umityanの日記
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僕たち、とっちゃん坊や達、5人衆の旅が終わった。最初から最後までハプニングの連続。だから旅は面白い。ただし、何ら事故がない場合でのことだが。
旅していつも思うこと。行く先々での、人々の力強い生活感だ。バイタリティー溢れた彼らの姿は、並々ならぬ生への執着を感じさせる。今の日本人に欠けていることかもしれない。
先日、のび太君と、ねずみ男君が撮った写真をパソコンへ取り込んだ。眺めてはひとり笑いをしている今日この頃だ。やっと、日記を完成させ、10部ばかり製本して、メンバー達に渡そうと思っている。写真がカラーだから、結構、金がかかったぜ。
てなわけで、今、僕ジャイアンは、腑抜け状態。何をやっても、力が入らない。仕事だけは、おまんまの食い上げにならないように、ぼちぼちやっている。
そうそう、一昨日、一足早い忘年会をやった。旅へ行けなかったドラえもん君と、夜泣きじいさんの計らいである。のび太君、ねずみ男君、ジャイアンの三名をいれて5名が参加。旅のあれこれを聞きたかったのだろう。おまけに、ねずみ男君が、近々誕生日だという。ついでと言ってはなんだが、一緒に祝ったしだいである。
会場は、紳士のび太君行きつけの、「さかな市場」という店。千三百円で飲み放題。もち、2時間限度だ。ワインを数本と焼酎、ビールで、魚類を喰らう。各人酩酊。二次会は、近くの、かわいこちゃんのいる店へ。カラオケを歌う。ライバル、ねずみ男君に負けまいと、ジャイアンが二曲披露。コスモスと神田川。「わおーーーーん、72点と78点だあー」。ねずみ君は、得意の「時、代遅れ、ハートブレイク」を歌った。なんと、79点。ジャイアンの負けだ。彼の誕生日とあらば、僕も、このくらいで、抑えておかなくちゃあー彼に悪いぜ。まあ、負け惜しみではあるが・・・・。
ところで、聴衆はいかに?。皆、だべってばかりで歌を聴いていない。紳士、のび太君は珍しく、気に入ったらしい、やまんば風、雪女に、ご執心のようだ。まいったぜ・・。ドラえもん君と夜泣きじいさんは、「ポカーン」と口を開け、何を考えているか判断できず。気をはいるのは、ねずみ男君一人だ。歌で、ジャイアンに勝ったことで、満面の笑みだ。まあいいだろう。かわいこちゃん達は、そんな彼らのご機嫌とりで歌どころではない。歌の最後に、割れんばかりに偽りの拍手が。やんなっちゃうぜ。
さあーー、10月も後半。残すところ2ヶ月ちょっとで平成24年が終わる。。いずれ今年の反省をしなくてはなるまい。善か悪か?。優、良、可、不可のいずれか?。まだ、判断は早いか。
2012年10月17日(水) |
続、旅日記(25 完) |
とっちゃん坊や達は、シャトルバス乗り場まで急いだ。すでに到着していた。おやーーつ、一人姿が見えない。スネ夫君だ。どうも用を足しに行ったようだ。彼を残してバスは出発した。日本だから迷子にはなるまい。携帯で、JR駅で待つ旨、伝える。地下鉄を経由してJR駅に降り立つ。ここでも、電車はすでに待機していた。スムーズな流れだ。即、飛び乗った。スネ夫君の姿は見えなかった。座席は結構、すいていた。座席の一方を回転させ4人掛けにした。やれやれだ。
もう1時間弱で故郷の駅へ到着する。旅の初めに起きた列車事故が嘘のようだ。僕たちは、あれこれとだべっていると、車掌さんが入ってきた。「乗車券を拝見します」という。即、用意して差し出すと、「ここの席は座席指定でございます。自由席は○○号車です」と言う。僕、ジャイアンが、「指定席でも空いてりゃ、座っていいんじゃないの?」と問うと、「この列車はそうではありません」とのこと。ほかの乗客は冷ややかな視線でこの様子を眺めていた。結構、恥ずかしいぜ。
