武ニュースDiary

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2006年02月28日(火) |
「青龍偃月刀」無期延期 |
「三国演義」を題材に取った大作が3本、 同時に準備されていると言われていました。 ジョン・ウーの「赤壁の戦い」、 チャン・ツーイーと金城武が共演すると言われている「青龍偃月刀」、 謝晋則が監督(?)の「三国演義」です。 この内、謝晋則がこの話を否定、「青龍偃月刀」も無期延期となり、 「赤壁の戦い」だけが実現する運びになったそうです。 以下、「青龍偃月刀」に関する部分だけを抜き書きします。
台湾の龍祥公司と大陸が合作する「青龍偃月刀」は、 関羽を主役とし、以前、金城武を関羽役に、 チャン・ツーイーを相手役と希望していると伝えられたことがある。
龍祥の社長、王応祥は次のように語った。 金城武には全く接触していないが、チャン・ツーイーには打診を試みた。 だが、チャン・ツーイーが西洋の映画に出演の予定で スケジュールがとれないことがわかった。 龍祥は、もしチャン・ツーイーが出られないのなら、 版権が世界に売れる条件が減るので、無期限延期とした後、 (時機が来たら)この2000万米ドル以上を投資する戦争恋愛映画の撮影を行なう。 (聯合報 2006.2.28)
こうですからね。 ますますこの映画はいいよ、という感じです。 関羽の映画なのに、相手役女優がだめなら撮らないの? チャン・ツーイーとの共演が気に入らないというのは、 なんか、こういう商売の話が先に来る映画のにおいがふんぷんだから。
チャン・ツーイーは「LOVERS」でとても良かったと思うけど、 感情表現では、え? と思う弱いところが何カ所かあって、 それで、再共演がそれほど魅力を覚えないのと、 もう1つがこれですね。 そういう彼女を、外国に売ろうという下心丸出しで どうしても使いたいというような映画なら、期待できませんもの。 どうせ、武もツーイーの(知名度は劣るが)男性版として 所望されてるんだろうなと思えてしまいます。
BBS ネタバレDiary ★ 23:00
今回も大陸のブログから。 学生(女性)ですね。 学校で「如果・愛」を上映したらしいですよ。@@ 「如果・愛」が公開されると、翌日はブログ界に 「如果・愛」旋風が吹き荒れた、と書いている人がいましたが、 いろいろと思いや考えを刺激する映画のようです。 この筆者も映画は面白くないと書いていますが、 それでも触発されていろいろと記すのです。
学校の今回の活動はなかなかよかった。 「如果・愛」を上映して、シャンプーとりんごをくれるというのだから。 映画のストーリーは知っていたし、悪評まで聞いていたけど、 ただでシャンプーとりんごをもらえるのだから、やっぱり行ってしまった。
映画は確かにあまり面白くなかった。 ピーター・チャンはもう才能が底をついちゃったのかしら、 「ラヴソング」の監督とは思えなかった。 でも、金城武はやっぱり素敵だった。
彼はもう長いこと素敵だが、それでもまだあんなに素敵なのだ。 女は年老いてしまうし、男もそう。 なぜ、彼は年をとらないの? こんなに年月が過ぎても、まだ「君のいた永遠」の あの、心をときめかせる男性のままなんですもの。 彼が登場したら、講堂にいた女の子全員が息を呑んだの、 なんて魅力的、そんな男性。
もし、こんな男の人に徹底的に愛されたら、去って行く女の子はいない。 映画の中のジョウ・シュンは去って行った。 だから、映画は嘘なの。
映画の美男子はあんなにも一途だけど、 現実の男はルックスが良かろうが悪かろうが、みんな浮気者。 男性にもひたむきな人はいる、でも女性ほどはいない。 女はほとんどがひたむきよ。 だから監督は、こういう映画を撮って女性に見せて、 一途な女性のやりきれない気持ちを慰めた。 金城武兄さんを連れてきて、10人の男の内、7人は愚か者、 8人は間抜け、9人は悪者でも、 まだ1人は愛すべき人がいると証明したんだわ。
今の女性はそんなに愚かじゃないでしょう。 「チャングムの誓い」で大勢の女性に崇められてる閔大人が、 ここでは不思議な役を演じている。 実は海外市場開拓のためで、ついでに閔大人の支持者を吸い寄せるのです。
「チャングムの誓い」でのチ・ジニの役を考えてみると、 古今を通じて、あんな男はいやしない。 完璧に描きすぎてやりすぎな時もある。 何話か見てわかったのだけど、 閔大人のようなこの上ない好男子は考えるだけでもいけない。 つまりはきれいな石けんの泡なの。 もし、こんな基準で恋人を探したら、 何回生まれ変わったって見つからないでしょう。
それでも、映画を見ていて、やっぱり涙が出た。 金城武がジョウ・シュンを抱きしめたとき、 私は、どうしてだれも私にこんなふうにしてくれないんだろうと ずっと考えていたみたい。 それから、やりきれなくて泣いた。 愛は仮定(如果)のものじゃなくて、結果で見るしかないんだわ。 (不騎掃箒的小腰精 2005.12.20)
BBS ネタバレDiary ★ 23:30
2006年02月26日(日) |
〝金城武結婚〟騒動●追記 |
今日になって、台湾の新聞報道が出ましたね。 様子を見ていましたら、大陸新聞が昨日この話題をとりあげて、 あーあと思っている間に、例のごとくダ~ッと転載が始まりました。 台湾と香港はさすがに慎重で一切触れず、ただファンの間で騒動になっているので 真偽を確かめた上で今日、各紙が載せています。
〝記事〟を落ち着いてみれば、例えば「妊娠1ヵ月」なんて噴飯物の言葉 (これを書いた者が妊娠出産などについて知識のない若者か、 でなければ、ウソだとわざとここで知らせているかどちらか)や、 そんな時期のハネムーンというだけで、ありえない話だと気がつきます。 そして出典の記載のないものは、まずそれを確かめてから語るというのが鉄則で、 わからないときは、それを前提に話さなければなりません。 記していないことをまず怪しむべきです。
でも、海外のファンは若い人が多いので、そこまで考えが行き届かず、 不安をそのまま書きこみ続けて、単なる1ファンサイトへのいたずら書き込みが、 新聞ネタになるまで、ファン自ら広げてしまったということでしょう。 書いた者は期待以上の発展に、今ごろ1人興奮しているかもしれません。
若い人でも冷静な人は、うその可能性が強いことを根拠をあげて論理的に指摘していたし、 日本のファンは全然騒いでいないと、ちゃんと情報をチェックした人もいたけれど、 耳に入らない子が多かったようです。
そうなると、もっともな意見より、不安をあおる書き込みの方が、 根拠も無いのに人の心に訴えかけて広がっていくという様子は、 何にでもあてはまることで、いい教訓だと思います。 あれだけ、ネタをほしがっている港台の芸能マスコミが、 翌日になっても言及さえしなければ、その時点でデマだとわかります。
わざわざとりあげるような話題ではないのですが、事の次第と、 それにこういうことがあったから出てきた武の現況についての 事務所のコメントもありますので、少し紹介しておきます。
金城武〝できちゃった〟婚のニュースに ファンの電話、フーロンに殺到
昨日、大陸のサイトが、金城武がすでに3週間前に 秘密結婚をしたと大々的に報道した。 日本からのニュースとし、さらに謎の新婦は妊娠1カ月と伝えた。 金城武のマネジャー、張漢菁は、これについて問われ、 大笑いして否定した。 「3週間前、金城武は確かに日本にいました。 でも、CM撮影をしていたので、結婚式ではありません」
報道によると、常日頃行動の控えめな金城武は、 3週間前に結婚式を終えたとのこと。 新婦は一般人で、すでに妊娠1カ月、二重のおめでたということになる。 金城武は私的な集まりの席でこのことを披露し、 親しい友人達には秘密を守ってくれるよう頼んだ。 報道ではさらに、金城武はどこで式を行なったかも公にせず、 少人数のささやかな式だったと語っただけだという。
金城武の所属事務所、フーロンのマネジャー張漢菁に確認をとると、 大笑いして、 「ありえません、全くのでたらめです」と述べた。 彼女によると、金城武は最近CMの撮影を終えたばかりで、 「如果・愛」の東南アジアでの宣伝に引き続きたずさわっている。 結婚の報道は、実にありえない話で、 事務所はこの話をどう金城武に伝えたらよいか困るぐらいだ、 こんな馬鹿馬鹿しい噂に彼がコメントをすることはないと 信じている、とのこと。
しかし事務所はすでに大勢の金城武のファンたちから 質問の電話を受けており、興奮して大声で泣く者あり、 すすり泣いて止まらない者あり、 みなパニックになって秘密結婚があったのかどうか知ろうとするため、 事務所も心配して説明に務めているそうだ。
金城武はデビュー以来、行動は控えめで、 日本に進出以降は、何をしているか、さらにわかりにくくなった。 デビュー時に少数の女性スターとの噂があった以外は、 長年ほとんど噂の〝絶縁体〟となっている。 また、どんな噂を書かれようが、彼が自ら直接それに コメントしたことはなく、すべて事務所を通じて否定してきた。
中国人世界のスーパースターたちは、恋愛にしろ結婚にしろ、 簡単には承認しないのが大半である。 昔、ジャッキー・チェンは、いつでも自殺しかねない 日本の女性ファンをなだめるために、 ずっと林鳳嬌との結婚を公にしないできた。 息子の房祖名が成人して初めて2人の婚姻関係を公開した。
アンディ・ラウの長年の噂の相手である朱麗蒨の場合、 結婚して子どもを産んだという話はもっと多い。 だが、アンディは常にユーモアでたくみに話題をそらし、 できるだけプライバシーを保とうとしている。 (聯合報 2006.2.26)
ま、張さんは、「LOVERS」のときに、武はケガをしていないとウソをついてますが。 (仕方なかったけどね)
ネットでデマ 金城武、電撃結婚?
