みたいなもんだったので、 あんまりみっともない格好をしていると 彼に恥をかかせてしまうんじゃないかとか、もっと好きに なってもらうにはキレイになる努力をせねばならんのだと 自分に言い聞かせてもっぱら女らしくする努力などを してみたわけで。
女らしく=髪を伸ばす
というのは私らしいといえば私らしいアホ論理だが、 これが意外にも周囲にウケた。ずっとショートとボブの間を 行ったり来たりしていたせいで、金田=短髪というイメージが 強かったので、久しぶりに会う友人知人からは 「女っぽくなった」とか「瘠せた?」という声が聞かれた。
実際瘠せたのは事実だが、たいして劇的に減った訳でもない。 髪の長さが顔を小さく見せてくれる効果が一因として挙げられるが、 髪型は容易に印象を変える。髪が伸びたことで、 短髪だった私のイメージはドーンとメスっぽい感じになった。 インパクトが違う。
でも長年の習性というのは恐ろしいもので、髪が長かったのは 私の記憶ではせいぜい小学校6年生まで。 後はずっとボブぎりぎりで通してきた。
髪が長いことに、どうも慣れないのだ。
手入れもめんどくさい上、鏡に映る自分のロングヘアは なんとなく気恥ずかしさがあった。 なんというか、「ここまでして男に好かれたいか」的な 自嘲的な気恥ずかしさだ。 別に彼から「髪を伸ばしてくれ」と強制されたわけではない。 単に好かれたくて路線を変更していただけだが
伸びた髪に、いいようのない「必死さ」みたいなものが にじんでいるような気がして、考えたら気持ち悪くなった。
とはいえ、髪を短いままにしていた理由だって 前に付き合っていた人が、髪を切るたびに「似合うね」と 手放しで褒めてくれるのが嬉しくてと、いうものだったので、 どっちに転んでもみっともない感じがする。 短くすれば、前の彼に未練があるような気もするし 伸ばせば今の彼に媚びているような気もする。 (別に切ったら前カレとヨリが戻るわけでも、今の彼と 別れるわけでもないのにな)
もやもや考えるのが嫌になって切ったけど、 切るのもっと後にすれば良かったとちょっと後悔。 気分的にはすっきりしたけど、あ〜〜〜〜〜…。 (理由はまた後日)
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