■■■ ぽっちーの独り言 ■■■... pocchyland presents

 

 

拘り・・・色彩計画 - 2005年08月30日(火)

今晩、とあるお店の外装の色の件で打ち合わせがあった。建築設計の方でまとめている部分でありながらも店舗との絡みも重要になってくるので同席を求められた。店をつくる度に経験することだが色彩計画とは本当に難しいものである。微妙な色の違いによっても全く異なる仕上りとなったり、印象となったりするのでかなり微妙で且つ繊細な部分でもある。

特に今日の打ち合わせは外装の色合い。タイルを全面に使用しているのだが、それに絡めてデザイン上の構造物が幾つかある中で、それらとの調和も上手く計らなければならない。外装の色合いは建物全体としてのものだし、それによって見る側の捉え方も違ってくることになる。そして気を付けなければならないのは真四角の凹凸のない建物であれば上手くまとまるであろうモノであっても、いくつかの構造物が複雑に絡み合った場合にそれらとの調和をしっかりと考えなければ完成度も低くなり、野暮ったい建物になってしまう可能性もある。

いろいろな意見が出た中で最終的な結論としてはまとまらなかったが、建築設計の先生にわざわざ京都からお越し頂いての打ち合わせは有意義であったと思っている。最終的にはクライアントの判断になるのであろうが、何故プロが二人とも同じモノを主張しているかということもよくよく考えて欲しい。建築設計の方も私もモノづくりに関しては本当に強い拘りを持って仕事をしているし、それを理解した上での業務依頼であると双方共に思っている。それだけに妥協もしたくないけど無理強いもしたくはない。しかし、建物の外観というのはデザインがどうであるかという点と共に、全体的な調和というものも必要な要素である。

住宅との違い、室内との違い、外観というのは色の好き嫌いという観点だけのものではなく、全体の仕上りやまとまりという点に重きを置いた中での調和と完成度が重要であると思っている。遅くなっての帰宅後、○○回目の誕生日を缶ビールで祝ってから朝方まで仕事部屋に篭って外装のCGやいろいろな写真と睨めっこしながら納得行くまで考え続けた。本当に自信を持って出した答えが見つかった時は既に外は明るくなっていた。

やはりデザイナーとして自分自身の中でまとまった結論は「白」であった・・・





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拘り・・・色合わせ - 2005年08月29日(月)

今日は西浦和のお店の家具や他の木を使う部分の色合せを行った。基本的には壁面は白をベースにした珪藻土風の左官仕上げで、外部から店内まで同じ素材の同じ色で統している。但し、パントリー廻りだけは家具も壁面もかなり重厚な色を使っている。店内の家具に関しては白木を基調とした中での微妙な変化を付けている。

杉、タモ、栂と無垢材を3種類にタモのツキ板の板目と柾目とが素材として出てくる。それぞれ木の持つ特性や風合いを活かしながらバランス良くまとめていかなければならない。その中で木に種類によって同じ色を付けても全く異なって見えてきたり、板目と柾目でも全く異なる表情になってしまうのである。何度も何度も職人さんに調合して頂き、本当に納得行くまで何度もやり直しをして最終的に3つの色が決まった。

それぞれを比べても素人目には大きな違いは出て来ない。しかし、プロとしてみた場合には全く異なる色となって完成後の姿を頭の中に描いている。カウンタートップのタモの無垢材は木の風合いを殺すことのないオイルフィニッシュで着色をせずにオイル自体のしっとりとした感じを醸し出させている。他の家具の部分は大人しい柾目を使っているので、本当に色が付いたか付かないか分からないくらいに微妙な色を調合し少しだけ表情を変えている。本当は色を付けたかった部分も使っている素材の特性上着色することは出来なかったのでクリア仕上げで押さえたり、無着色でもクリア仕上げとオイルフィニッシュでは全く表情がことなるので、その変化を表現したりと同系色の中でほんの少しづつ表情を変えている。

「洋」のイメージを「和」の素材で表現しながらも、洋風のイメージをかなり強く出したデザインとなっている。椅子に関してはこれまで全く使ったことのないデザインと色合いのものも使ったり、全体的にはこれまでのポッチーランドのお店とは一線を画していると思う。店頭には暖簾も出さないし、ライティングにも遊び心と共にこれまで以上に間接照明を多用して拘りをより強く主張した照明計画となっている。

二重構造の間接照明が入った壁面も前後の壁の色を同じにしてあるが、ライティングの変化で全く異なる色合いになったり、シンプルな色合いの中での変化を楽しむというデザインでもある。以前の日記にも書いたがミリ単位での拘りで納めた箇所もあるし、じっくりと図面を検討することが出来たので完成度としては、より満足行くものに仕上りそうである。








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長野のお店 - 2005年08月27日(土)

今日は6時に起床し長野の打ち合わせの件で高崎までの出張である。昨日は午前中が浦和で午後からは蓮田へ、今日は高崎で夕方は浦和。いっそのこと夕べの内に高崎へ入り一泊することも考えたのであった。その方が移動時間が短くて済むし、宿泊しても経費的にも安く上がるかもしれない。しかも、高崎でお気に入りのお店へも行けるし・・・。

前回は私の方の不手際で打ち合わせが出来なくなってしまい、クライアントにはご迷惑を掛けてしまった。決して流された中での仕事をしていたのではないが、本当に申し訳なかったと深く反省をしている。まずはその謝罪をして前回に提出予定だった資料をプレゼンした。

実際に住居だったものを店舗に変えるのだが、建物自体が大きいのでオペレーションの問題が結構出てきてしまい、もう少し突っ込んだ内容の図面を作成しようと思っていたのだが、その辺のことをまづはクリアにしなければならないと思っていたので、途中の段階でのプレゼン資料となった。大きな建物を全て使うのではなく、約半分を使用する予定であるが、表玄関を導入部として使用した場合の実際のオペレーションはかなり難しくなってくる。裏玄関(裏と言っても普通の家よりも大きいし、豪華な造りである)を使うことによってその問題や、人員配置もかなり違ってくることになる。

しかし、クライアントとしては折角の立派な玄関を使いという希望であり、何らかの方法を見い出してそれに添う形でのものにしなければならないと思っている。他にもいろいろと問題が山積みの状態であるが、一つ一つ解決しながら進めていくしかない。まだ今の段階はクライアントの会社がある高崎での打合せであるからいいが、進行してくれば長野まで行かなければならない。今でも遠方には違いないが、更に遠くなるからにはより密度の濃い内容の打ち合わせにしなければならない。





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蓮田のお店 - 2005年08月26日(金)

クライアントが約2ヶ月振りにサイパンから帰国し、本格的に店舗の打ち合わせを進めていくことになった。数日前の日記にも綴ったがプランナーとして引っ掛かるところがあり、大幅なる平面計画の変更を考えていた。建築の定例会議の前にその件でクライアントとの打ち合わせの時間を持ったが、工事が進んで躯体が出来上がってくると全体的な大きさも把握出来るようになってくる。

実際にその感覚を掴んだ中で現在の区画ではやはり大き過ぎるのではないかと言う考えを持って頂いたようなので思い切っての縮小案をぶつけてみた。出来上がれば凄い厨房になるだろうが、果たしてこの規模のお店でここまでのスペックが必要であろうかという疑問を持っていたのでクライアントの帰国まで設計の進行をストップしていた。建築サイドからは図面はまだですかと言う問い合わせもあったが、時間的にはまだ大丈夫だったので本当に納得いくまで悩み考えた中で最終的に提案しようと思っていた。

面積にして約1坪半程縮小することになるが、その分を客席へ廻せることになり全体的にゆとりを持ったレイアウトが出来るようになる。今日提案したものはラフプランの段階からも大きくレイアウトを変更していたが、更なる修正を加えることによってより良い本当に納得行くものがつくれると確信している。中途半端に妥協するのは自分自身の信念から言っても絶対に嫌だし、時間が許す限りは突き詰めて考えていきたいと思っている。

最初にラフプランで可笑しなものになるかといったら決してそうではない。厨房区画にしてもクライアントが納得したものであればそのままつくれば良いことである。しかし乍それでは良心の呵責に駆られてしまうことになる。気になることはトコトン突き詰めて考えていきたいし、それによって出来上がったプランの方が良いに決まっている。面倒臭いからと言ってそのまま図面を進行させるのは私には出来ない。クライアントとぶつかることになっても修正案を進めていくことを優先したと思う。それが真剣に考えているという証でもある。