昨日、北京の新浪網の最新ニュースが、 アジア一の美男子金城武がなんと出来婚をしたと伝えた。 この話が広がって、ショックを受けたファンは、 いっせいに金城武の各大手ファンサイトに殺到し、 また、なかには事務所に泣いて電話する者もある始末。 昨日、本誌は多くのルートを通じて台湾、日本、北京の3地方から 裏づけを追及したが、結果は全く根拠のないことがわかった。 武ファンはご安心を!
金城武が3週間前に結婚とネットに
(内容は初めのニュースと同じなので省略) これらは一切ウソであることが事実によって証明された。
フーロン、わけわからず 新浪網は裏をとらず
本誌は日本のウェブサイトをすべてあたり、 また日本特派員に広く当たってもらったが、関連する報道はなかった。 その後、金城武の所属するフーロン事務所に確認を取ると、 事務所は当惑してこのように語った。
「それはありもしない話で、 こんな噂が大々的に言い立てられるなんて!」 「新浪網は非常に大きなサイトじゃないんですか? どうしてこんな嘘の報道ができるんでしょう」 また、ネットニュースには事務所の発言も引かれていたが、 新浪記者からの問い合わせの電話は全然ないとも述べた。
金城武に関する噂は以前から多く、似たような噂も珍しくない。 フーロンははっきりと、金城武は絶対に結婚していないと説明した。 事務所には、昨日朝早くからファンの問い合わせの電話が来ており、 中には、信じられないと泣くファンもいるそうだ。 (自由時報 2006.2.26)
実際、噂をそのままネタにするなんて、フーロンならずとも 信じられないジャーナリズムとしての態度です。 武が何をしているかについての部分をその他の新聞から、以下抜き書き。
ヤオ・イージュン(マネジャー)は、 金城武は現在、日本で仕事中と、次のように語った。 ピーター・チャンのお正月映画「如果・愛」の後は、 まだ新作に取りかかっていない。 目下はいくつかの脚本があり、選択中だが、まもなく決まるはずだ。 ある映画会社が日本の漫画「ブラック・ジャック」の映画版を企画し、 主演に金城武に主演のオファーをしているとの報道については、 否定して、そういう話がどこから出たものか知らない、 そんな話は一切ないと否定した。
先日、金城武はアメリカのCNNテレビの2度目のインタビューを受け、 すべて英語で通して強い印象を与えた。 彼は将来ハリウッドに進出の予定はあるのだろうか? ヤオ・イージュンは、CNNのインタビューで答えていた通り、 ハリウッドを排除するわけではないが、 アジア俳優はハリウッドでは非常に制限があり、 ふさわしい脚本や役でなければ、出演する必要がない、 良い観客でいるのがよいと語った。 (中国時報 2006.2.26)
ヤオさんは、大陸のマスコミは、しょっちゅう芸能人を交通事故にあわせたり、 はては死なせたりしており、 こんなのは珍しいことではないとも言ったそうです。(^^;
ヤオ・イージュンは、自分の理解している金城武は、 秘密結婚をするような人間ではないと言う。 しかし、彼の恋愛面については、 事務所はいつも固く口をつぐんでいるため、 神秘のベールでおおわれているようになるのである。
2002年にドラマ「ゴールデン・ボウル」の宣伝で台湾に戻ったときに、 金城武はこう言ったことがある。 「毎日違う女性と一緒に食事をしているかどうか、否定はしませんよ。 できちゃった婚もありかもしれない」
彼が自分の恋愛を隠す能力が相当高いことは明らかで、 今回の結婚報道が、事実か何者かが捏造したか、 明白なのは彼自身だけであろう。 現在彼は日本で脚本を読んでいる最中で、CM撮影の計画もある。 近況について、ヤオ・イージュンは、「すべて順調」と述べた。 (台湾りんご日報 2006.2.26)
●追記
大陸の記事、1つご紹介しておきますね。 東方早報の記者が昨日、マネジャーの張さんに取材したそうです。
(前略) 張漢菁は、「昨日手がくたびれるほど電話を受けました、 この話を聞いたときは笑ってしまい、 思わず携帯を取り落としてしまいましたよ」と語った。 その後、まじめな話として全くありえないと返答、 「今の記者さんは作り話がどんどん上手になるのね」と述べた。
現在金城武が日本にいるかどうかについては、彼はまだ休暇中なので、 事務所が動向を公開することは出来ないと回答を拒否。 また、彼の今の感情面については、芸能人の私生活は公開できないと述べたが、 すぐ続けて、事務所の理解しているところではと強調した上で、 今はつきあっている相手はいないはずと語った。
本紙は仮定の上での質問として、万一金城武が本当に結婚していたら、 事務所は彼に代わって発表するかどうかと尋ねた。 張漢菁は、それは芸能人の希望による、希望しないなら事務所も話さないと答えた。
最後に張漢菁は記者に対し、 この噂は、事務所は金城武には伝えないつもりだったと言った。 なぜなら、彼にまつわる色々な噂は多すぎて、 事務所がこういったデマを全て彼に伝える必要はないからだ。 ところが、今回のニュースは広がり方が早すぎ、金城武も昨日、目にしてしまった。 MSNで事務所のスタッフと、 「ぼくはいつお婿さんになったの?」と冗談を言っていたとのことである。 (2005.2.26)
今度は休暇中? このあたりの情報は、いつも媒体によってぶれますよね。
BBS ネタバレDiary ★ 12:30
2006年02月25日(土) |
チャン・イーモウと「LOVERS」③ |
これでおしまいです。
青梅煮酒話埋伏――「LOVERS」評③
最も良かったのは、その金城武だ。
金城武という人だが、私は大阪で、ある中国人の女性歌手と知り合ったが、 その若い女性が、以前金城武と仕事をしたことがあった。 彼女は、金城武の一番の特徴を、真面目さと謙虚さだと評していた。 それは、映画から見てとれる。
金城武は、非常に聞き分けのよい俳優のようだ。 映画の初めから、彼の演技は、まるでチャン・イーモウと 以心伝心であるように見える。 そら、賑やかな妓楼と、小妹が〝触る〟シーンで、 映画館中の観客が笑っていたけれど、よくよく見ると、 金城武は実に役に集中し、入り込んで演じている。 この集中は、私の理解するところでは、すなわち監督への信頼と尊重であり、 また、逆に自分の仕事の尊重でもある。 外国人として、チャン・イーモウと素晴らしいコンビを組めるということは、 そのまじめさと謙虚さがなかったら、難しい。
だが、もしそうであるなら、 金城武は自分の点を稼ぐことができたというに過ぎない。 彼がチャン・イーモウに点を上乗せすることのできた原因は、 映画を見た後、つぶさに考えれば、金捕頭が、 この映画で事実上唯一、性格が印象に残る人物だということにある。 金城武は監督の要求を満たすと同時に、 彼自身、この役をはっきりと理解していたのである。
この点は、チャン・イーモウの風格からは、おそらくやや逸脱したものなのだ。 チャン・イーモウの風格とは、俳優は巨大な風景の中の一部分に過ぎず、 美と調和と人物描写は、監督のカメラが決めることで、 俳優がすることではないというものだ。
ところがイーモウは、金城武に対し、ちょっと肩入れをしているところがある。 金捕頭をとらえた画面からは、 監督が俳優と妥協をした痕跡がしばしば見てとれるのだ。 チャン・イーモウと金城武は、 共同でこの人物像を作り上げたのだと言うべきだろう。。
チャン・イーモウは、なぜ自ら金城武を手助けしてやったのか? 風格が全編に影響を与え切れなかったというのが1つの原因である。 もう1つの原因は、多分彼が、 自分自身がかつて演じた蒙天放(「古井戸」の主人公)を 思い出したからではないかと私は思う。
彼、イーモウは、そのとき、監督に対し、もっと徹底的に反抗していた。 ――あるいは、あの香港の監督など眼中になかったと言ってもいい。 今、しっかりした自分の考えを持つ金捕頭が目の前に現われたとき、 もしかしたら、イーモウの心には 優れた者同士が持つ共感のようなものがあったのではなかろうか。
この、互いに優れた似た者同士の尊重という点において、 彼に5点を加えるべきとなる。
実は、チャン・イーモウはもっと高い点数をとれたのである。 だがいかんせん、彼はあの理想の彼女を手に入れることができなかった。 尾っぽの禿げた鶏のような結末を見れば、 一瞬、チャン・イーモウの心中のあの痛みが感じとれる。 ひょっとして、彼は身を切り捨ててでも、 不満足なもので埋めることは、よしとしなかったのかもしれない。
もし、大姐の代役を立てることができたなら、 映画の後半部分はもっとずっと素晴らしいものになったかもしれない。
このあわただしいラストは、チャン・イーモウの永遠の追悼ではないだろうか。 心がきゅっと痛む。永遠のアニタ・ムイよ!