我々は、荷物を引きずり、別の車両に移り始めたとき、車両と車両の間に設けられている出入り口の横に、小さな小部屋があった。3人程度は座れそうだ。扉がついていて、座ると首から上がガラス張りで見える。「ここに座ろうや」と、ねずみ男君がいう。僕たちはその言葉に従った。と、その時、のび太君が、「この部屋は、赤ちゃんが、おしめを替える部屋なんだよ」と言う。「そうなの。最近はサービスがいいなあーーー」と、ジャイアンが応え、赤ちゃんはいそうもなかったので、三人が座ることにした。
一番奥に、のび太君、真ん中に、ジャイアン、その横に、ねずみ男君だ。一休さんは、「どうぞ、ご自由に」と言わんばかりに外で待機。三人が腰かけ、ガラス張りの扉を閉めると、あたかも生首が三本、さらしてあるあるように見える。「にこっ」と笑いでもすると、気持ち悪いこと限りなし。通りがかった人が好奇なな目で見ていた。そこまではよかった。僕、ジャイアンが、おならを出したい衝動に駆られた。思い切って、「ぶーーーつ」とやると、「おいおい、やめてくれよ」と、のび太君が言う。「ごめん、ごめん」と謝るやいなや、隣の、ねずみ男君が連鎖反応で、「ぶーーっ。むにゅ、むにゅ」と、おならをこいた。「まさか、実まで飛び出したんじゃなかろうな?」と、僕たちは扉を開き、一斉に外へでた。「どうも食ったものがいけなかったらしい」と、ねずみ男君は笑いながら言った。実は大丈夫だったようだ。おまけに無味無臭だ。何ら被害なし。その後は部屋に入らじ。とんだハプニングだった。
故郷の駅へ到着した。見慣れた風景が目に優しい。「スネ夫君はどうしたかな?」と思っていると、なんと、首にタオルをかけ、草履姿で、てくてくと階段を降りてきた。どうも、自由席にいたらしい。見事5人合流だ。とっちゃん坊や達は、旅の完遂を喜び合った。よかった。よかった。さあーー、後はわが家へ帰るだけ。
のび太君は従業員さんが車で迎えに来るとのこと。僕、ジャイアン、ねずみ男君、スネ夫君の3名はタクシーで。一休さんは女房が車で迎えにくるらしい。ただし、当駅ではなく、隣の駅とのこと。なんとなれば、「長靴姿の探検家風スタイルの男が、わが亭主です」と、人の多い、この場所でさらしたくなかったのだろう。
とりもなおさず。とっちゃん坊や達の旅もこれで完結だ。あえて、行先を明示しなかった。読む人が読めば、容易に想像がつくだろうから。誤字、脱字、記憶違い等を含めて、だらだらと文を書いてきた。また、一応、了解を得、写真等も取り込み、かつ。皆の名を、ニックネームの表示にしたことを悪しからず、ご了承ください。仲良し、とっちゃん坊や達の旅、次はいかなる旅が待っているか、今から楽しみである。なお、今回は登場しなかったが、次回は、ドラえもん君や、夜泣き爺さんにも参加してもらいたいと願っている。(完)
とっちゃん坊や達は年甲斐もなく、我先にと、搭乗口の前列に並び、「どどーーつ」と座席へ、なだれ込んだ。慌てなくても席は逃げないのに。座席は中間よりちょっと後ろで、横一列に座れた。三人掛けは左側の窓際に一休さん、真ん中にのび太クン、通路側にジャイアン、右側は通路側に、ねずみ男君、その横にスネ夫君だ。結構混んでいた。ほかのメンバー達とはもう、離れ離れ。二度と会うこともないだろう。ただ、カメラに収めた写真だけが思い出を語ってくれるだろう。さらば友たちよ。さらばこの地よ。