その後、建築の定例会議があり出席したのだが、ちょっと腑に落ちない点があったのである。外壁のタイルがクライアントが海外出張中に決まっていたのである。何度もサンプルを作り直すくらいに拘っていた箇所だからどうして不在の状態で決まってしまったのか?実際にクライアントも「これに決まったの?」と驚いていたが、私も同様に驚いてしまったのである。これまでの茶系をベースにした中での濃淡から、全く異なる系統の色合いになっていたので建物のイメージが大きく変わってしまう。これほどまでに大きく変わる内容のことが不在のところで決まっていたら納得できないのは当然なこと。納期云々の問題であっても、現物をサイパンへ送って確認していただく事だって出来たはずである。

何故こういうことになったのかは定かではない。発注済であるからメーカーでは生産を進めているだろうが、ここから先は建築設計者とクライアントとの納得いくまでの話し合いであると思う。同じ設計者として自分がこうしたいという思いがあれば、それをクライアントに納得して頂ければいい訳で、そこでぶつかり合うことも必要だろうし、お互いの思いや拘りをぶつけ合った中での解決を望みたい。少なくとも今日の段階では設計サイドからの強い主張と言うか、それに対する思いや拘りは感じなかった・・・。これでは平行線のままだろう。とにかくこういう問題は双方の主張をぶつけ合った中で、双方が納得いくまで話し合うことが大切であると思う。


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マナー違反 - 2005年08月25日(木)

いろいろなサイトを見ていてふと目に付いた画像があった。以前手掛けたお店を紹介している個人運営のサイトであるが、そのお店の画像をよく見るとどう考えてもうちのサイトで使っているものである。しかも、素人はそういうカットでは撮らないし、ストロボ未使用であの画像は難しいはず。そういうマナー違反は絶対にやめて欲しいな。

自分の資料として画像をPC上に保存しているというのは構わないが、うちに限らず他から無断で引用をするという神経が分からない。素人なら何をやっても許されるとでも思っているのかどうかは分からないが、自分で勝手に撮影して掲載しているのですら本来はあまり芳しくはない訳で、他からの画像をコピーして勝手に自分のサイトに貼り付けているなんてどう考えても理解出来ない。

以前、他のサイトでも使われていたことがあり知人から連絡を受けて知ったのだが、その際は画像を変に加工を施していたので可笑しなものになってしまっていた。そうすると全く別のイメージで見る側に伝わることになるし、料理を勝手に撮って汚い画像を平気で掲載しているサイトと同じである。美味しさも全く伝わらないし、かえってマイナスと成るような本来のものとはあきらかに異なるイメージで伝えられた店側はいい迷惑となる。

素人だから何をやってもいいと思い込む昨今のこの風潮はどうしたものか・・・?




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勘違い・・・接客② - 2005年08月24日(水)

とあるお店へ初めて行って来た。初めて?実際には二度目となるのかな?一度目はオーダーの際に激怒して席を立って出て来たのだが、今回は最後まで大人しく食事をさせて頂きました。リニューアルしたばかりのデパートの飲食フロア。2ヶ月も経つとハッキリとそれぞれの店舗間での差が出て来はじめます。繁盛店は平日の夜でも行列が出来ているし、店内に活気が満ち溢れている様子が外まで伝わってくる。そういう活気や空気が大事なんだよね。それを作るのはお客様ではなく本当は店側なんだけど、それを分からない経営者はダメな理由を他に転換してしまうから永遠に苦しむことになる。

で、お目当てのお店は案の定ガラガラであった・・・。4人1組、1人客の計2組5人しかいない。約30坪で50席近くあるお店がこれではどう考えても採算ベースには乗っていないはず。これまでも数回前を通ったことはあるが今日と大きな違いはない。こういう飲食フロアの場合、坪効率(1坪当たりの1ヵ月の売り上げ)として最低ラインで40万と言われている。30坪だから月商1200万が最低ラインである。日商で40万は路面店ではかなり厳しい数字であるが、こういう飲食フロアでは最低レベルの数字である。何故そうなるかというと路面店に比べての維持費やら経費が大きく違うのである。販促費なんかもかなり掛かるし、人件費だってMAXでの状態を考えての配置をしなければならない。今日もホールには4人もいたが、私を入れて3組6人の客を相手に4人のスタッフ。1人が1卓に付きっ切りでも一人余るのである。

おまけに先客2組は暫くして退店・・・。そうです広い店内に俺1人。真ん中の席にポツンと1人佇み酒を煽る髭オヤジ。4人のスタッフのうち1人はキャッシャーの所に立ち、新客を待ち、残った3人は一列に並んで奥の方から私の方を向いて立っている。これじゃ落ち着いて酒なんか飲めやしないし、何も客がいないときに3人も並んで立っていなくても良いじゃん。1人だけ立ち、残りはパントリーに下がっていればいいことである。マニュアル感丸出しのお粗末さである・・・。

それにしてもこういう飲食フロアの夜のピークタイムに50席で1人だけ・・・というのは初めての経験。これが古ぼけた全体がダメなところなら未だしも、出来立ての施設でこの状態ではどうしたものか?でも、この状態には必ず原因がある。酒を飲みながらその原因を探っていたのだが、前記の暇な時のスタッフ配置然り、幾つもの問題点というのが目に付いたのである。

ここは某老舗の系列店である。そこ特有の言い回しで接客をしているが、申し訳ないが違和感を感じてしまうし、風情あるお店で年配のスタッフが言うのなら嵌るかもしれないが、二十歳そこそこの女の子が言ってもしっくりこないよね。それとタイミングというか間が抜けている状況が頻繁に起こるから不快感すら感じてしまう。先客がお会計をして帰る際にお釣を受け取り店を出ると同時に「ありがとう○○○~○」と言っていたが、その時点で客は外に出ている。しかも、その後から残りのホールスタッフが、そして厨房の中から同じ言葉が聞こえてくる始末。一体誰に言っているの?

暫くして次なる客がやって来たが、入ると同時に「いらっし○~○」と言い、その後席へ誘導し座ると同時にまた「いらっし○~○、ご新規一名様~」と。客からしたら入店時に言われ座ると同時にまた言われる。2回目は「いらっし○~○」は要らないのではなかろうか?「ご新規1名様入りました」とかで良いのではと思うが、その独特の言い回しを言うことだけを考えて、本来のお客様に対しての言葉や心遣いは何処かへ行ってしまっている。結局はマニュアルで雁字搦めにしているから客が違和感を感じるという意識なんて全くないのだろう。実際には他にもおかしなことが沢山見受けられたのだが、本来はそういうことをしっかりと指導しなければならない筈なのに、妙な言い回しだけを優先しているから飲食店としての本質が全く感じられない。基本中の基本が出来ていないのは大きなマイナスであることに経営者や店の責任者が気付いていない。これくらいのお店になったら当たり前に出来ていなければならないことが出来ていないのには本当にガッカリである。本来はこういう店が蕎麦屋全体に影響を与える位のしっかりとした仕事をしていかなければならないのではなかろうか?

消費者だって馬鹿ではない。心の篭った言葉かどうかは直ぐに分かるし、他のお店と比べてあきらかに劣るオペレーションにだって気付くものである。物事の優先順位が全くわかっていないからこういう事態になるのだが、メニューにしても昼には酒の肴を未だに外しているみたいだし、こういう老舗系のお店で酒が飲めないんじゃ本当に蕎麦だけだよ。客単価なんか上がる筈ないし、夜もこの状態じゃこの先やっていけないよ。

〆に食べた蕎麦も酷かった・・・。味云々や蕎麦粉がどうこう言うのは嫌いだが、茹でが足らない芯が残った粉っぽい蕎麦を出すのは如何なものか?本当に基本中の基本をもっとしっかりとやらないと潰れてしまうよ。それと経営者が蕎麦屋のレベルでしか物事を見ていないからこういう事態に陥ってしまうのではないのかとも思っている。オペレーション然り、特にここのような立地で商売をするにはもっと飲食全体の広い視野でいろいろなことを見ないと取り残されてしまうことになる・・・というよりこのフロア内では既に取り残されてしまっているようである。









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勘違い・・・接客① - 2005年08月23日(火)




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拘り・・・プランナー ② - 2005年08月22日(月)

今日一日蓮田のお店の図面と睨めっこしながら思い切ってレイアウトを変えてみた。流石に厨房区画の大きな変更とまでは行かなかったが、客席に関してはちょっと引っ掛かる部分が幾つかあったのを改善し、それに伴ってパントリー周りも少し変えることとなった。これがまだ50分の1の縮尺の段階だから見えて来ない部分も結構あるだろう。西浦和のお店は基本設計は30分の1だったが、実施設計では10分の1や原寸で詳細を考えていくといろいろなところが見えて来て微調整を加えることとなった。