(「LOVERS」に出演するはずだった大姐アニタ・ムイは、 病が重く撮影に参加できないままなくなったと言われている。 アニタ・ムイを失い、チャン・イーモウは、 きっぱりと脚本を書き換えて彼女がやるはずだった役を捨て、 代役を置かないことで、アニタ・ムイへの心からの追悼を表した。 もしかすると、この報道がアニタファンである私に、 より良い点数をチャン・イーモウにつけさせたのかもしれない (薩蘇的BLOG 2006.2.17)
BBS ネタバレDiary ★ 06650
2006年02月24日(金) |
チャン・イーモウと「LOVERS」② |
青梅煮酒話埋伏――「LOVERS」評②
「LOVERS」の主役たちを、もし評価するとしたら、 チャン・ツーイーは一番評価がしやすい。 つまり、普通、なのだ。 チャン・ツーイーには彼女なりの独自の長所があると感じるが、 しかし、資質としては、決して天成の優れた演技者ではない。 役柄の理解はもちろん、演技についても、充分でないところがある。 チャン・ツーイーが一番優れているところは、真面目に演じているということだ。
彼女が、常に、真に厳しい訓練を経てきた名人達と 共演してきたことを忘れてはならない。 みたところ、チャン・ツーイーは非常に努力しており、 その集中振りが、ある程度彼女の演技の欠点を補っている。 チャン・イーモウの作品で、チャン・ツーイーは基本的に すべて〝普通の出来〟――高くもなく、 低くもないという評価をもらうことができる。 これはおそらく、チャンのデビューが早すぎて、 訓練が不足していることに関係があるだろう。 きっと1、2年の内に、演技はもっと伸びると思う。
チャン・ツーイーの〝脱ぐ〟芝居について言うと、 小生は笑ってしまう。 チャンが〝脱ぐ〟のは、そのセクシーさの表現というよりは、 勇敢さの表現と言ったほうがいい。 思わず無鉄砲という言葉が連想されてしまう。 動作も大きく、〝怖い〟といったほうがいいのを見ると、 彼女は芸能界では、比較的真面目な娘なのかもしれないと推測する。
アンディ・ラウは実にいたましい。 この役は、全く彼の得意とするところと違うのだ。 アンディはあらゆる技を使って一生懸命やっているが、 チャン・イーモウの感覚を遠くつかむことができていない様子が見える。 小生の評価はあまり高くない。不合格である。 芝居の中で劉捕頭は小妹の感覚をつかむことができなかったが、 芝居の外でも劉(ラウ)天王は、 チャン監督の肝心な部分をつかむことができなかったように見える。
アンディは、正義の士をやるのに慣れており、 この全身邪気のかたまりを演じると、1つ1つ、どこかがいつも変なのだ。 彼自身、多分そういう感じがしたのだろう、 だからわざと極悪非道で陰険狡猾な顔つきを作り出してみたが、 いかんせん、これは彼の得手とするところではない。 個人的には、もしアンディ・ラウと金城武の役を取り替えたなら、 アンディは充分に演じきると思う。
この劉捕頭の役は初めと終わりでは落差が大きすぎる。 まじめに演じたら多分、気が変になるだろう。 といっていいかげんに演じようとしても、 これは全編の最大のキーとなる役なのだから、実に難しい。 アンディがどうしたらよいかわからなかったのも無理はない。 誰が代わっても、うまく演じられるかどうかはわからない。
おそらく一番いいやり方は、うまく演じようとしないことだろう。 監督の要求に従ってきちんと演じればそれでいいのだ。 アンディは優れた俳優として、ぬいぐるみの操り人形になることに適応できず、 このきわめて難しい位置にあって、イーモウを手伝おうといつも思っていた。 イーモウの方も、おそらくアンディをあまりコントロールすることはできず、 その結果、手伝えば手伝うほど忙しくなる、 といった感じになってしまったわけだ。 (続く) (薩蘇的BLOG 2006.2.17)
BBS ネタバレDiary ★ 0:00
2006年02月23日(木) |
チャン・イーモウと「LOVERS」 |
「如果・愛」のプロモで訪れたマレーシアでも、雑誌の取材を受けています。 「Vmagazine」のページを見せていただいたので、 それをご紹介しようと思っていましたが、 大陸のブログでチャン・イーモウと「LOVERS」についての 面白い文章を見つけましたので、これを先にすることにしました。 長いので、2、3回に分けます。ちょっと見方が変わるかも。 (もちろん金城武のことも出てきます)
青梅煮酒話埋伏――「LOVERS」評
「LOVERS」を見たときは、台風の真っ最中で、 だから映画と情景がだぶっていた。 映画を見終わって考えたのは、 もしチャン・イーモウに点を付けるなら、80点だということだ。 充分高い点である。 もし、この映画を他の人間が撮ったのなら、40点だって与えないだろう。
この映画で最も耐え難いのは、ストーリーである。 でたらめでスキだらけ、論理的に混乱があり、見られたものではない。 しかし、ひょっとして忘れられているかもしれないが、 チャン・イーモウは昔から優れたストーリーテラーではなかったのだ。 彼の映画は一貫してストーリーを語りたがらないし、下手でもある―― 「紅いコーリャン」は優れたストーリーだっただろうか? 物語という点から見ると、完全に破綻していた、が、賞を得た。
長所を生かし、短所を補うのがうまい人もいるが、 チャン・イーモウはそういう人間ではない。 彼は「LOVERS」で、自分がまさにあの、大学入試で、文学では100点、 数学は0点を取り、もう一度挑戦した別の大学の入試でも やっぱり文学100点、数学0点だった、 歴史家のウー・ハンのような人間なのだと告げているのである。
文学50点、数学50点だったら、私でも取れる。
チャン・イーモウは、人物描写を、事件でもなく、エピソードでもなく、 カメラを通して見る者に深い印象を与える。 言い換えると、彼の映画は理性や思考を犠牲にし、 視覚的効果を用いて、観客の感覚に直接刺激を与えるのだ! 優れた共産党員だった焦裕禄とはどんな人だったかと尋ねれば、 彼に会ったことのある人なら、 30分だってしゃべってくれることができるだろう。 金捕頭はどんな人かと尋ねたら、1枚のスチール写真があれば、充分だ。
もし、あまり手間ひまかけたくないのなら、 カメラの目と一緒になって見てみれば、 「LOVERS」が大変素晴らしい映画だと感じとれるかもしれない。
私は数学者の陳景潤さんとお隣さん同士だったことがある。 頭のいい人がどのくらい〝おばかさん〟か、よく知っている。 だが、陳景潤はほんものの〝おばかさん〟だった。 チャン・イーモウは完全なばかではない。 彼は物語の一貫性や信頼性を投げ打ってしまう。 物語の内容に必要なだけのフィルムを費やすのを避けるために。 この必要量は、ストーリーの観点からは必須だが、 しかしチャン・イーモウの視覚世界の構築を壊してしまう。 こういうとき、彼はむしろ理性を犠牲にするのだ。
もし、チャン・イーモウは「LOVERS」によって 観客の感覚を視覚効果で直撃することを試みたと言うのなら、 成功したかどうかは、言うのが非常に難しい。 東洋の観客は理性的だから。 西洋にはこの種の映画は早くからあった。 しかし、「LOVERS」ほど極端ではないが、例えば……「デスペラード」だ。
「LOVERS」は商業映画と言うべきだろうが、イーモウは目をつぶって、 ちょっとばかり芸術的なものを無理やり入れてしまった。 これは例えば、脱税者が希望プロジェクト (国内の貧しい子どもの勉学を援助するプロジェクト) にお金を出したり、 清廉な官吏が二号さんを囲ったり、 ヤクザの親分が義憤に燃えて人助けしたりするようなのと同じ、 全くの荒唐無稽である。 だが、今の世の中では、何かを反映していると言えなくもない。