機に乗った途端、急に眠くなった。首を前に垂れて眠りの体制に入った。機はまだ飛び立たない。時間調整をしているのだろう。しばらくして、サインとアナウンスが流れた。いよいよだ。寝ぼけ眼でいると、アテンダントのお姉さまたちが機内を巡回。シートベルト装着の有無を確認していた。ネズミ男君、シートベルト装着を指摘されること常のごとし。「あいたたあーーー忘れていた」と顔を赤らめた。
飛行機は順調に飛び立った。しばらく上昇して、水平飛行に移った。シートベルト装着のサインが消えたが、僕はそのままにしておいた。いちいち、外すのが面倒だからだ。皆、うとうととしていたが、どれくらいの時間が経ったのだろう。にわかに通路が忙しくなり、例によって、「しとしとぴっちゃん、しとぴつちゃん。ガタごと、ガタごと」と荷車を引く音が。機内食の時間だ。そういえば昼飯を食べていなかったなあーー。空腹でもあるし、そうでもない。まあ、食べておくかと、弁当を受け取った。一休さんだけは「ノー・サンキュウー」と、受け取りを拒否。断食続行か?。食事はきれいに平らげた。
2時間足らずで、飛行機は見慣れた母国の上空に達した。着陸態勢に入った。いよいよ到着か?。もう皆の頭の中は、「我が家に何も変わったことはなかっただろうか?」と、心配が先行している。顔も現実から超現実に変わった。だらーーーーんとした顔から引き締まった、よそ行きの顔へ。カメレオンみたいだぜ。人のことばかりは言えない。ジャイアンとて同様。
機は滑るように滑走路に着陸した。皆、慌てること、慌てること。即、ボックスから荷物をおろし、いち早く降りる体制をとった。慌てない、慌てない。田舎者の、とっちゃん坊や達は気が短くて困る。僕たちは名残惜しそうに、アテンダントのお姉さまたちに、「にこっ」と笑顔を見せ、タラップを歩き、出口へ向かった。
空を見上げた。曇りだ。空気がきれいに感じられた。空はどもまでも続いている。我々人間は、いろんな場所から。そんな空を眺める。あちらの空の下では、日ごろ会うことのない、いろんな人たちが生きている。なんだか、生きていることに対して畏敬の念を感じる。日本に着いた安堵感が、ふと、そんなことを思わせた。
税関に到着。記入したペーパーを渡す。「荷物はこれだけですか?」と聞かれた。「はい、そうです」と応える。機内持ち込み可のバッグだから小さい。のび太君は大型のトランク。預けたトランクがなかなか出てこない。一番最後に、やっと出てきた。係員にトランク開示を求められた。相当にトランクが重くなっていたので、開けるのも、引きずるのも大変だ。教訓・・・。できるだけ荷物は小さいほうが良い。といことは買い物も、衝動買いを極力、避けるべきか?。
てなわけで。皆、関所を通過し、ロビーに集合。これからシャトルバスに乗り国内線へ向かう。地下鉄に乗り、JRで、故郷の駅に降り立つという寸法だ。
「思えば遠くへ来たもんだ。これからどこまで行くのやらあーーーー?」。そうか、故郷へ帰るんだったっけ。皆、味わうのが最後となる恐怖のバスに揺られて、飛行場まで行った。案内人さんは中へ入れない。搭乗までの最後の説明があり、我々は名残押しそうに握手して別れた。「もう、使わないや」と、残った現地貨幣を案内人さんへプレゼントした。
さあ、後は我々のみで、出国しなければならない。聞いていた場所に並び、まずは搭乗券の入手だ。その前に税関のゴールデンゲートで荷物の検査があった。僕以下、3名位は難なく通過。のび太君のみが特別室へ呼ばれ、荷物の中身を見られた。麻雀パイと、高価な硯石が引っかかったようだ。荷物から取り出され、さらに別室で、その品の検査を受けたらしい。「僕、ジャイアンに待ってってよ」というので、しばらく近くで待機していた。