蓮田のお店も実施設計の段階になればまた変えていかなければならない箇所が沢山出て来るであろう。それはデザイナーとしての業務でのこととなるが、現段階ではデザイナーとしてよりもプランナーとしてのものを優先して考えるようにしている。昨日の日記にも綴ったが、店は格好だけでは商売にならないし、レイアウトはしっかりとした理屈に基づいて考えられたものでなければならない。

そして、後悔する仕事だけは絶対にしたくない。




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拘り・・・プランナー ① - 2005年08月21日(日)

建築工事が進んでいる蓮田のお店のレイアウトが未だにまとまらない・・・。まとまらないというより、一旦はラフプランの段階でクライアントと打合せをしているし、それに基づいて全体的な区画取りは進んでいる。しかし、平面計画をしっかりとまとめようと図面を睨めっこしていると、どうしても本当にこれで良いのだろうかという衝動に駆られてしまい先に進まない。

厨房区画に関してはかなり前の段階で確定しているのだが、それを含めてもっともっと深く考えて煮詰めていく必要があるのではないかと思い始めている。決まったことだからそれに沿って進めていったとしても大きな問題にはならないだろう。しかし、自分の心に中にちょっとでも引っ掛かるものがある中で進めていって果たして本当に良いのだろうかと思ってしまう。

楽な道を選べばそのまま進めて行けば良いことであるが、終わってから後悔することになはらないだろうか?これはデザイナーとしての仕事ではなく、プランナーとしてのものである。長く商売を続けてもらいたいし、その為に何を考え、何を提案しなければならないのかを真剣に考えなければならない。全体的なスケジュールを考えればまだ時間はある。決して妥協した店づくりは出来ないし、出来ない性分でもあるから時間の許す限り納得いくまで考えてみたいと思う。




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拘り・・・デザイナー ② - 2005年08月20日(土)

「拘り」とは見方を変えれば何もそこまで・・・と言えるべきものでもあっったり、マスターベーション的なものであったりもする。蕎麦も然り。殆どの店主は自分の蕎麦への拘りを追及し、素材や技術を含めて永遠に追及し続けていくことになる。

デザインも同様でこれで終りとするレベルは何処にもない。常により良いものを・・・ということを求めながら日々仕事をしている。何度となくここでも書いたが、ポッチーランドとして手掛けているお店はマニアやそれに付随する人達の為につくっているのではなく、極普通の人達に蕎麦屋の愉しみ方をわかって欲しいが為のものである。

ただ単に蕎麦屋としてだけのデザインであれば別に拘りを強く持たなくても構わないと思っている。現に普通のお店は皆右倣え的に同じような店づくりをしている。でも、私が考えているような客層はあまり寄り付かないし、普段は決して蕎麦屋なんかには行かないような方々に認知して頂き、行く行くはそのお店のファンになって欲しいものと思っている。

だから最低限の拘りを持った中でのデザインを心掛けてきたのであるが、今回はその拘りの度合いをこれまで以上に強く打ち出してみたかったのである。




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拘り・・・デザイナー ① - 2005年08月19日(金)

現在工事中の西浦和のお店は順調に進行している。かなり前の日記にも綴ったが、今回はデザイナーとしての拘りを強く持った店づくりをしてみたいとて考えている。これまで手掛けて来たお店もデザイナーとして決して恥ずかしくない仕事をしてきたと思っているが、敢えて必要以上に強い拘りを持った中でのより完成度の高いデザインを意識している。

ミリ単位の拘り・・・。図面はミリ単位で書き込んでいるし、現場での施工業者さんとの打ち合わせも当然ながらミリ単位であり、時にはカンマ5ミリの時さえあったりする。拘るのは寸法だけではなく、納まりや素材然り、あらゆる面に於いての拘りを貫き通した中での仕事をしてみたい。

本当にやりたい仕事をしていく。そういう意識がより良いモノをつくり上げたり、モチベーションを構築していくものと思っている。




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このマニュアル的な言い回しはどうかな? - 2005年08月18日(木)

先日入ったとあるお店にて聞こえて来たホールスタッフの言葉・・・

「エアコンを27度に設定しておりますが大丈夫でしょうか?」・・・???

一見、自店の温度設定をきちんとお客様に言っているのだから親切なお店なのかな?と思ってしまうが、では27度ってどれくらいの温度なの?明確に答えられる人はまずいないだろう・・・。天気予報では気温をきちんと表現しているが、漠然とした中で暑いか寒いか程度の判断は出来るかと思う。しかし、店に入って○○度と言われても困っちゃうよな。外の気温やその時の体調によっても感じ方は異なるのだし、体感温度って人それぞれ皆違うものである。

クールビズとやらでオフィスは28度だったかに設定しなさいみたいなことを言っていたが、それに倣ってのその人なりに考えた言い回しなのだろう。その人なりに・・・というのは後で店主に聞いてみたら「そういう内容のことを言うようには指示していない」とのことだったので、スタッフがお客様への親切心で言っているらしい。

ここで気を付けなければならないのは、こういう言い回しは如何にもマニュアル的であり、他のこともそういうもので縛られているように思ってしまうということである。他の動きもマニュアルが染み付いているように感じたので、前職はきっとファミレスか大手の飲食関係、若しくはそれに関連するものだったのだろうと思ってみていた。実際にはホテルにいたらしいのだが、ホテルと小さな個人飲食店とはサービスの仕方が異なるのである。ホテルと同じような言い回しや過剰とも取れるサービスではかえって浮いてしまいかねない。

小さな個人店だからこそ出来る本物のサービスというものがあるはずで、この件に関しても設定温度を言う必要はないし、暑い外から入って来て直ぐは涼しくて気持ちが良いのである。少し間を置いてから「寒くありませんか?」とか「暑くありませんか」とさり気無く聞いてみるとか、いろいろと工夫は出来るはずである。入って直ぐに席に座ると同時に聞かれても答えに困るであろう。それと感じ方は皆違うのだから暑いと思う人もいれば寒く感じる人だっているだろう。それを全て聞き入れていたら一体どうなるのか?そういうことも考えた上での言葉でなければならない。

一見丁寧で親切なるこのおもてなしであるが、余計な言葉を付け加えることによってそれがかえって鬱陶しく感じてしまうことにもなりかねない。手掛けたお店でなければ別に放って置いても構わないが、そうじゃないので店主には止めた方が良いとアドバイスしてきた・・・

最低限のマニュアルは作るようにはしているが、これは過剰マニュアルと思える内容なので今後は気を付けて欲しいな。




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表情ってとても大切なものなんだけど・・・ - 2005年08月17日(水)

いざ新党立ち上げ・・・!これは一見凄いことだと思う半面、???という感じも否めない。組織から飛び出して自分達の思いを貫こうと一致団結して立ち上がった訳だからある意味「改革」であり「クーデター」でもある筈だけど、これまでも幾つかの新党立ち上げのニュースを見てきたが、今日の彼らの会見を見て感じたのは全く別の次元であった。

一般社会で考えれば、組織の中で改革が行われることになったがそれには反対である。組織としては決定に従ってください。それに背く方に関しては待遇とかが変わってしまいますよと言う。それに反発して退社し、自分達で小さな会社を興すこととなり、在籍していたその大きな組織へ立ち向かうかのように思える美談的?な話しにも思えるのだが、どう考えてもへそを曲げてしまったかつてはそれなりの役職に就いていた方々が恨み辛みで悪足掻きをしているようにしか思えない。

本当に改革を求め立ち上がった割には表情が悪過ぎる・・・。顔付きを見ていて本気でなにをやってくれそうな気が全くしないと感じたのは俺だけではあるまい。一緒に反発した多くの方々の中で単にへそを曲げたご老体が勝手に自分達だけで大騒ぎしているのかな?と思っちゃう。残念ながら何かに賭けてのチャレンジではないし、単なる悪足掻きにか見えて来ない。

郵政民営化とかに関してどうこう言う心算はないが、原因や要因はなんにしろ「改革」や「クーデター」を起こす人ってもっと表情が違うはずである。変に噛み付かれるのも嫌だから断っておくが俺が言いたいのはそれである。彼らにかつてはあったかもしれない「オーラ」すら感じることは出来ない。

そういう人に期待する人ってどれだけいるのだろうか?そして信念を貫き思いを成し遂げることなんて出来るのだろうか?スタートが余りにも中途半端だから同志であると思われた反発組みがそれに同調しようとはしない。しっかりとした信念を持っているからそういう中途半端な寄り合いには目が行かない。何かをやろうとするのならその人達をも巻き込むだけのカリスマ性であったり、しっかりとした論点を持ち合わせなければ無理であると思う。

本気か・・・?
恨みか・・・?