それこそ、なぜセットや小道具がかくも美しく作られているか、 また吹雪の出現が完全に季節を無視しうるかの理由である。
こうして、「LOVERS」は、一種の狂った、何にも通じない論理と、 人が圧倒されため息を付くような狂おしい映像を出現させた。 私は、「LOVERS」のあるシーンは映画界の古典となるだろうと思う。
私はかつて、「HERO」でチャン・イーモウは死んだと考えたが、 「LOVERS」を見て、それは間違っていたかもしれないと思った。 発展を続ける人間は、誰でも必ず自分自身の原則を持っている。 チャン・イーモウは「LOVERS」でその原則をしっかり保ち、 かつ「HERO」から一歩前進した。 「HERO」のような大作を練習台にするなどとは、 イーモウは全く度が過ぎた奴だ。 「LOVERS」だってこやつの練習台かもしれない。 確かなことはわからないが、 どのみち、誰かが高い金を出して彼に映画を撮らせるのだ。
1人の監督が、自己の風格と原則を打ち出した作品を撮れれば、 それで合格であり、60点分にもなる。 「LOVERS」はその美しさにおいて、 これまでのチャン・イーモウの作品を超えている。 それゆえ、風格を守りつつ、更にそれを超えたことで、10点をプラスして70点。
「HERO」は相当ひどい反応を受けた。 チャン・イーモウの、周りを黙殺し、反抗する精神に、 もう5点あげることができる。 しかし、この点はこれ以上増やすのは非常に難しい。 というのは、チャン・イーモウが物語を語れない欠点、 あるいはストーリーと画面を統括できない欠点は、 彼の作品に一種バランスの悪さをもたらしているからだ。 これはあるいはチャン・イーモウ自身、 改めることのできない弱点かもしれない。
だが、私の評点では、あと5点増やすべきだろう。 この5点は金城武と関係がある。(続く) (薩蘇的BLOG 2006.2.17)
ここに出てくる優れた数学者の陳景潤は、ある日、買い物に出かけましたが、 帰ってからおつりの足りないのに気がつきました。 そこで、彼はまたバスに乗り、足りないおつりをもらいに行ったということです。 数学に詳しいのに、往復のバス代を使ってわずかなつり銭を 取り戻しに行く損得計算はできなかったんですね。
この文章のタイトルの意味はわかりません。
BBS ネタバレDiary ★ 2:50
2006年02月20日(月) |
大陸ファンの見た金馬奨・武●Sexiest Men |
去年の金馬奨を見た大陸のファンの言葉。 1本目は男性で、ブログではなかったと思います。 (たまに出所記録し忘れて保存してしまう)
金馬奨ブルーカーペットに金城武、オオトリで登場
一番重要な人物が最後に登場するというきまりがある。 もし、2人大物がいれば、1人がトップを飾り、1人が最後を決める。 (2つを比較すれば、トリの方が比重が高い) わざとそうしたのか、それともたまたま上手い具合にそうなったのか、 金城武はファンをそれは長いこと待たせた挙句、最後に姿を現わした。
前回、金馬奨に参加したときには、彼は明らかに少し緊張していた。 今回は、ファンは見て判ったと思うが――緊張は少し減り、 しかし前よりもずっと興奮気味だった。 このような大きな儀式において緊張するのは、まったく正常な反応で、 緊張も1つの良い状態と言える。 あまりリラックスしすぎるのはかえって不遜に映る。
2人の〝小金城武〟が前後して登場した。 チェン・ボーリンは、今回一番のクールなヘアスタイルで、 一番可愛い田中麗奈をエスコートし、トップに登場した。 チェン・ボーリンが金城武に一番似ていないところは唇が分厚いことで、 もしこれがもう少し薄くなれるなら、顔の幼さが少し減り、 もう少しかっこよくもなるかもしれない。
ラン・ジェンロンは別の人物の彼女と一緒に登場した。 2人は間を空けて別々に歩き、いささかぎこちなかった。 それに、2人の金城武は、どちらも〝超〟ハンサムだが、 ラン・ジェンロンの方は〝普通の〟ハンサムだ。 だが、まさにそこが彼の有利な点であって、 映画の役柄選択の余地がより多い。 実力派をめざすべきで、そうすればおそらく、 もっと長くやっていけるだろう。
本物の金城武は最後に現われた。 その一挙一動から、わかるのは、 彼は超級美男だというだけではないことだ。 性格もまた超級に愛すべきなのである。
1 小さなことにこだわらない
武が車から降りて最初にしたのは、腰をかがめ、靴下を直すことだった。 大スターが大事な(しかも正式な)場所に登場して、 最初にしたことがこれなのだ。 実に自然であり、少しもわざとらしくない。 非常に気さくでもある。
2 親しみやすく気さく
武は早足で歩いたが、自分が連れの邱復生の存在を 霞ませてしまっているのに気づき、彼を自分のそばに引き寄せた…… 武の歩く速度はとても速いが、絶えず注意してスピードを落とし、 遅めの邱復生に合わせて歩いていた。 大変気さくで、協力的で、それが彼の控えめで 1人こもりがちな性格に対する、一種の健康的な補いとなっている。
3 率直さ
司会者が「如果・愛」はいつ公開かとたずねた。 金城武はすぐさま「来年」と言ったあとで「今年の末」と言い直した。 ちょっとボケたところがある。
4 子どもっぽさ
おそろしく背の高い司会者と握手をするとき、 武は「高いですねえ」という手の動きをした。 その意味は「ぼくよりこんなに高いんだ!」ということだ。 本当に子どもっぽく、率直で自然、また親しみやすい。 一陣の春風が会場を吹きぬけたかのようだった。 それに比べ、他の大スター達は明らかにもっと冷ややかだった。
まじめな話、金城武はこんなにも控えめで、マスコミやファンに迎合、 あるいは好かれようとすることなど全くないのに、 様々なマスコミやファンは依然として彼を実によく立て、 変わらずに支持し続けているのは、まさに奇跡である。 あふれる愛を一身に受けた天の寵児の名に恥じない。
ジェイ・チョウの〝ツッパリ〟、チェン・ボーリンの〝ぎこちなさ〟、 アーロン・クォックの〝如才なさ〟、チャン・チェンの〝傲慢〟…… 金城武は誰とも違う。 (2005.11.14)
これも大陸の書き手です。 金馬奨が好きで、昨年秋、ネットで見たスター達の様子について、 いろいろとコメントが続いた中に、金城武についても出てきました。
金城武! 初めて映画以外の金城武を見た。 神様、金城武ってこんな人だったんだ! かっこよくて、子どもみたいで、甘えん坊で、 北京語もあんなにちゃんとしてて、ああ…… (沈黙的表示 2006.11.19)
(芝居をしていない)金城武を初めて見たら、 けっこうショック(いい意味で)だと思います。 自分はどうだったろうと、思い出してしまいました。
●Sexiest Men Alive
海外サイトで教えてもらったのですが、 アメリカ一の新聞USA TODAYの「最もセクシーな男」に武がいます。 [ここ]の15のところです。 この企画の位置づけは、サイトを見てもよくわからないのですが、 どなたかお分かりになったら教えて下さい。
BBS ネタバレDiary ★ 1:30
しばらく何事も起こらないかもしれないので、 中国の観客の言葉をポツポツと紹介していってみようと思います。 海外のニュースやサイトを見ている限り、 金城武の活躍と受け入れられ方には、なんの寂しくなるところもないのです。
これは、金城武本人を見たことのある男性の話です。
1番〝電力〟を持っているのはトニー・レオンの目だと言う人がいる。 ぼくは、その人は金城武の実物を見たことがないに違いないと思う。 このことについて、台湾の司会者小Sも 「康熙来了」で話していたことがある。 金城武が15メートルの距離にいたら、 視線と全注意力をそちらに持っていかれてしまうような 〝吸引力〟があると。