なかなか戻ってこない。心配になりかけたころ、苦虫をつぶしたような表情で彼が出てきた。没収に至らずよかったぜ。恐らく麻雀パイについては、麻薬が隠されていないかの検査と、象牙ではないかの検査だろう。硯石は国外持ち出し禁止の国宝級の品ではないかとの疑念が持たれたのだろう。二つとも見事クリアー。当然といえば当然だ。
さあーーー、次はいかなる試練が待っているやら。僕たちは搭乗券を入手し、再び人物検査と荷物検査に及んだ。三名は無事にクリアー。僕、ジャイアンとスネ夫君が引っかかった。僕は荷物の中を見られた。どうも、土産品店で商品を購入した時、商品のサービスとしてもらったクリーム瓶に液体が入っていると認識されたようだ。係員は瓶のラベル等を見て、首を縦に振った。「よし」というサインか?。そこまでは良かったが、今度は別の係員が僕に、「上着、上着、ポケット、ポケット」と言う。何かと思ったら出し忘れていたライターが1個、ポケットから出てきた。差し出すと、係員は「ぽーーーん」と、かごの中へ放物線を描くように投げ入れた。手慣れたものだ。やんなっちゃうぜ。片や、スネ夫君もライターを没収されたようだ。いかにも悔しそうな表情をしていた。いやあーーーー、実に厳しいぜ。
やっと、皆、搭乗ロビーに集合。搭乗案内まで30分程度しかない。僕たちは搭乗口近くの椅子に腰かけて待つことにした。しばらくすると、場内アナウンスが。「まだ到着便が着いていません。案内までもうしばらくお待ちください」と言う。どうも、他の便も遅れているようだ。「僕たちは「えええーーーつ、またか」と、ため息だ。
行きも帰りも、待たされる。「仕方なかっぺ」と、メンバーたちは免税売店の探索に出かけた。僕と、スネ夫君は売店の真向かいにある喫茶店に入った。レモンティーを注文。会計に及んでびっくり。一人650円だ。「わおーーーつ」。喫茶店を出た時、アナウンスがあった。「搭乗便の出発予定は○○時になります」と言う。まだ、1時間以上は待たねばならない。僕たちは、呆れ顔で椅子に腰を下ろした。やけのやんぱちで、缶ビールを購入。皆、一気に飲み干した。まずい。もう一缶。
退屈していた時、一休さんの横に、4才か5才くらいの男の子を連れた母親が座った。その子供が一休さんの顔を見るや否や、「キャーーキャー」と喜び、そばに、はべってきた。一休さんも、子供を抱え上げたり、わきの下を、くすぐったりして、ますます子供がはしゃぐ。母親は「困った子」と、ニコニコ顔でその様子を見ていた。さすがに、ネズミ男君や、スネ夫君、ジャイアンの傍には寄ってこなかった。苦虫つぶした顔が怖かったのだろう。紳士、のび太君は「知らぬ、存ぜず」で、I フォーンに夢中だ。とはいえ、カメラを向けたことは言うまでもない。相変わらず、ねずみ男君のカメラは、シャッターの音が聞こえなかった。
くたびれ始めたころ、搭乗口の門が開いた。
旅、最後の夕食タイムとなった。2階へあがり、丸テーブルが置かれた一室へ案内された。いつものパターンである。一つ違うところはメンバーが8人と、人数がすくなくなったことか。我々5名と、初老の男性、母娘、8人がテーブルに腰かけ、料理の到来を待った。老夫婦は疲れ気味、また、恋人もどき若いカップルは、二人で、どこかえ、しけ込んだに違いない。