どんなことに於いてもそれは表情やら言葉の中に表れるものである。





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非常時に使えない携帯なんて意味ない! - 2005年08月16日(火)

さあ、出掛けようと思った矢先にテレビから聞こえて来た「大きな地震です・・・」という声。数秒後に横浜でも揺れだしたが、結構揺れ幅が大きかったので恐怖感を感じてしまった。最初は震源地が分からず揺れも大きかったから関東近辺なのかな?と思っていたが、直ぐにネットで調べたら宮城県沖で震度が6弱ということが分かった。

実家もあるしいろいろな方面に電話を掛けるが全く繋がらない。加入電話も携帯も同様で多くの人が掛けているからということと通話規制をしているからだろうと直ぐに察知はしたが、こういう非常時には誰でも直ぐに連絡を取りたいと思うはずであり、こういう時に使えない携帯なんて・・・と思っちゃうよな。

後からネット上のニュースで見たがN社は90%もの通話規制をしていたとのこと。最初は90%に通話規制(10%の制限)をしたのかた思ったら、文章表現からは「90%に制限」をしたと読み取れる。それじゃあ通常の10分の1しか繋がらないというのかい?そこまで規制をしてしまったらかえって混乱するだろうに・・・。少ないところでも50%の制限とのことだったが、各社共にお願いしたいのは携帯電話の利便性というか、特性をもう少し考えた上での改善をして欲しい。

やれカメラだ、音楽だとあれこれ機能だけを優先して先を争って新機種を出し捲っているが、そういうものの開発費や宣伝費を非常時に於けるスムーズな通話が出来るようにするシステム作りに廻すことが出来ないのだろうか?直ぐに緊急ダイヤルとやらを始めたらしいが、そんなもん知らなきゃ使わないよ!確実に大災害はやって来るのだから本気でそういう面に関しての開発を進めて欲しい。まあ、全くやっていないということはないんだろうが、現実として全く使えないという状況では最早携帯電話の意味がない。

出来ないことはないんじゃないのかな?これだけ技術が進歩している現在に於いてはそんなに難しいことではないような気もするが・・・。でも、企業としては売り上げに直結しないこういうシステム作りに消極的なんだろうな。最近の携帯は機能だけが増えてしまい、PCと一緒で殆ど使わないソフトや機能に無駄な金を払わされているような気がしてならない・・・。




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頑張って欲しいから・・・敢えて・・・ - 2005年08月15日(月)

何故厳しく接するのか?それはそう言わざるを得ない理由があるから・・・でもあり、もっともっと頑張って欲しいという願いと思いを込めてのことである。そして、その向こうにあるのは「お客様」であり、お客様に満足して頂きリピーターとなって店の繁栄を齎せてくれるということを願っている。その為には人知れず沢山の努力と試練が必要である。

しかし、当の本人にその意識がなければ何にもならない・・・。プランナーとしていろいろなお店を見てきた中で技術面の向上は時と共に何とかなるものである。しかし、経営という行為に於いて「モノの見方、考え方」という面に関してはそうはいかない。勿論、一長一短で身に付くものでもないけど、ある程度の基礎を持ちそれをしっかりと構築していくことが出来れば大丈夫だと思っている。その基本となる考え方がどうであるか?それを重要視しているが基準に満たない場合の多くは長きに渡り苦労が待ち受ける結果となっている。

それを分かっているから敢えて厳しい苦言を呈しているのだが、一向に改善やら修正の跡が見られない場合は本当に大変な自体が待ち受けていると思って間違いない。そうなって欲しくはないし、現実としてそうなってしまっては後の祭りである。だから何とかなって欲しいという願望がある。しかし、ここから先は本人次第であり、周りが幾ら彼是言ったところで自覚も意識もなければ到底無理な話し。

本気で取り組めば今は遥か彼方の出口もやがては見えて来る筈であるが、長いトンネルの中で歩を止めてしまえば一生そこからは抜け出せない・・・





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プロとしての姿勢と意識 そして根性 - 2005年08月14日(日)

日米に渡って連続試合出場に拘り続けている。それは単に記録だけを追及してのものではない。先日の新聞に書かれていたことだが彼がそれに拘り続けるのにはこういう訳があった。


「僕のホームランを見たくて試合を見に来るファンがいる。年に一度しか来れないファンもいる。でも、僕が試合に出ていなかったらその人はきっとガッカリしてしまうだろう・・・。そういう思いをさせたくないから例え怪我しても試合に出続けるんです。」(松井秀樹 談)


これそプロ意識、プロの仕事だと感心したものだった。で、今宵はとあるお店へリサーチに行って来た。お盆中であるが今日営業していることは事前にチェック済みであるので安心してお店へと向かったのであった。店の近くまで行くと看板の電気が消えていることに気が付いたが、まさか休み?また付け忘れ?いろんなことが頭の中を駆け巡りながらも店の前に辿り着いたのであった。

店内は照明が付いているしスタッフが見えたので営業しているのかもしれないと暫く様子を見ていたら店主が出て来た。「どうしたの?」と聞いたところ「今日は用があるので早く閉めました」とのことであった。確か一週間前にも夜の営業を休んだとお店へ行った方から連絡を頂いたが、それに対してその方へきちんと謝罪したと店主から聞いたが、また同じことをしているとは驚いたというより呆れてしまった。

何も反省なんかしていないじゃんか・・・。一週間前にした行為を詫びていながらまた同じことを繰り返している。詳しい理由を聞いたら別に早仕舞いしなくても大丈夫らしいことを言っていたが、現在のお店の状況を考えたら早仕舞いなんか出来ないだろうにと思ってしまう。先週の休業もどうしようもない理由とは言えないし、本人も早めに段取りしておけば大丈夫だったかもしれないと言っていた。

要は本人に経営者としての意識の欠片もないということで、店を休んだり早仕舞いすることに何ら悪びれたことも、事の重大さにも全く気付いていないのである。いろいろと理由なり言い訳を言ってきたが、大切なのは本人の商売に関しても意識であり、今自分にとって本当に大切なことは何かが分かっていない。店の中に入ってくださいと言われたが、申し訳ないがとてもそういう気持ちにはなれなかったので、蚊が沢山飛んでいたけど外での立ち話を続けた。

何とかなる理由だったら何とかするのが真の商売人だろう。冒頭の松井のプロとしての姿勢とは正反対のものである。先日の方、今日の私以外にもお店に行ったが休んでいたので仕方なく帰ったという人はいることだろう。そういう考え方では本当に店を続けていくことなど出来やしないし、だから今日言ったことは最後通告と思って欲しい。本当に誰も助けてくれなくなってしまうよ。僅か一週間の間に2回もこういうことをするとは普通の神経では考えられない。先日謝罪した言葉は嘘だったのかと誰もが疑ってしまうし、他にも日常的に過ちや可笑しなことをしているのではないだろうかと疑いたくもなる。立地的に考えても殆どが目的客である。通りすがりにふらっと入る人は少ない訳であり、あそこへ行こうというきちんとした目的を持って来店しているのである。それを考えたら簡単に休業や早仕舞いなんか出来ないはず。

全てがこういう感じでは厳しい今後が待ち受けていると思わなければならない。本人は一生懸命に頑張っているみたいだが、やっていることや言っていることからは到底感じ取ることは出来ないし、本当にやる気があるんだろうかと思ってしまう。そういう姿勢がスタッフにも伝わり、これくらいで良いのかな?なんて思われて真の努力をしなかったら店全体が可笑しなものになってしまい、強いてはそれがお客様にも伝わってしまうということになるのである。

今の数字を考えたら絶対に休むことなんか出来ないよ。定休日だって休まずに営業するくらいの根性がなければ成功なんて遥か彼方の夢物語になってしまう。そういう状況に置かれているという自覚がないから平気でこんなことを繰り返してしまう。誰だってミスや過ちを起こすことはある。帰り際に頑張れ!と言って別れてきたが、暫くの間は様子を見ようと思っている。他に本気で頑張りながらもまだまだ結果が出ていない人もいるし、そういう人を応援したくなるのは当然のこと。あまりにも他の方々との意識レベルが違い過ぎる・・・。でも、なんとか頑張って欲しいよ。

ホントに大切なのは本気で取り組む姿勢を相手に分かってもらうこと。それが伝わらなければ誰も相手にはしてくれないということである。とにかく、このままの考え方でいったらそう長くはない・・・としか言えない。後は本人のやる気次第だよ!