金城武は2回、見たことがある。 1回目は在学中で、北京映画学院の天堂映画館でのことだ。 そのとき、彼はある映画の宣伝に来ていた。 その映画の監督が金城武を紹介して、彼が登場したとき、 場内を埋めた映画学院の学生が一斉に〝感嘆〟の声をあげた。
北京映画学院という、全中国でも1番の美男美女と自負する 学生が集まってきている場所ですよ、 そこで全員を感心させため息をつかせたのは金城武だけだ。 その後、アーロン・クォックと王力宏が共演の映画が 映画学院に宣伝で来たときも、こんなことはなかった。 だから、ぼくの金城武の第1印象は、〝完璧な美男〟だったのだ。
2回目に出会ったのは、上海で行われた あるイベントの手伝いに行っていたときだ。 金城武とぼくとの距離が15メートルになったとき、 僕は本当に引き寄せるような力が、 ぼくの視線と全注意力を根こそぎ持っていこうとするのを感じた。 ぼくはミーハーではないし、性的傾向にも何ら問題はない。 だが、彼と近くで出会ったら、本当に引き付けられてしまった。 本当に、あらゆる者の注意力を引き寄せてしまう〝宇宙人〟だ。
イベント終了後のパーティーで、彼と少し話してわかったのだが、 彼は口下手で、身振り手振りの方が、言葉よりずっと正確なのだった。 ぼくは、彼が口下手だということこそが、 あの特別な雰囲気を作り上げたのではないかと思っている。
ある日本の女の子とおしゃべりしたとき、 スターでは誰が1番好きかという話になったら、 その子は「木村拓哉」とか「滝沢秀明」なんていうのは全然口にせず、 金城武だと答えた。 まだ名古屋の中学に通っていた頃、 学校には金城武が大好きな女の子が大勢いたという。 男子でさえ、「不夜城」の金城武の服装やキャラを真似していたそうだ。 あらゆる中国人の中では、金城武が1番の美男だとぼくは思う。 (公爵aln的BLOG 2006.2.11)
15日付Diaryの譚飛のブログと同じ日に、 金像奨の結果について、同じ趣旨のことを書いている人がいます。
シャーリーズ・セロンはオスカーをとるために、 苦心惨憺して太って下品でがさつになった。 彼女のそのひたむきさは、ついにオスカーの審査委員の心を打ち、 彼女は望み通り、その笑顔よりももっとまぶしく輝く 最優秀主演女優賞のトロフィーを手にした。
アーロン・クォックは、昔からの明るい健康的な 好男子のイメージを打ち破り、 「三岔口」で汚れ落ちぶれた警官を演じて、 大方の予想を裏切り、その停滞した芸能生活を打破するトロフィーを得た。
金城武の「如果・愛」での演技は優秀で、役への入り込み方も尋常ではなく、 恐るべき表現力を見せたが、 今まで通り美男のイメージからは抜け出ていないからというので、 金像奨は受賞のチャンスさえ彼に与えなかった。
国内外を問わず、賞には奇妙といえばこの上なく奇怪なルールがあり、 イメージの良い役では、受賞のチャンスは絶対ないのである。 だから、国内外の各種映画賞を目指す多くの俳優達は、 奇怪な姿をもっともっとと求める賞のために、イメージを壊さねばならない。
トム・ハンクスが「フォレスト・ガンプ」でオスカーを獲得して以来、 各国各地の男優たちは、知恵遅れ役に目を向け始めた (なぜか彼らが支援のためのセンターに寄付するのは見たことがないが)。 韓国の「マラソン」しかり、香港の「情義両心知」しかり。
実は、知恵遅れの演技はやりやすい。 うつろな目、無表情、手足の動きが協調せず、とつとつとした話し方で 自分が5歳のまま大人になった様子を想像すればそれらしく見える。 それに比べ、金城武の「如果・愛」での時空を行き交う役は、 愛も恨みも傷も痛みもそのきわみだ。 目は絶えずこれらを演じわけねばならない。 演技の難度は果たして何倍になるのか、わからないくらいである。
特に、初めて老孫(ラオスン)に再会したとき。 内心は驚きと興奮でいっぱいだが、表面は逆に冷ややかで礼儀正しい。 老孫と2人きりでいるときの、 表面はバカにしたように笑いながら血を流している心。 一分一寸の狂いもなく的確で矛盾がない。 それに……いや、残念だ、これ以上何を言ったらいいかわからない。
だが、水瓶が天秤を支えている彼は幸運児だ、 必ずや、晴れ晴れと意気揚がる機会がやってくるだろう。 見るがいい、この自己に忠実で、才能あり、努力家の人間は、 〝花瓶〟ではないのである。 (alien的BLOG 2006.2.10)
BBS ネタバレDiary ★ 15:20
2006年02月16日(木) |
「如果・愛」を見て(ブログより)●JAAキャラクター終了 |
「如果・愛」で金城武が金像奨にノミネートされなかったのが 残念に思えたのは、やっぱり実際に見て、彼がとても良かったから。 英文サイトで、彼はオーバーアクトじゃない、と書いてた人がいたけれど、 確かにそう。 それなのに、林見東のシーンを見ると、今も泣けてくるんです。 深い悲しみが伝わってくるんです。
そして、この映画が成功するには、林見東というキャラクターの成功が不可欠だったと思う。 だって、捨てた男が10年間も自分のことを思い続けて、また現れるなんて、 女としてみたら、やっぱりストーカーっぽいと思いません? ちょっと不気味ですよね。 でも、そう思わせたらだめ。 映画の林見東は、それどころか、不思議だけど観客の共感を呼ぶキャラクターになっていて、 愛ってなんだろうと思わせる、象徴的で、普遍的な話になり得ていた。 このことは、本当にすごいことだと思うんです。 「如果・愛」が11部門にノミネートできる優れた作品だと認めたのなら、 その要の役の演技が認められなければ、だからおかしいのです。 それなのに、11もノミネートされて、ただ1つ、 主演男優賞が外されていたというのは、やっぱり不自然です。 それ以上突っ込む気持ちはありませんが。
ところで、中国でもブログは大人気。 その中で、「如果・愛」の一般の人の評判もうかがえます。 中から若い女性のものを2つほど。
今日、姉と妹たちと一緒に映画を見に行ったんですよ~ 途中、「無極」と「如果・愛」のどちらを見ようかと、 ああでもない、こうでもないとさんざん考えまくって、 でも、映画館に着いて、宇宙スーパー無敵ハンサムの金城武を見たら、 私もチャン・ドンゴン兄さんに、 やむなくすみませんというしかなかったの~
始まって、もう、すぐ、ずっと「素敵! 素敵!」と叫び続けてました! 何やっても全部かっこいい! 陶器の人形みたいにきれいと言っても言いすぎじゃないと思った。 神様! 男の人がこんなにきれいだなんて、何て大きな罪なんでしょう。 何回輪廻で生まれ変わる苦労を積んだら、ここまでたどりつけるのかしら。 本人を一目見られたら、最高だろうな!
映画も良かったと思った。 わかりにくくもなかった。 公開になったばかりのとき、わかりにくいなんて 言っている人がいたのを思い出したけど、私めは不思議です! どうしたら、わからないなんてことがあるの? きっと教育程度のあまり高くない人にインタビューしたんじゃない?
画面はとってもきれいで、音楽も素晴らしかった。 見終わって後に何も残らないなんてこと、全然なくて、 ものすごく考えさせられたわよ。
3人の主役はかわいそうな人ばかり。 1人は愛を追いかけて自分を見失ってしまうし、 1人は名声と利益を追いかけて愛をなくしてしまう。 もう1人はほんとに普通の人で、これといったものを持ってなくて。 みんなほんとにいる人みたい。
もちろん、私が1番同情して、1番好きだったのは、金城武が演じた林見東。 金城武だからというだけじゃないの。 彼の心に刻まれた、深い深い愛のせい。 裏切られて10年たってもまだあんなに愛し続ける男なんて、 ここ何年も、めったにお目にかかれないでしょう?。¥
私は2カ所で泣いてしまったけど、両方とも林見東に泣いた。 彼が何度も水の中で身をよじり、涙を流すのを見たら、 胸がつぶれそうだった。 こんな男の人って、あまりに悲壮な生き方よね!