そうそう、勘違いしていたが、ヒラメの刺身を食ったのはこの時だったかもしれない。日にちが経つと、僕、ジャイアンの記憶も定かでなくなる。まあ、とにかく、ヒラメはおいしかった。ほかにも、今まで味わった料理とは、かなり違うメニュー。それもそうだ。3千円のコースだから、当然といえば当然か。とっちゃん坊や達は、例によって例のごとし。ビールを飲み、当地の酒を飲み、ほかのメンバー達ともグラスを傾けあった。
いよいよ明日は帰省の途に就く。皆、感慨深げに料理をついばんでいた。見ず知らずの人と触れ合うのも多少の縁。とはいえ、恐らく、再会する可能性は少ないだろう。人生とはそういうものだ。ちょっと、湿っぽくなったが、楽しい団欒のひと時であった。
そうそう、書き忘れていたことがある。他にも、旧ロシア人街や日本人街を見て回った。戦争の名残の跡を見て回るのは、気分的に良しとしないが、コースとなっているから仕方がない。ロシア人街で目に付くのは当時の建築がそのまま残っていることだ。通りに沿って売られている商品は現地の商品ばかり。これにはがっかりだ。日本人街も古ぼけた木造建物が残っているだけ。ちょっくら侘しい感じがした。
日本人街に面して、公園があった。銀杏の木があった。その先に橋があり、小さな湖が。そこで、母娘の娘のほうとツーショットで写真撮影。彼女はにっこり笑って応じてくれた。これも記念だ。のび太君、ねずみ男君も一緒に、パチリとやったことは言うまでもない。もう十分ということで、早々にそこを立ち去った次第である。
食事を終えてホテルへ戻った。明日の集合時間等の説明があり、めいめい、部屋へ引き上げた。さすがに今宵はマッサージを所望する人はいなかった。ジャイアンはよかったのだが、あとの二人には、あの山男の恐怖の手が記憶から拭い去られていないようだ。また、気分的に、そんな余裕もなかったのも事実。部屋では荷物の整理をして、その後、残っていたアルコール類を皆で飲んだ。
最後の夜となり、のび太君が、ねずみ男君へ、「今宵はベッドを変わろうか?」と提案。三日間も、あつらえ式、金具飛び出しのベッドでは、ねずみ男君に悪いと思ったのだろう。優しいぜ。紳士のび太君。返ってきた返事がいい。「おいどんは、ここでいい。ジャイアンの隣では、睡眠不足になる」と言って、丁寧に断った次第である。「失礼だぜ。ねずみ君。こっちこそ願ったりだ」と言ってやった。
いつのまにか夜が明けた。めいめいが洗面を済ませ、最後の朝食をとった。スネ夫君と一休さんは、姿が見えない。特に心配することもないが・・・。定刻どおり、12名がホールに集まった。挨拶を交わしたが、皆、すでに現実の顔に戻っていた。明日からは、厳しい娑婆世界が待っている。不安と期待が交錯し、頭の中は、当地を走る車のごとく混乱していた。バスで20分ほどで空港へ着く。いざ、帰らん日本へ。
お茶やの店舗に着いた。2階の喫茶ルームに案内された。楕円形の長テーブルに陣取る。ここで看板娘がいろんな銘柄の茶の中から好きな茶を入れてくれる。と、その時、ここの社長が部屋に入ってきた。なんと、日本人だ。ここで、開業し数十年になるという。子供の頃、我々、とっちゃん坊や達がいる地にも住んでいたそうだ。偶然とは言え、縁とは不思議なもの。
ひとしきり、社長の話があった。「もう、80才を過ぎているが、こんなに元気です。たばこも酒もばくばく、いただいています。それもこれも、お茶のおかげです。20数年前、糖尿病やら、血圧、血液どろどろ等で入院しましたが、お茶が私を健康にしてくれました」と言う。それを証明したいのか?、目の前で、たばこを吹かし始めた。さすが社長だぜ。思わず購買意欲が沸いてくるではないか。「看板娘が、お茶を入れますので、ゆっくり堪能していってください」と言って、部屋を出て行った。