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久々!そば屋のセットメニュー・・・ - 2005年08月12日(金)

リサーチで入ったとあるそば屋さん。4人掛けが9卓と14席あるビッグテーブルの計50席のお店であったが、殆どが一人客でテーブル席に座っているので満席率が著しく低い。中央にあるビッグテーブルには私ともう一人の客だけで残りは全て4人席。9卓中6卓に8人で残り3卓に一人づつ座ったとしたら効率悪過ぎである。1時半頃に行ったのでお昼のピークだったら一体どうなっているのだろうか?自由に座らせていたけどピーク時もそうだろうか?実際に50席あっても誘導が上手くいかない場合、こういう店だと満席率は50%を割り込むことになる。近所のたまに行くお店も23席あるけどピーク時でも50%がいいところである。2卓残して8人しか入っていないこともあったし、本当は席数の多さよりも効率良いレイアウトと誘導が大切なんだけどな。

まあ、そういうことは置いといて、今日のタイトルの話である。何を食おうかと迷ったが、蕎麦とご飯物も両方がチェック出来るので「かつ丼セット」をオーダーすることにした。こういうセット物って本当は値ごろ感があるべきものだけど、町のおそば屋さんの多くはそうではないところが多い。ここのお店も然りで「もりそば」が450円、「かつ丼」が850円で、通常サイズのものを両方頼むと1300円になる。

他のテーブルの普通サイズのものと比べてをチェックしてみたが、蕎麦の量はどうみても半分以下だし、カツは半分であるがご飯は半分以下という感じである。それで値段は1000円・・・どう考えても割高である。蕎麦粉はせいぜい5割がいいところでそれ以下かもしれないし、カツも決して良いものを使ってはいない。手掛けたお店でもセットメニューではないが、小さな蕎麦や小さなどんぶりを出している店があるけど、もっと品質の良いものを出しているし、双方共に小さなものを頼んでも1000円には届かない。

だからこういう形態のお店って原価率がかなり低いんだよね。使っている素材は手掛けているお店の半分以下のものが殆どだろう。しかし、レトルトを使っているものだけが異様に高くなっている。だからメニューを見ればレトルトか手づくりかが分かってしまうことにもなる。もう少し創意工夫をすればもっともっと伸びる要素ってあるんだけどね。残念なことだけど・・・

そんなことよりもかつ丼の味が濃過ぎて・・・。舌が麻痺して蕎麦の味なんて分かりもしない・・・。



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う~ん、ここはやはり変な町なのかな・・・ - 2005年08月11日(木)

近所にある居酒屋であるが、客が入っているところを殆ど見たことがない。週に2回くらいはその店の前を通っているのだが、ここ数ヶ月間に於いては一度も見ていない。いつも店主が暇そうに新聞を広げていたり、椅子を並べて寝転がっていたり、たまに厨房にいるなと思っても暗~い表情で恨めしそうに外を見つめている。

そういう店に入るのはお化け屋敷に入るのよりも勇気がいるかもしれないね。店主も暗いが店も暗い・・・。多分、照明を間引いて付けているのかもしれないが、照明計画自体にも問題がありそうで、あまりにも暗く澱んだ空気が伝わってくる。ポッチーランドが手掛けるお店も照明は暗めにしているが、それはあくまでもメリハリを付ける為のものであり、実際のテーブル上の照度というのはファミレスよりも明るいのである。パット見は暗いがお料理が並ぶところはしっかりと明るくしているし、逆にそれ以外のところは照明を落としているからしっかりとしたメリハリが付いている。それと向かい側に座った女性が綺麗に見えるようにも工夫しているのである。それは照明器具の照射角度や照度を計算した中での照明計画を施している。

話が反れてしまったが、その居酒屋さんは満遍なく暗い。メリハリもない暗さで、店主も暗いから明るいところは全くないという、本当にお化け屋敷そのものである。店に入ったら何処からともなく店主以外の白装束(割烹着)のホールスタッフが「いらっ~しゃ~い!」って出て来るかもしれない。一応外にメニューを出しているが、居酒屋だけあって生ものを結構使っている。しかし、殆ど客が入っていない店で生もの・・・って言ってもねぇ~。まあ、冷凍しているんだろうけど、それにしても怖くて入れないね。それはお化け屋敷としての怖さよりも、もっと怖いかもしれない・・・。怖いもの見たさで思い切って入ってみたいが、もう少し長生きしたいから遠慮しておこうかな。

でも、ここは居酒屋。同じく近所の寿司屋はこれまた殆ど入っていない。流石に寿司屋は冷凍という訳にはいかないし、一体どうしているんだろうか?出前が結構あるみたいだからそれなりには捌けているのかな?ひょっとして出前だから目の前で握る訳ではないから冷凍でも分からないか?

他にも変な店が沢山存在しているがとてもじゃないが怖くて入れそうになかったり、入る気にもなれない凄過ぎるお店・・・。とある蕎麦屋も別に怖くはないが、某老舗系の本店?が何故かこんなところにある・・・。本当はそこの本店でもなんでもないんだけど、でも看板には「○○(平仮名)本店」と書いてある。

横浜市神奈川区反町・・・東横線で横浜の次なる駅がここであり、そしてここにポッチーランドがある。ポッチーランドは決してお化け屋敷ではないし、変な事務所でもないが、デザイン事務所であり、プランニング事務所でありながら酒の数は下手な飲食店よりもある・・・。

やはり変な町なのかな・・・?




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目に見えない何かを探し求める旅かな? - 2005年08月10日(水)

商売って結局は目に見えない何かを探し求めての旅かもしれない。それぞれ目標というものを持って商売を始めていると思うけど、それが何かを具体的にきちんと明確化出来ている人ってどれだけいるだろうか?何となくというか、おぼろげながらは何かを持ち合わせているだろうが、それが分からないからそれを求めて日々頑張れるのかもしれないね。形となって分かってしまうとそれに到達してしまうとその先はなくなってしまうけど、形としてなければ何処が本当の到達点かどうかは一生分からないままでいる筈である。

どんな有名店であり、名人と呼ばれている人でも決して到達点には達していると思っていないと思うし、そこまでの地位になっても日々努力も精進も惜しまず頑張っている。それ程の人でさえ最大限の努力をしているのだから、開業間もない人は何をしなければならないか?今やっていることはどれほどの努力と言えるのか?それをしっかりと自覚しなければ残念ながら先行きは見えて来る。見えて来る・・・というより見えて来てしまう。

現時点でそれが見えて来てしまっては何にもならないのである。見えちゃいけないものを見つけるのではなく、目に見えない何かを探し求める旅を続けて欲しい・・・。



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一皮剥ければ・・・という期待を込めて - 2005年08月09日(火)

夕方からの予定を急遽変更してもらい、前から様子が気になっていたお店へ向かうことにした。お盆の時期だし、念の為に客を装って営業しているかどうかの確認を入れて訪問することにした。店主が電話に出たが元気の良い声でまずはひと安心。ここで暗そうな声を出されたら行くのを止めようとも思ったが、とある駅から歩いて約10分のお店へと着いた。

店主は直ぐに私と気付き、席に着くなりいろいろと話し始めたが、いろいろと試行錯誤を重ねながらも努力している様子が伝わってきた。前回は昨年の10月に来たから既に10ヶ月が経っていることになるが、どの程度成長しているか?姿勢面や考え方がどう変化してきているか楽しみでもあった。まずはビールと板わさをオーダーしたところ、お薦めの枝豆があるとのことで茹でたてを出してくれるというのでそれも一緒に頼んだ。

ここは食材的にはかなり吟味したものを中心に使っているが、今ひとつ拘りが強過ぎるのかどうか伸び悩んでいる店であった。私が行った際には先客はいなかったが、暫くしてからパラパラと入って来ているようではあるが、絶対数的にはかなり不足しているのではなかろうか。ただ、こういう形態のお店はあまり混み過ぎても雰囲気が壊れてしまいマイナス効果に成ってしまうが、程好い感じで数組が楽しめる感じがベストなのである。

続いて日本酒と新メニューのかき揚げも一緒にオーダーした。メニューを見るとオープニング当初から比べたら倍以上に増えているかもしれない。店主とも話したが減らせそうなものは減らした方がかえって良いのではなかろうかと思う。確かに選択肢としては増えたけど、似たような物やこれは別になくてもいいんじゃないの?というようなメニューは省いても問題はないと思うし、焦点が定まらなくなってしまうような気もする。本当に美味いものを限定して置いてある方がこういう形態のお店では良いのではなかろうか?