映画を見てから今までずっと、映画のシーンが頭の中から離れない。 今日、私はすべての愛を金城武にささげます。 夢を見るなら彼の夢をみたい! ハハ、私、ほんとにどうかしてる! (阿神免的芭比的幸福BLOG 2006.12.17)
まず何よりも、この映画を見た感想を書きたい。 つまり、金城武はやっぱり、とってもとっても素敵だったということを。 本当に息の根を止められそうなくらい。
金城武が登場すると、もう映画館中の女の子がわあっと言った。 「かっこいい!」 暗いから隣の席の男の人の顔はよく見えなかったけど、 もし私だったら、きっと最高に憂鬱になってたと思う。 金城武が泣くと、隣の友達がすぐ言った。 「もし、あんな素敵な恋人がいたら 絶対捨てて泣かせたり、別れたりなんかしないわ」
監督も、女性観客の心理をよくわかっていた。 この素敵な男性を、カメラがしっかりとらえて 静止する場面が特に多かったのだ。 女の子たちは次々に携帯をとりだして、 スクリーンに向けてバシバシ撮っていた。 もし金城武が大好きなら、この映画を見に行ってね! (自言自語 2005.12.17)
●JAAさん、ありがとう 武さん、お疲れさま
JAAのCMキャラクターがとうとうおしまいになったのは、 やっぱり寂しいし、ショック感はあります。 あまりに馴染みすぎていましたからね。 8年も続いたことのほうが異例で、それだけ、 他には考えられないほどぴったりのキャラクターだったということでしょうが。 双方、合意の上で、区切りをつけたのだと思います。
個人的には、1月に乗っていてよかった……。 1999年、JAAの新聞の広告を切り抜いてセロファンでくるみ、 机の横の壁に貼って、金城武の故郷という、ただそれだけの理由で、 「めざすぞ! 台湾」と心の内で叫んでいたときから、 以後、7回、台湾に行きました。 すべて、迷いなくJAAで(高かったけど……)。 JAAに乗るということ自体が喜びの1つだったんですね。
本当に、金城武が台湾のイメージを変えたと言っても言い過ぎではないと思う。 ろくろく知らない、ただバナナや、おじさんたちの旅行先のイメージから、 親しみあるけどかっこいい、憧れの旅行先に変えたんですもの。 政治家にもできないことをなしとげましたよね。
すごく寂しいけど、嘆くより、なぜ8年も続いたのか(ほんとにこれはすごいよ)、 その功績の方を考えましょう。 日本のCMがなくなったりして、悲観的にとらえがちなのもわかるけど、 客観的に見れば、武はずっとステップアップし続けてる。 日本でだって、これだけ露出してないのに、いまだにランキングに名前が上がるなんて、 これもやっぱり相当すごいことだと思う。 私は将来には楽観的です♪
BBS ネタバレDiary ★ 0:50
2006年02月15日(水) |
別の差別(金像奨関連) |
11日に触れた、譚飛さんのブログの記事です。
金像奨が金城武をノミネートしなかったのは〝別種の差別〟
金城武は、今この時代を表す顔のひとつである。 美しさもクールさも、凡俗をはるかに超越している。 ぼくは、ある女性記者が金城武に肩をたたかれて、 興奮のあまり、しどろもどろになっているのを見たことがある ――彼女にたとえ恋人がいようと、彼女にはわかっている。 帰って「金城武とぶつかった」と吹聴しても、 彼が焼きもちを焼くことは決してないだろうと。 彼も他の男たちも、金城武と顔の良さや魅力を競ったり、 どちらが早く女の心を射止めるか比べようなどという考えは、 はなから捨てている。
天津の美人記者、小丁が発明した面白い新語「色女郎」を 厚かましく盗用させていただこう。 なぜなら、大勢の女の子が「如果・愛」を見に押しかけたのは、 みな、金城武という、この〝生まれながらの美形〟を 鑑賞するためだったからだ。 この点において、男どもがミシェル・リーや ニコール・キッドマンを見に行列するのと何ら変わりはない。
色女郎とは、則天武后のことではなく、 21世紀の男好きの若い女性を指す。 この言葉は非常にユニークで、豊かな時代の特徴を持っており、 私が〝こっそりいただいている言葉〟の基準を満たしている。
だが、美女が〝天も羨む美人〟であるのに対し、 〝色女郎〟が賛美する美男の運命は、すなわち〝男花瓶〟(飾り物の男)だ。 金城武はデビュー以来今日に至るまで、芸能界から〝飾り物〟にされてきた。 この飾り物は、まだ栄国府前の石の獅子ほどではなく、 皇宮中の絶品・景泰藍というところだろう―― 「これは大金をかけ、海路で取り寄せた品でございます」と 解説されるのにぴったりの。
それゆえ、金城武が「如果・愛」に誠心誠意取り組んで、 これを自分の芸能キャリアの 新たなスタート地点としたいと願ったときに、 香港電影金像奨は無情にも彼にこう告げたのだった、 「すまんが、君はまだだ」と。
賞がすべてを表すわけでは決してないが、 それにしても今回のノミネート落選は実に残念なできごとだった。 ぼくには金城武の無念がわかる。 チャン監督の惜しみ哀しむ気持ちはもっとわかる。 なぜなら、彼は金城武がこの映画に 非常に多くのものを注ぎ込んだのをよく知っているから。 「如果・愛」の、金城武にとっての意味を深く理解しているから。
金城武がノミネートされなかった真の理由を口にする者はいない。 「如果・愛」はあんなに多くの部門でノミネートされたのに、 彼はその11分の1にさえなれなかったのだ。 それはただ彼がきれいな男だからなのか?
金城武の歩んできた芸能生活を振り返れば、 1歩1歩確実な足跡を刻んで前進してきている。 「如果・愛」での演技は、新しい高みに達したものだとぼくは思う。 すでに役と自分自身とが渾然一体となっているのだ。
「如果・愛」を見た者なら、 彼の映画の中での目の演技が深く心に残るはずである。 場をさらってしまう力のかくも強いジョウ・シュンと相対して、 金城武の演技は充分に力強く 、時空の転換にともなう役柄の演じ分けは自然で滞りがない。 目はなめらかにグラデーションのように変化する。 たびたび登場するジョウ・シュンとのシーンでは、激情があふれ、 観客は男女関係なく、胸がどきどきさせられる。
もし、〝美しさ〟が金城武が金像奨にノミネートされなかった 理由なら、ぼくは声を大にして異を唱えたい。 これは一種の差別であると。 世間では〝醜さ〟に対して一般的に差別があるのに対し、 映画賞にあっては〝美〟へのある種の排斥が存在しているように見える。
このような〝別の差別〟のもとで、 イ・ヨンエはしとやかな美しさに別れを告げ、 復讐の女神を演じることによって初めて大きな賞を獲得した。 セシリア・チャンは〝母親にな〟らなければ、 主演女優賞をとることはできなかったし、 アーロン・クォックが主演男優賞を取るには、 「三岔口」の硬骨漢を演じることが必要だった。 金城武の場合、何年何月になったら修行の成果が現われるのか、 なおのこと不明である。 ひょっとして、顔に刀傷をつけるとか、あるいは乞食役をやるとか……?
いずれにせよ、この種の評価の論理は、 美は醜に変じ、あるいは老いさらばえることなしには、 あるいは誰でもあばた面に変身しなければ、 審査員達はその恩恵を与えようとはしないということだ。
こうした評価の基準には、実は優れた身体条件の俳優に対する 巨大な偏見が存在している。 ほとんど全ての映画賞が、性格俳優に与えられる傾向があり、 若さ、端正、美貌は、賞の反義語と決まっているかのようだ。
アンディ・ラウが出演映画100作目を目前にして、 ようやく主演男優賞を手にしたとき、支離滅裂になりながらこう言った。 「私は以前は賞をいただけませんでした。 きれいすぎると言われました。 今、やっと演技ができることを証明できました」 アンディ・ラウの真情の吐露は、実は授賞基準に対し 彼がずっと抱いていた暗いしこりの反映でもある。
私は以前、原島大地という少年を推薦して、 「新不了情」でセシリア・チャンと共演させたが、 当時、セシリアがイメージチェンジして母親役を演じたがったのは、 金像奨を狙ったからだと言われていた。 果たしてその年、セシリアは この映画で金像奨の主演女優賞を手にしている。
もしも審査員達が本当に俳優の演技の中身など重視せず、 タイプの違う役に喜んで手を染めて、 イメージを壊して汚れ役を演じたかどうかということしか 見ないのだとしたら、 そういう賞は「ご苦労さま」賞と呼んだほうがいい。 このような選考の仕方では、自縄自縛に陥るだろう。
容姿と演技が反義語でないのは明らかだ。 ぼくは大きな声で言う、 俳優の容姿が優れているからということで、その演技を軽視したり、 はては差別したりしてはならないと。
容姿が決してずばぬけてはいない俳優は、 自分の演技がかくかくしかじか優れているという話になると、 いつも「神様は公平です」と、くどくど言いたがるものだ。 そういう人が実に多い。 この言葉には、 「あの人達はかっこいいでしょう、綺麗でしょう、でも演技はまるでダメ」 というセリフが隠れているのである。 こうした意識がもし絶えず強められ、進化し続けると、 一種の集合意識、いや、意思にまで変化する。
私は、最後にこんな情景を目にすることになるのを最も恐れるものだ―― 金城武が80歳になり、 とうとう香港電影金像奨の終身功労賞をもらうことになる。 というのも、そのころになってようやく審査員達が、 彼がしわくちゃになり、目も力を失って、演技ができるようになり始めた、 と認めたからである。 金城武への授賞の言葉はこうである。
「金城武さんは半世紀以上にわたり、 非常に多くの素晴らしい役を作り上げ、 絶えず私たちの美しさへの認識を改めさせてきました。 一生涯をかけて、かっこよさという言葉を解き明かしました。 この賞を特別に授与し、励ましとします」
これを聞いた金城武の目からは、 きっときらきら光る老いの涙の粒がこぼれ落ちるに違いない。 (譚飛 2006年2月10日)
BBS ネタバレDiary ★ 1:25
2006年02月11日(土) |
「如果・愛」の話題ほか |
「如果・愛」バレンタインデーにカーテンコール
2月9日に「如果・愛」の配給元から得た情報では、 すでに上映期間が2カ月を越えたお正月恋愛大作「如果・愛」が、 2月14日のバレンタインデーをカーテンコールの日として幕を閉じるとのことだ。
中影星美映画館チェーンが最近行った「1番見たい映画」コンクールで、 すでに上映期間が11週間を越えた「如果・愛」がネット投票で第2位となった。 大作がお正月シーズンに集中して、 バレンタインデーの新作が手薄になってしまっているため、 「如果・愛」が香港の電影金像奨で11部門でノミネートされたばかりの余勢を駆って、 2月14日を完璧なカーテンコールの日とすることにしたもの。 実に賢い。 (瀋陽日報 2006.2.10)
「如果・愛」 映画人の評価
「如果・愛」の中国・香港映画界での評判について、 中国の譚飛(タン・フェイ)という著名な映画評論家が、 12月にですが、自分のブログで書いています。
初のロマンティック恋愛大作の名作「如果・愛」は現在ヒット上映中だが、 評判も興行成績も好調であると同時に、 このアカデミー賞香港地区代表の正月映画第1弾作品は、 多くの映画人の注目をも集めている。 シュー・ジンレイ(女優)が自分のブログで、この映画の感想を詳しく書いただけでなく、 「可可西里」で人気を獲得した映画界の新鋭監督、陸川も、 「新周刊」誌が開催した2005年度〝新人賞〟授賞式の席上で、 「如果・愛」が好きで高く評価していることを公にしている。
陸川は、授賞式では年度映画賞のプレゼンターを務めたが、 女性司会者が陸川に今年はどんな映画を見たかと尋ねたところ、こう答えた。 「一昨日『如果・愛』を見ましたが、見ながらちょっと泣いてしまいました。 学生達が一緒に火鍋を食べながら、映画を語る、あのシーンが、 今でもありありと目に浮かびます。 私は若い友人達に電話をして、映画を見に行くように、 成功しても初恋の男を捨てちゃダメだぞと言いました」 陸川は、大勢の人にこの映画を薦めているが、 それは「本当に感動的」だからだとのことだ。
また、香港のアンソニー・ウォン、杜汶澤ら映画人も「如果・愛」をかなり高く評価し、 、この映画が誠実な中国語映画であることは確実で、 必ず香港映画史上の古典となるだろうと語っている。 (譚飛 2005.12.16)
この人は、最近、金城武が金像奨のノミネートから洩れたことについても書いていますが、 長いので、後で改めてご紹介したいと思います。
さて、これは何でしょう?

