Night Blindと言って、夜になると目が利かなくなる。Snigelとドライブする時も、夜は決まって彼の担当。あっちゃあ、こいつは予想してなかった。再び橋を戻るけど、悠々というよりは目を皿のようにして、すれ違う人にガンをとばすようにして見定めながら歩く。洪水なのに人通りはまだ多い。雨もまた降り出した。しかしひできすに他の選択は残されていない。Sの奴、脅かそうと思って、間抜け顔のひできすの後ろをついて来ているんじゃないか?と思って振りかえるが、犬がこちらを見上げているだけで何も起こらない。肩をすくめて再び歩き出すと、「いた!」。人ごみの中でいつもより小さく見えるS(普段がでかいと言う事ではない)が、すでにこちらに気づいていて微笑んでいる。