その後、店主といろいろと話した中で感じたことは実績としてはまだまだであるが、確実に進歩している部分はあるということを感じた。技術を追求するあまりに本来しっかりと見据えなければならないことを見落としてしまっていることに気付きもしなかったのが、少しづつ余裕が出て来て視野も広くなって来ている。まあ、確かに変に拘り過ぎる感じは否めないが、それも彼自身の選んだ道である。それに向かっていこうとする中で一点だけを見るのではなく、きちんと周りの状況も見ながらやって欲しいというアドバイスはしたが、それも生かすも殺すも本人の自覚次第ということである。

でも、以前に比べたら頑固な部分は変わらないが、少しでもその裏づけ的な自信というのか、信念というものが見えつつあることが分かったので少しだけではあるが安心することが出来た。正直、どうなっているんだろうかと心配で堪らなかったが、本人がどうしたいのか?聞く耳を持っているのか?という点に於いて一抹の不安を持っていたので足が遠退いていたが、もうひと踏ん張りして一皮抜けてくれれば面白い存在の店になるのではなかろうかと思っている。しかし、そうなる為にはまだまだ多くの課題が残されているし、蕎麦にしても追求するのはいいけど、基本的なことがしっかりと出来なければその先はないということも自覚して欲しいし、職人として沢山のことを勉強しながらも経営者としてもしっかり責務を果たさなければならないということを忘れないで欲しい。

敢えて厳しい言い方をすれば、技術の追求だけでは経営は上手くいかないということである。それが本当の意味で分かったときには素晴らしいお店になっているかもしれないね。周りから見たら変わり者・・・としか思われないかもしれないが、一つの壁を乗り越えたときにはそれが違った見方をされるのではなかろうか?そうなることを期待して次なる訪問の時を迎えたいと思う。



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まあ、なんというか・・・仕方がないかな? - 2005年08月08日(月)




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ひと足早い夏休み 今日は娘とデート - 2005年08月07日(日)

今日は昼から娘と二人で出掛けることにした。みなとみらい線の乗り放題の切符を購入し、最初に新高島で下車して最近出来たアミューズメント施設を見てから歩いてランドマークタワーまで行き、続いてクイーンズタワーのショップを見て廻った。天気も良いし久々に臨港パークに行くことにしたのだが、途中にあるぷかり桟橋へ行くとシーバスが目に入り、予定を変更して乗ってみることにした。

みなとみらいから赤レンガに寄って山下公園まで行くのだが、20分近く乗っていたのだろうか、ちょっと波が荒くて怖かったが一つのことを除いては快適な船の旅であった。
それは途中の赤レンガ前から乗って来た団体さんの一人が煙草を吸い始めたのである。前方の席は窓も屋根もあるので禁煙だが、後ろのオープンエアの席は灰皿が置いてあったから喫煙可能なんだね。でも、ほんの10分も我慢できないのかな?それに廻りは小さな子供が多いんだし、煙たがっているのに平然と吸っている。

しかも、ベイブリッジが近付くとでかいカメラを取り出して俺のすぐ横でバシャバシャ撮り始めてるし、マナーってもんがないのかい?タバコも完全禁煙というのは賛同出来ないが、マナーをもう少し守ればもっと愛煙家達も虐げられなくて済むのではなかろうかと思う。どうも見ていてマナーが悪過ぎるんだよね。タバコに限らず携帯電話も然りである。

そんなこんなで山下公園に着くと、なにやらイベントをやっているようでメイン会場では「ショープロレス」が行われていた。お遊び的な内容だが蹴りや殴ったりするのは力が入っているし、目の前で見ると結構な迫力があるもんだね。娘がビビッてしまったのかどうか急に機嫌が悪くなってしまった・・・。

機嫌を直してもらうためにお昼ごはんを食べることにしたが、山下公園付近にはあまり子供と一緒には入れそうでまともなところは少ない。仕方がないので適当なところで済ませて中華街へと向かった。吉本興業がやっているおもしろ水族館へ行くことにしていたのだが、結局入口まで行ったが何故か入らずじまいであった。まあ、一度見ているしあまり興味がわかなかったのかもしれないね。その後、赤レンガ倉庫を見てランドマークタワーへと戻ったが、仲良く手をつないで歩くということは滅多にないし、ゆっくりと話す機会も少ないので、いろいろと聞いてみたかったことなどをぶつけてみた。


父 「大きくなったらポッチーランドに入るの?」
娘 「う~ん・・・微妙・・・」
父 「微妙ってことは入る気はあるの?」
娘 「給料はいくら?」
父 「えっ?・・・」


ちゃっかりもんである・・・。今、西浦和で施工をお願いしいる業者さんは息子さんが入社し勉強中で何とも羨ましい限り。自分自身は父の会社を継がずに別の道に進んだけど、娘には継いで貰いたい・・・って、我侭かもしれないが出来ればそうありたいと思っている。でも、当の本人はいつだったか「美容師になりたい!」なんて言っていたようないなかったような・・・。

二日間の短い夏休みであったが、久々に娘と一緒に過ごすことが出来て嬉しかったね。出来る限りそういう機会を多く取りたいのだが、なかなかそう出来ないもどかしさもあるし、いろいろと・・・である。

















































































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ひと足早い夏休み 初日はいざ鎌倉へ - 2005年08月06日(土)

スケジュールの都合で夏休みは早めに取ることにした。夏休みと言っても今日と明日の二日間だけであるが自分にとっては貴重なる休日である。午前中は仕事があったので実質的には一日半となるが久々に家族と過ごすことにしている。

午後から合流し、まずは大桟橋の屋上へ。オープンカフェで生ビールを一杯!暑かったが心地良い風が吹いているので気分爽快で、もう一杯飲みたかったが次なる目的地での至福のひとときが待っているので我慢ガマン。横浜駅まで戻り電車に乗って次なる目的地の鎌倉へと向かった。丁度ぼんぼり祭りとかという催しをやっていたが、夜だったら綺麗だったかもしれないね。

お参りを済ませてからお気に入りの蕎麦屋さんへ・・・。実は先週も一人出来ていたのである。日記に書いたが至福のひとときを堪能させてもらったのだが、女将さんも「あら?」ってな感じで驚いていたが、2週続けてきたのは10年弱通っていながら初めてのことかな。

昨年の夏に娘と二人出来たが、家族揃ってくるのは本当に久し振りである。一組が待っていたが直ぐに小上りで席へと案内された。6人掛けのテーブルに3人横並びで、向かい側には先客がいるので相席であるが仕方がない。とりあえずビールを頼み、肴は板わさとだし巻きを頼んだ。娘は先にもりを頼んだので蕎麦に夢中になり、いつもは板わさの殆どを食べられてしまうのだが、今日は安泰であった。

だし巻きは一人の時は頼まない。玉子3つも使っているだし巻きを一人で食べたら大変なことになるし、誰かと来たときでないと食べれない。で、一切れだけ貰ったが今日のは美味しかったね。続いて樽酒を頼もうとしたら女将さんは既に察知しており、こちらが口を開けると同時に「樽酒ですね・・・」とパターンを読まれている。次なる肴を頼もうと思い「たこぶつと焼き海苔のどっちがいい?」と娘に聞くと悩んだ挙句に「焼き海苔がいい」とのこと。渋い小学生である。

既に横浜で生ビール一杯飲んでいるし、ほろ酔い加減から酔いが廻るのも早かったね。もう一杯いきたかったのだが、今日はこれまでにして〆の蕎麦はやはり辛味おろしを頂くことにした。この辛さがほろ酔い加減を醒ましてくれそう・・・。蕎麦湯も全部飲み干し、お土産にわらび餅を買って店を後にしたのである。

横浜まで戻って娘と約束していたゲームソフトを買いにショップを廻ったが、てっきり何処でもあると思ったら3軒目で漸く手に入れたのであった。遅い昼飯だったが、蕎麦しか食べていないのでちょっと小腹も空いてきたし、パスタでも作ろうと思い食材を購入し帰宅した。「帆立とサーモンのクリームソース仕立て」と「トマトとブロッコリーとオクラの冷製パスタ」の2種類を作り、結局食べながら缶ビールを2本も飲んじゃいました。
















<大桟橋の屋上からみなとみらいを望む>

流石にここまで暑いとこういう炎天下で寛ぐ人は少ないですね。でも、この心地良さは暑さを吹き飛ばしてくれますよ。



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墨出し・・・現場に描く原寸大の図面 - 2005年08月05日(金)