架空の国を舞台にしたファンタジー小説? 新刊予告です。 これはTKじゃないかっ~~?? と、見つけた外国のファンが IMdbのサイトで、たずねているのですが、 上のリンクからそのサイトに飛んでみてください。 色は違うが衣装といい、モデルはそうですよね? これが表紙だったら、この本、ほしいな。
BBS ネタバレDiary ★ 12:50
2006年02月09日(木) |
香港金像奨ノミネート発表 |
香港の金像奨のノミネートが昨日、発表になりました。 事前にあまり騒がれなかったけど、私はひそかに期待しておりました…… しかーし、5人のノミネート者の内にも入らなかったなんて。 納得行きませんが、監督が代わりに言ってくれてましたので、 そちらをしつこくご紹介して、涙は腹の内に収めたいと思います。 いずれも関連箇所のみ抜き書きです。 あ、「如果・愛」そのものは、11部門でノミネートです。
香港の新聞から。
ピーター・チャン「ジョウ・シュンは及第というだけ」
ピーター・チャンは喜んだが、その後、残念さをも語った。 「金城武のこの映画での演技は、全出演者の中でも最良のものだった。 私はジョウ・シュンにこう言ったことがある。 監督の私にしろ、主演女優の彼女にしろ、出来は及第というに過ぎない。 最も良かったのは金城武だと。 だから、彼がノミネートされなかったのは、私にとって非常に残念なことだ!」 (大公報 2006.2.9)
大陸でも記事が出ています。
昨日午後、第25回香港電影金像奨のノミネート名簿が正式に発表された。 今回の金像奨は激しい争奪戦といってよい。 ピーター・チャン監督の「如果・愛」は大人気で、 「七剣」と並んで11部門にノミネートされたが、 「七剣」が技術奨に偏っているのに比べ、 「如果・愛」のノミネート部門は明らかにもっと重みがある。 この他、「黒社会」と「頭文字D」という去年のヒット作品も それぞれ10部門でノミネートされた。
「如果・愛」はノミネート可能なほとんどの部門でノミネートを獲得したが、 〝影帝〟(最優秀主演男優賞)に金城武の名は見当たらず、いささか残念である。 昨日、ピーター・チャンを取材した際、彼は率直に金城武のために不満を述べた。 (中略) ピーター・チャンは、今回11部門にノミネートされたことに対しては非常に冷静だ。
「私は『君さえいれば』から『ラヴソング』、『スリー』に至るまで、 毎回、ノミネートされるとなったら、みな11部門だった。 だが、それがどうだというんだ? 『君さえいれば』はその年、アニタ・ユンが受賞しただけだったし、 『スリー』ときたら1つも取れなかった。 そして『ラヴソング』は9部門受賞だった。 だから、ノミネートじゃわからない、結果を予測するのは難しい。 私はもうすでに全力を尽くしたとしか言えない。 評価して賞を与えるのは他の人間のすることで、私の思い通りにはならない」
ジョウ・シュンが主演女優賞にノミネートされたことについては、 彼女のために非常に喜び、勝算は高いと考えている。 「内地の俳優が香港の金像奨で受賞する機会は少ない。 ジョウ・シュンにはチャン・ツーイ―に続いて第2の内地女優の 〝影后〟になってほしいと思う」
ただし、金城武が〝影帝〟にノミネートされなかったことについては、 ピーター・チャンは大いに不満だ。 「実は、この映画における私とジョウ・シュンの出来栄えは、 どちらも合格と言えるレベルに過ぎない。 ところが金城武は、我々に非常な驚きと喜びを与えてくれた。 だから、我々が彼を除くその他の11の個人賞とスタッフ賞で ノミネートされたのは、いささか恥ずかしいくらいだ。 金城武が落ちたのは、最大の無念だよ」
彼は昨日、第一報に接するや、 すぐに金城武に電話をかけたが、通じなかった。 「ノミネートされなかったのに、 なぜそのことをわざわざ知らせなくちゃならないんですか」とたずねると、 チャンはそうは思わないとこう語った。
「授賞はすっきり説明出来ることじゃないし、 選出委員の好みというのもわかりにくい。 しかし、金城武が優れていることは、 我々撮影に携わった者全員が口をそろえて賞賛している。 私は必ず彼と電話で話して、関係ない、 君はぼくらの心中では最高なんだと伝えてやりたい」 (新聞晨報 2006.2.9)
ピーター・チャン 「むしろ金城武1人がノミネートされた方がよかった。 一番ほしいのは最優秀編集賞」
「如果・愛」は「七剣」と共にそれぞれ11の最多部門でノミネートされたが、 ピーター・チャンに電話でお祝いを述べると、 彼はそのことで興奮する様子は少しもなかった。 「実際に受賞したら感想を言うよ……実は、私はこの11部門を、 金城武の最優秀主演男優賞にむしろ取り替えたい。 彼がノミネートされなかったのは、私にとって一番残念なことだ」
一番ほしいのは「最優秀編集賞」
11部門のノミネートに特別な縁があるようだ。 ピーター・チャンは、「ラヴソング」「君さえいれば」「スリー」が、 いずれも11部門でノミネートされたのを覚えている。 「だが結果は全然違う。 『ラヴソング』は9つの賞を取った。 『君さえいれば』は主演女優賞だけだったし、『スリー』は1つも取っていない。 だから、もし今回,11部門でどれ1つ取れなくても、私は気にしないよ。 それに、映画の撮影でも興行成績のことでも、すでに死ぬほど疲れているのに、 また賞獲得で自分にプレッシャーをかける必要なんかないよ」
11部門の内で、ピーター・チャンが一番希望しているのは、なんと編集賞だ。 「最優秀編集奨は、普通アクション映画に与えられる。 実は文芸映画のほうが編集は難しいんだ。 ゆっくりした動作のシーンであるほど、難しくなる。 『ラヴソング』は11部門にノミネートされたのに、編集賞だけはされなかった。 今回「如果・愛」が編集賞にノミネートされたからには、 もちろん、この賞をもらえることを1番望んでいるさ」
1番望むのは金城武の受賞
だが、この11部門ノミネートそっちのけで、 ピーター・チャンが1番見たいのは金城武が認められることなのだ。
「彼がノミネートされなかったのが、私は一番残念だ。 『如果・愛』撮影中、私はジョウ・シュンにいつも言っていた。 私は監督として、彼女は主演女優として、いずれも及第点をとっただけだ。 だが金城武はこの映画で1番いいと」
むしろ彼1人がノミネートされた方が良かったと、ピーター・チャンは言う。 「本当に『如果・愛』が好きで、この映画を理解した人が 1番評価するのは、決まって金城武なんだ」
また、ジョウ・シュンが、 香港映画評論学会で最優秀女優賞を獲得したのに続いて、 金像奨でも最優秀主演女優賞にノミネートされたことについては、 「ジョウ・シュンももちろん素晴らしい演技だ。 彼女の演技は割に人にほめられやすいから、審査委員はわかりやすいんだ。 たとえ『如果・愛』を完全に理解できなくてもね」(後略) (東方早報 2006.2.9)
11もノミネートされたのに、要の男優賞が入らなかったとあっては、 監督としても、非常に満足していただけに一言言わねばとなるでしょう。 また、とにかくジョウ・シュンはノミネートされたのだから、 相当なことを言ってもOKという部分はあるだろうし。 しかし、本心だとは思います。 私は初め、心の中で泣いておりましたが、監督のこれらの言葉で、 真価を知る人にここまで言われるんだったら、いいかなと思い始めました。 武は多分、賞より監督の言葉のほうがうれしいのじゃないかと思います。 (秋は今度こそ、金馬奨だし!)