僕たちは配られたパンフレットの説明を聞きながら、飲みたいお茶を選んだ。どれもこれも健康に良く、病気予防になるという説明ばかり。日頃、出がらしの茶しか飲んでいない、とっちゃん坊や達には聞き慣れない銘柄ばかりだ。「
看板娘は、アグネスチャン?、名前は忘れたが、「渡る世間は鬼ばかり」に登場する、あの女優さんを彷彿とさせるような顔立ちをしていた。かわいいが、ちょっと気が強い・・・。丹頂鶴の様な細い手を器用に操り、茶を入れていく。あれこれと数種類のお茶を飲んだが、味の違いには全く鈍感だった。
試飲が終わりかけた頃、おもむろに社長が部屋へ入ってきた。いよいよ購買タイムか?。ロハで茶を飲み、誰も買わないでは、社長の面子もたたないだろう。結局、社長が強く勧める、「一葉茶」というのを買うことにした。「これで私は元気になりました」と、再三言うので、ぞの恩恵にあずかろうという単純な発想からだ。「それなら、おいどん達も」と、な・な・なんと、財布の紐が固かった、ねずみ男君や一休さんまで買い求める結果に。ただ、のび太君と、スネ夫君は「茶は家にいつぱいありますたい」と、言わんばかりに食指を動かさなかった。これも正解かも知れない。他のメンバー達も、めいめい好きな茶葉を買っていたようだ。案内人さんも「ノルマを果たしたましたぜー」と、「ほっ」と胸をなでおろしたことだろう。
お茶所を後にして、さあーーー、ファッションショーの見学だ。「世界中から、きれいどころが集まっているぜ」と、スネ夫君が言う。当初から、スネ夫君はこのファッションショーを見たがっていた。この見物が大きな誤算になるとは、まだその時、誰も気付かじ。なんとなれば、海辺の近くに設営された会場は、行ってみると、人・人の山だ。我々は道路を挟んで、遠くからしか見学できない。背伸びをして、やっと、モデルさんの顔が、ぼんやり見えるだけだ。これじゃーーあばかんでー。
ここで、のび太君登場。「おいら、車に望遠レンズを置いているから、取ってくる」と言って、案内人さんと車の方へ出かけた。彼らが、戻ってくるまで、僕、ジャイアンは案内人さんの旗持ちを頼まれた。迷子になってはいけないので、少し高めに旗をかかげた。モデルを見るより、僕の方を、周りの人たちが興味深げに眺めていた。恥ずかしいこと限りなし。
のび太君が戻ってきた。すかさず望遠レンズを装着し、モデルさん達を撮り始めた。だが、いかんせん、遠すぎることと、黒山の人だかりが、撮影を妨害。「これじゃー駄目だ。やんなつちゃうぜ」と、撮影を途中で断念。ねずみ男君は、のび太君に負けじと、カメラをいじっていたが、シャッターの音は聞こえず。それが懸命だぜえーーー。結局は不満が募るファッションショーの見学だった。
今日の行程も、オプションとなっている夕食を残すのみとなった。オプションに参加したのは、恋人もどき若い二人と、老夫婦を除いた8人。一人3千円のコースだ。我々は複雑な面持ちで、案内人ご用達のレストランへ足を運んだ。
とっちゃん坊や達、5人衆の旅もいよいよ大詰めだ。あっという間に過ぎた三日間だ。さあ、午後の行程がスタートした。12人のメンバー達は疲れも知らず、案内人さんの後ろをてくてくとついて行く。
なんでも、VIPしか入れない迎賓館や、路面電車への体験乗車。巨大な蒸気機関車の見学、お茶の専門店、ファッションショー見物などが計画されていた。