今日から西浦和のお店が着工した。途中で出店予定の物件が変わりスケジュールが遅れていたのだが、漸く着工を迎えることが出来てホッとしている。タイトルにある「墨出し」というのは現場の床に設計図通りに造作が出来るかどうかを確認する為に線を引いていく作業であるが、昔は「墨壷」という鋳物で出来た瓢箪を半分に割ったような形をしたものを使っていたが、今はプラスチック製のものや、墨ではなくチョークの粉を使ったもので線を引いたりと様々なものが出ている。だから、昔ながらの墨壷に出会うことは殆どなくなったのはちょっと残念でもある。

この墨出しを行い、図面と異なる部分を何処かで調整していくのであるが、これを何処をどのように変更するかをその場で決めなければ現場が進まない。それと図面通りであるが実際に原寸で見た場合に狭く感じたり、調整を迫られる箇所も出て来る。今回の現場は直前まで事務所として使用していたテナントなので、床もクッションフロアというシート状の床材がそのまま残されていたので、その上に墨出しを行うことが出来たので非常に楽であった。通常は解体をして床をはつったり、土間コンを打った後にしか出来ないのであるが、こういうテナントの場合はそれが省けるので工程的にも楽になる。お陰で今日もかなりの箇所を変更や修正しながらもほぼ全体の墨出しが終わった。

この辺の調整が難しいところでもある。意匠にも絡んで来たり、金額的な変更に関わる場合もあるので重要なるポイントでもある。だからこういう作業は例えスタッフがいたとしても完全に任せられる仕事ではない。責任者がその場に立会い、その場で確認が出来れば現場は順調に運ぶことになるし、変更後の図面等の段取りも上手くいくことになる。一部意匠的な部分を変えざる得なかったり、急遽異なる仕様に変えたりもしたが、これはスタッフには任せられないことでもある。

この墨出しをしっかりと行わないと図面通りに造作が出来なかったり、後から納まらないことに気付いたりするというトラブルが発生したりするので非常に重要なる作業の一つである。業者さんによってはこの辺のことを疎かにしてしまい、後々大変なことになったりしたという話しを聞くこともある。

今回は現場の床も綺麗なので途中から厨房区画の中に実際に使う器具の形を原寸で書き出してみた。こうやることでクライアントには実際のオペレーションを現実的に組み立てて貰うことも出来るし、それぞれの機器の大きさや位置を原寸で把握して頂くことが出来る。
















<厨房内の墨出し>

厨房全体をパントリー側から見た原寸図。実際にどの位置に立ってどの作業を行うかとかを把握することが出来る。

















<パントリーの墨出し>

パントリーのサービス機器の配置図の一部。これはホールスタッフがどう動くかをシミュレーションするためのもの。お客様が来店されてからの実際の流れを考えての配置をしている。




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やはりこの人達は勘違いしているのかな? - 2005年08月04日(木)

とあるお店にて食事中での出来事。なにやら騒がしい数人のグループが入って来たが、話しを聞いていると業界関係者らしい・・・。業界と言っても蕎麦ではなくテレビ関係者みたいである。話しの内容も「誰々ちゃんが何とやら・・・」とか業界用語を並べ立てながら店中に響き渡るデカイ声で騒いでいる。ここは決してそういう店ではないので彼らだけが妙に浮いている。しかし、彼らにはそれに気付く術もなく周りの注目を浴びていると大きな勘違いをしている。注目しているのは単に騒がしいから迷惑がって睨みつけているんですよ。

でも、どうしてこういう人達って五月蝿いんだろうか?よくテレビのパロディーでこういう状況をやっていたりするが本当にいるんだね。誇張しているのかと思ったらパロディーそのものという感じであったのには驚かされたが、馬鹿馬鹿しい面白さや呆れて言葉も出ないレベルの内容と様々なる会話を聞くことが出来た。

年齢から見て下っ端の人達だろうけどそういう世界に入って嬉しくて堪らないんだろうね。だから少しづつ声も大きくなり、周りも見えなくなってしまうのかな?



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本気で頑張る「姿」と「意識」とは何か? - 2005年08月03日(水)

これまで手掛けてきたお店の殆どは一生懸命に頑張っていると思う。しかし、まだ頑張りが足りなかったり、もうひと踏ん張りして欲しいお店もある。では、その違いとは何だろうか?それはタイトルにもある本気で頑張る「姿」と「意識」であると思う。

身体がボロボロになるまで蕎麦を打ち続けるご主人、腰痛を我慢して日々頑張るご主人、お客様をより満足させようと多くのスタッフを引っ張るご主人、全身全霊を込めて蕎麦に拘るご主人、若くして開業し立派な経営者になったご主人、他にも皆頑張って商売を続けている。結果はそれぞれ違えどその思いや頑張りには共通するものがある。それはきちんとお客様の方を向いての「商い」をしているという点である。

巷には雑誌に出ただけで天狗になっている愚かなる店も沢山あるけど、自らの力量を過信しては行けない。仕事柄時々そういうお店に行くことがあるけど、蕎麦屋に限らず共通しているのは店主の勘違いがスタッフにも伝わり、店全体にそういう空気が蔓延してしまっているという点である。蕎麦や汁がどうこうと言って食べる人達には問題ないかもしれないが、絶対的多数の一般客には通用しないのである。それを勘違いしているお店が多いのは残念なこと。もっと足元をしっかりと見つめ直さなければ衰退の一途を辿ることになるであろう。

手掛けたお店には雑誌に頻繁に掲載されたりするお店もあるが、そういうところを含めて一度や二度出たくらいで勘違いするような経営者はいない。勿論そうならないで欲しいという願いを込めて店づくりを心掛けているし、それを理解できないような方とは仕事はしない主義でもある。だから手掛けたお店でまだまだ頑張りが足りない経営者は身近に沢山のお手本があるということを忘れないで欲しい。

何の為に商売を続けていくのか?早くそういう基本的にことをしっかりと見い出して欲しい。



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標準営業約款?蕎麦粉7割以上だって? - 2005年08月02日(火)

全国生活衛生営業指導センタ一の指導の下、今秋から麺類店に於いて標準営業約款制度と称した規約が求められることになったようだ。強制加入ではないようだが加入店は優良店舗である証のSマークと呼ばれる標識板を貼り出すことによって消費者へのアピールと共に未加入店である一般飲食店との差別化を図る目的らしい。これまでもクリーニング店や理美容店に於いて導入されているがサービスの向上や信頼度を増す為にはある意味必要なことと理解はしている。しかし、他の2つの業種と飲食業との大きな違いは共に環境衛生業ではあるが「生産」という飲食店のみの行為が存在しているという点である。

クリーニング業も理美容業も技術は必要であるが、そこに物を何らかの素材を使っての生産するという行為は存在しない。蕎麦屋は蕎麦や汁を自らのお店に於いて生産し、それを販売しているということになり、その生産に於ける位置付けを変に規制する規約にはどうなのかなと首を傾げてしまう。そこには隠された問題や課題、それを裏付けるものの不明瞭さなどが沢山存在しているのではなかろうか。


■ 当店は蕎麦粉は7割以上使っています
■ 当店はつゆは自家製である・・・云々


他にも項目が沢山あるので詳細のリンク先は・・・ <標準営業約款制度>


まあ、つゆは殆どのお店が自家製であるだろうが、中にはメーカーにレシピを渡して作らせているお店もある。それはどうなるんだろうか・・・?また、蕎麦粉の含有量が7割以上というのはどうであろうか?蕎麦店の多くは出前を併用している機械打ちである。少なくとも半分以上のお店はそれ以下の蕎麦粉ではなかろうか?いいとこ6割で同割り程度のお店が圧倒的に多いと思う。手打ちの新興店にはまず存在しないだろうが、所謂町のおそば屋さんの絶対数はこういう業態である。

また、含有量6割のお店が嘘をついて7割と申請して公示を受けたとしてもそれを偽りと証明する手立てはないのである。そして、町のおそば屋さんの多くは蕎麦粉とつなぎを混ぜ合わせた状態で仕入れているケースが多いし、そこまで来ると製粉会社の工場まで行って確認をしなければならないことにもなる。しかし、製粉業者さんには良心的なところが自主的に表記しているけど産地表記等の明確なる基準はない。手打ちのお店だって全てが二八や生粉打ちで打っている訳ではない。6割の手打ち蕎麦を出している店だって存在しているので、手打ちだからと言って必ずしもこの基準をクリアしているとは限らない。