BBS ネタバレDiary ★ 23:50
CNN「Talk Asia」、ネットで見せていただきましたが、m(_ _)m 長かったですね~♪ いや、もっともっと聞いていたいですが、それでも嬉しいです。
現金なもので、1度見て意味がわかると、次からは、 通訳さんいらない、武の声を聞きたいと、わがままになってしまいます。
台湾でもニュースに出ました。 台湾ではこんなふうに報道されています。↓ 東森では完全版を字幕で放映したようです。
金城武CNNインタビュー、今晩放送
金城武は2度、国際的権威あるメディアCNNのインタビューを受け、 流暢な英語能力を展開してみせたほか、 チャン・イーモウがよく話をする監督だということを明かしたりしたが、 彼がアジアから正式に欧米市場に打って出る力のあることもまた見てとれた。
金城武は1999年、ハリウッドのアニメーション「ターザン」の中国語、 広東語、日本語の3カ国語の吹き替えをしたことでmCNNの取材を受けている。 今回、CNNの番組「Talk Asia」が金城武のインタビューを行い、 彼が台湾の歌手から出発して国際映画界に進出するまでの全貌を伝えた。 「Talk Asia」は以前、チャン・イーモウ、ジェット・リー、 チョウ・ユンファ、Rainなどのアジアの有名芸能人のインタビューを行っている。
金城武のマネジャー、張漢菁は、次のように話している。 この番組は、一昨年、「LOVERS」の宣伝期間中に、 インタビューを熱心にオファーしてきたことがある。 残念ながらスケジュールが合わず、昨年末、「如果・愛」のプロモーションが 香港で行われた際、ようやく実現したもの。 番組のキャスターは、金城武がアイドル歌手からプロの俳優になる過程に かなり興味を示していた。 金城武は流暢な英語で、「ウォン・カーウァイの映画に出演して、 自分にとって演技が非常に面白いことに気づき、 俳優に専念することに決めた」と答えている。
キャスターの見た金城武は、ややシャイだが、 スクリーンでは大きな魅力のある俳優。 金城武はチャン・イーモウ、ウォン・カーウァイ、ピーター・チャンといった 著名な監督との仕事の経験もまた楽しく語った。 このインタビューは、今日放映され、 香港、インド、オーストラリア、日本で見ることができる。 (聯合報 2006.2.4)
英語で完全インタビュー 金城武、CNNに2度の登場
台湾で生まれ育ち、デビューするやたちまち台湾の四小天王に列せられた 金城武は、あらゆる仕事の機会をとらえて、 自分自身の本当の興味がどこにあるかを探し当てた。
金城武「演技がとても面白いもので、映画を作ることはとても面白いと知りました」
ウォン・カーウァイは脚本を使わない。 怒るシーン(や泣くシーン)だと、20回、30回もNGが出されるなどということもあり、 金城武は演技することを好きになり始めた。そして俳優に専念する決心をした。 その後、チャン・イーモウと仕事をし、夢がまた1つかなった。
金城武「彼の話すのを聞いていると、まるで映画を見ているようでした。 物語を語るのがすごく上手なんです」
最近人気の「芸妓回想録(SAYURI)」の話になると、 彼はアジア人にとって誇らしいけれども、 やはり芸者役は日本語を話せるといいと思うと言った。 ハリウッドに進出する計画はあるかとの問いには、このように答えている。
「どちらかといえば、ハリウッドの観客でいたい。出演するよりも」
1999年に彼はCNNのインタビューを受けている。 今回は全てを流暢な英語でインタビューに答え、 国際スターらしさを見せ付けただけでなく、CNNの記者を大いに賛嘆させた。 (蕃薯新聞 2006.3.4)
「SAYURI」についての意見のところ、本当は「日本人としては」と言ってるんですね、 日本の物語をとりあげて世界の人に見せるということではすごいことだけど、 でも、日本人が日本語で演じる方が見たいと。 (同時通訳の入らないものを、Dolphinさんのところで見せていただきました。2.5追記) 今日出た新浪網の記事でも、 「2回も登場した初めての華人」と書いてます。 ついでに「SAYURIは、ハリウッドの見方で作られてしまう」という言葉を 足しています。 通訳で、ダンサーにハリウッドからも呼んだと言っていたのは、 ボリウッドですね? それをインドから、ともう1度言い直してる。
流暢な英語でインタビューに答える 金城武「ハリウッドではアジア人俳優には制限が多い」
無限の魅力を持つ金城武はアジア全域で人気がある。 「如果・愛」はオスカー外国語映画賞ノミネートは果たさなかったとはいえ、 彼の素晴らしい外見は、すでに広く国際マスコミの注意を引いている。 アメリカの有線テレビニュースネットCNNは、彼を2度インタビューした。 彼は全て流暢な英語で答え、自分の考えを正確に伝えるとともに、 俳優となったきっかけを語り、CNNのキャスターは驚くことしきりであった。
金城武の2005年の成績表は見事であった。 アメリカの「Newsweek」は彼が国際スターとなると予言、 CNNは現在、アジアの有名人のために特に開設した番組「Talk Asia」で 大きな影響力を持つ中国人を報道する中で、 金城武に2回目のインタビューを行った。
初め、CNNのキャスターは、金城武の台湾日本混血という背景に大変関心を持ち、 金城武もこのように答えた。 「子どものころは台湾にいて、台湾人はぼくを日本人だと言いました。 日本の学校に通うようになると、クラスメートはぼくを台湾人だと言う。 以前は自分が一体何人か理解するのがとても難しかったんです」
歌謡界に入り、彼は自分がどういう位置にあるのか、戸惑っていたときがある。 結局歌手なのか、俳優なのか、あるいはモデルなのか? だから、どの仕事をするときも、いつも努力してそれを探ろうとしていた。 「恋する惑星」に出演した時、ウォン:カーウァイ監督に影響を受けたことで、 歌をやめ、俳優に専念することに決めた。 なんと、10年あまり後には、彼は国際スターとなり、台湾の誇りともなったのだ。 また、彼の流暢な映画は、CNNのキャスターを非常に驚かせた。
インタビュー中、金城武は、出演した「如果・愛」の中の心の変化を 詳しく、明晰に述べている。 この、ジャッキー・チュン、ジョウ・シュン、チ・ジニといった 大スターを集めた映画で、彼はすみきった演技を披露している。 水中で涙を流すシーンは、監督を大変驚かせた。 この作品はアジアのスターが集結したが、 みな非常に優れた演者だったと金城武は語る。 俳優だけでなく、スタッフも大変優秀な者ばかりで、 ミュージカルシーンに出られたのは、光栄であり、 大がかりなダンスシーンには、非常に感動したという。
このような大スターのオーラを持っているのだから、 世間は、ハリウッド進出の準備を進めているかどうか、好奇心がわく。 意外にも、彼は、今のところ、まだそのつもりはないと答えた。 ハリウッドでアジアの俳優が演じられる役は限られているというのだ。 また日本人が日本語で演じる「芸妓回想録(SAYURI)」をむしろ見たいとも話した。 多くのアジアスターが、ハリウッド進出イコール国際スターへの道と考えているが、 金城武は我が道をゆく。 それは、世界の映画界に対し、彼が他とは違う証明したということでもある。
インタビューの間中、彼は流暢な英語をあやつり、CNNのキャスターを驚かせた。 ファンがインタビューの内容全部を見たければ、 東森新聞による今日午後の完全報道をご覧下さい。 (東森新聞網 2-006.2.4)
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