迎賓館は超大物政治家達が会議をしたり、会食を摂った場所らしい。豪華なテーブルや椅子が当時のまま配置されていた。僕たちは「ほーーつ、なるほどねー」と、変なあいずちを送りながら、管理人の後ろからついて行った。カメラ撮影は部分的にオッケー。のび太君はすかさず、シャッターを押した。
2階に、いかにも古そうな骨董品が展示してあった。のび太君が「ここにある物は売り物ですか?」と管理人へ質問すると、「売ってもよい良い」という。どうも、のび太君が気に入った物があったらしい。何かと言えば、直径10数センチはあろうかと思われる、蓋付きの丸い硯石だ。古い時代の物のようだ。値段を聞いてびっくり。10数万円すると言う。何とか値切り倒して、10万円以下で決着。おっと、金がない。苦しいときの一休さん頼みだ。一休さんは快く、のび太君へ金子を貸してくれた。
これを横で見ていた僕、ジャイアン。常日頃、「しずかちゃん」の寵愛を得んと競い合っているライバル、のび太君が硯石を買ったとなれば、ジャイアンも食指が動かない訳はない。硯石の横に、これまた古い墨が置いてあった。15×27、高さ3センチの直方体の墨だ。硯石と墨が合体すれば、超、まろやかな墨液が生まれるに違いない。
値段を聞いてびっくり。これも又、値切り倒して、ある数字で決着。おっと金がない。一休さんも今、手元に金子は残っていない。ホテルに帰ったら返すということで、案内人さんから金子を借用する始末。割れないように、幾重にも包み、包装してくれた。
他の者達は、あきれ顔で、この様子を眺めていた。果たして、僕たちは懸命な買い物をしたのだろうか?。二人とも、「だぼはぜ」みたいに、性懲りも無く、すぐ食らいつく性分だからなあーー。日本に帰り、二人して「何でも鑑定団」に出してみようやと、話し合った事よ。まさか、僕の方が価値があったりして・・・。「うっしっしいーーーー」だぜ。さもなくば、二人とも期待及ばず、二束三文の値が告げられたりして。あり得ないことではない。だが、しかし、BUT、宝くじと同じで、夢を買ったと思えば後悔もないだろう。
のび太君は少し心配になったようだ。買った証拠として、包装してある商品を「カメラに収めてくれ」と言う。僕は「はい、はい」と素直に従った。今にして思うと、「高い買い物をしたなあーーー」と、若干、後悔の念もある。
迎賓館の後は、戦争が残した遺物とも言える大きな蒸気機関車を見学した。これも、そう易々と見れる代物ではない。あまりの巨大さに驚いた。これが走っていたなんて、信じがたい。何はともあれ、戦争の遺物は悲惨さだけが脳裏に焼き付く。気を取り直して、路面電車への体験乗車。大概、路面電車には、停車場があり、そこで乗客は待つのだが、こちらでは停車場らしき所がない。電車が来たら、車に用心しながら、道路を歩いて電車に乗り降りする。変わっているぜ。造りは日本にある路面電車と大差は無い。吊り皮にぶら下がるか、座席に腰掛けるかだ。運賃が安いとあって、多くの現地人が利用している。車と電車が交錯しながら進んでいく様は圧巻だ。幾ばくかの恐怖が心をもたげた。
路面電車の体験乗車が終わり、結構疲れた。皆、そんな気分のようだ。そこを見計らってか、案内人が「茶の専門店で、喫茶をしましょう」と、持ちかけた。これも想定内の計らいか?。皆、喉が渇いている。誰にも異論は無い。 バスに揺られて茶専門店へ直行した。
旅三日目。最終日だ。今日は、ゆったりと行程が組まれていた。見逃した場所と、最後の買い物を我々に提供しようというのだ。泣かせるぜ・・・。旅先では外貨を落とすことに意義がある。かくして、その地の経済が潤うわけだ。財布の紐が固い、ねずみ男君、スネ夫君、一休さん。いつ、紐が緩むのだろうか?。人の事は心配せんでええか。