そもそも蕎麦粉の含有量の表記が消費者へのアピールであったり、サービスの向上に繋がるとは到底思えない。一部のマニアやオタク系の人達がああだこうだと騒ぐだろうが、一般消費者にとってそういうことは問題ではないのである。絶対数のお店は誰によって支えられてるのか?それは日常的に利用して下さるサラリーマンや近所の人達である。そういう人達が求めているものは何かをしっかりと見極めなければどんどんお客様が逃げて行くことに気付かない。先日のイベントにしても然り。絶対数のお店にとっての活性化には繋がらないのである。規約の中には必要なものもあるけど、この二つの必要性ってどれくらいなのかな?逆にその規格をクリアーしていないところはダメな店と思われてしまうことも懸念しなければならない。一般消費者には7割だろうが5割だろうが、自分が満足する価格で美味しいものを出している店が良い店であり、客として求めている店でもある。

サービスの向上に繋がる手段とはこういうことを明確化するのではなく、他に沢山あると思うけども何故そういうことには目を向けないのか?蕎麦粉が7割入っていれば美味しい蕎麦となり、それ以下ではそうじゃないということにも受け取れる基準であるが、含有量が大切なのではなく、技術的にしっかりとした蕎麦を打ち、飲食店としての最低限のルールを侵すことなく真っ当な商いをすることが大切なのではなかろうか?それこそホールスタッフの怠慢なる無作法をなんとかしたらどうなのかなって思える店が沢山あるけどね。

こういう不明瞭なる規約の為に偽りを行う店は絶対に出て来るだろう。それから、そういう「Sマーク」と呼ばれる標識板を掲げることが本当に消費者へのサービスの向上になると思っていること事態が大きな間違いであり、完全なるお役所的な怠慢な思考である。それだったら保健所と一緒に一軒一軒厨房の中をチェックして廻りなさいと言いたい。ポッチーランドが手掛けたお店はきちんと清掃をしているが、中にはとんでもないお店が沢山あるということを分かっているのかな?ここでは書けないうような不衛生極まりないお店だって沢山あるんだよ。でも、こういう店が前記の基準を満たしてしまえばSマークが交付されることになる。それが消費者にとってプラスか?マイナスか?それ位のことすら分からずに本質的なことを無視しながらのこういう行為は益々消費者離れを招く結果になってしまうんじゃなかろうか?

新興店はどんどん増え続けているが、これまで蕎麦業界を支えてきた町のおそば屋さんの現状はどうなっているのか?そういうお店を何とかしてあげるのが組合であったり、生活衛生営業指導センタ一なのではなかろうか?町のおそば屋さんには現状を打破する為の考え方などをしっかりと持ち合わせているお店は少ないんだよ。何をどうして良いのか分からない中でもがき苦しんでいるということをちゃんと把握して欲しいな。多くのお店はその手立てが分からないというか、蕎麦屋の枠の中でしか物事を見て来ていないから分かる術もないし、残念ながら飲食業の中での地位も低く見られてしまうのである。

その原因としては個々のお店の努力が足りなかったということもあると思うが、この現状を打破する為に必要なる改革が求められていることに気付いている人やお店、企業は多いのだけど一向にそれが改善されないのは何故なのか・・・?これも生活衛生営業指導センターと組合との連携は図られていないような気がするが、こういうことこそしっかりと手を取り合って業界にとって何が一番必要なのかを考えなければならないのではと思う。



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見積りの信憑性がなくなってしまうよ・・・ - 2005年08月01日(月)

今週に着工予定のお店の業者決定が終わった。店舗内装、厨房設備と数パターンの組合せでの選択がが出来るように各社に見積りをお願いしおり、それをいろいろなパターンに置き換えての金額を算出してみたが、最終的にはコスト面だけの判断ではなく他の要素も加味した中での決定とした。

その中で見積り上では一番高かった業者さんが金額を合わせますと言って来た。そこは見積り上で約10%の値引きを起こしていたが、それを更に大幅に下げて来たのである。それで確かに実行予算に近づいたことにはなるが、最初に提出された見積りは一体なんだったのか?通常は設計事務所側で設計変更や仕様変更を起こして金額を調整していくことになるが、それで追い付かない分を出精値引きとして更に調整して実行予算に合わせている。それが設計変更を殆どしない中での大幅なる値引きは正直なところ不信感にも繋がってくる。それじゃ、毎回この金額で出来るのか?またはそういう見積りが何故最初から出て来ないの?申し訳ないけどそこは選択肢の中から最初に外すこととなった。

最初からシビアな見積りを出して下さいとお願いしてあったにも関わらず下請け業者さんから出て来た見積りに自社のマージンを乗せただけのものでは到底承服出来るものではない。それを意識して出した見積りか否かは経験上すぐに分かることである。サラリーマン時代に図面を描きながら頭の中で原価計算が出来上がってしまうことに嫌気が差してしまうこともあったが、これはクリエーターにとって大きなマイナスであるとも思った。勿論コスト意識は必要であるが、設計施工の企業では自社の利益を考えた中での設計が求められてしまうし、そこで無駄な時間をかけての調整をしている暇はないのである。

でも、本当に良いものをつくろうとしたらそういうことを出来る限り頭から外した中で考えていく必要があるし、最低限のことを意識しながらより良いものをという視点から入らないと難しい。最初から予算に合う図面ではその予算なりのものしかつくれないが、予算以上のものを考え、それを如何にイメージを崩さずに予算内に納められるかを追求していくことが必要である。それが予算以上に見えるデザインということである。しかし、企業にとっては時間を如何に掛けずに素早く自社の規定利益を守るスタッフが評価されるが、本当の意味でのクリエーターとしてはどうなのかいつも悩みの種でもあった。だからこういう仕事はサラリーマンには難しいと常々思っていたのである。

話しが少し本題から反れてしまったが、サラリーマン時代も下請けさんからの見積りには厳しい見方をしていた。あきらかにいい加減な出し方をしているところは納得行くまで追求したし排除もしてきた。だから今回のことも、そういう出し方をしている限りは絶対にコストダウンは出来ないし、下請けさんのシビアなるコスト意識や指導をお願いしていたのだが一部の工事業種(設備関連)に関してはどうしても納得出来る範囲を越えつつあった中で、ちょっと引っ掛かっていたので今回はシビアな入札制とした。

他の工事項目に関してはそれほどの差はないけど、設備絡みに関してだけは毎回かなりの開きが出ていた。しかし、それを出精値引きということで処理していたのだが、それではいつまで経ってもホントのコストダウンには繋がらないし、下請け業者さんの意識改革も出来ない。真のコストダウンとは末端の施工業者、下請けさんから変えていかなければ絶対に出来ないと思っている。見積りは要は考え方なのである。これだけ掛かるかな?と思っていればそこから下がることはまず在り得ないが、それをもっと安く出来る方法があるかもしれないという意識があれば少しづつであってもコストダウンに繋がるものと思っている。

うちは設計事務所であり設計施工の業者ではないので、そういうところに比べたらかなりコスト意識は強いと思っているし、シビアに見積りをチェックしている心算である。納得出来ない価格設定に関してはその都度指摘をしていた。通常なら壁はクロスを貼って、床は塩ビタイルを貼り、既製品のテーブルを並べる位の実行予算であっても壁は塗り壁、床はフローリング、オーダー品のテーブルというのが本当にどうしようもない時以外は標準仕様と考えている。他の設備絡みに関しても標準仕様のレベルは高い。よく雑誌とかで坪単価○○万!とかと宣伝している業者さんがあるが、その金額で店がつくれないことはないけどポッチーランドとしての標準仕様との中身が全く異なるのである。だから価格だけで判断するような方との仕事は成立しない。手打ち蕎麦屋に入って「駅前の立ち喰いそば屋は300円だけど、ここは700円だよね。どうして?」って言われても、答える気にもならないのと同じである。根本的な違いが全く分かっていない・・・。

クライアントには何とかして限られた予算の中で出来る限りのことをしてあげたいし、それが出来るのがコスト意識を徹底して突き詰めていくことであると思っている。だからコストに関しては妥協したくないと思っているし、そういう中でこれまでの経験上に於いての大体の予算設定というものが出来上がっているのだが、それが少しづつ難しくなりコストアップに繋がってきている状況を打破する為の今回の措置でもある。

住宅と比べて店舗の工事費が高いと言われているのは、そういうコスト意識が施工業者さんには欠如しているということである。なんで住宅に出来て店舗に出来ないんだろうかが不思議で堪らない。



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