ホテルの新館ロビーに二人を除いて集まった。二人とは、いわずもがな、スネ夫君と一休さんだ。常習犯だから仕方が無い。定刻ぎりぎりに、のほほんとした表情で二人が登場。二人はよほど相性が合うようだ。他のメンバー達が、苦笑いをしながら彼らを迎えた。
さああ、出発だ。この地は結構、公園が多い。あちこちの公園を案内された。休日でもないのに、やけに人が多い。それほど広くなこの都市に600万人もの人が住んでいる。人が多いのもうなずける。公園は、まさに現地の人たちの憩いの場なのだ。ある公園の中程に、著名人達の足跡を残した石畳があった。そこに土足で上がると注意される。僕、ジャイアンが、足の大きさを比べようと、石畳に上がろうとしたとき。案内人さんに「オー・ノー」と、肩を捕まれた。危機一髪だぜ。
公園の隅の方に、銅製の巨大な馬が二頭、展示してあった。この馬に、またがって写真が撮れるとのこと。真っ先に、ねずみ男君が、馬にまたがろうとしたが、なにせ、馬の鐙が高く、短い足を乗せるのに一苦労だ。やっとこさで、馬にまたがった。いかにも気持ちよさそう。そこで、のび太君が、パチリと写真を。僕は馬の横に立ち、あたかも、馬の手綱を引っ張る部下のごとし。他の者は誰も馬に乗る者なし。それもそうだろう。皆、一様に足が短いからなあーー。
別の公園へ案内された。そこへ行くには車の往来が激しい道路を横断しなければならない。「いやだなあーー」と思っていると、案内人が、「僕に離れず、ついてきてください」と言う。皆で渡れば怖くないってやつか。肩を触れあいながら、一目散に渡った。おかしなもので、渡る時、皆、集団の中の方へ、中の方へ入ろうとする。すこしでも危険を避けようとする心理が働くのか?。僕等、とっちゃん坊や達は、いつの間にか、端っこの方へ追いやられた。
とある土産品店へ案内された。雑貨屋みたいな所だ。紳士、のび太君は、麻雀パイの事が、よほど気になっていたらしい。店員さんに聞くと、麻雀パイを売っていると言う。既に、購入済みだが、ひょっとすれば、点棒も売っているかも知れないと、のび太君の心は騒いだ。残念。点棒はなし。おまけに、麻雀パイの値段が、1万8千円。屋台で買った麻雀パイの10倍の値段だ。「うそーーーーつ、ほんとーーーつ」と、驚き、彼は天井を仰いだ。ここでの一切の買物を彼は放棄した。懸命だぜ。一方、一休さんは店員さんに付きまとわれて、閉口していた。されど、応ぜず。懸命だぜーーー。ジャイアンはどうか?。応ぜず。同じく懸命だあーーーー。
店舗の中程に、お茶飲み場があった。女性の店員さんが一人いて、茶を振る舞っていた。メンバーが4~5人集まり、女性店員さんを褒め称え、各種の茶の味見を敢行。喉が、乾いていたので、おいしかった。ついでに、ザルに盛ってあった、あめ玉をしゃぶる。茶とあめ玉は結構、口にあう。案内人によると、どうも、後で茶の専門店にも寄るらしい。ねずみ男君が「ちゃーないな」と、だじゃれを一発。皆、ポカーンと口を開け、何のことか理解できないでいた。
ツアーに含まれた最後の昼食タイムとなった。夕食はオプションで自由行動らしい。まずは昼食だ。魚介類がわんさと置かれているレストランへ案内された。例によって丸テーブルでの会食。いつもと違う所は、な・なんと、ヒラメの刺身が出てきたことだ。一人一皿ならともかく、大皿に盛られた刺身を、2~3切れずつ、食するだけだ。「もっと、食べたーーーい」という欲望が渦巻いたが、如何せん。後は手出しとなる。断食中の、一休さんも、この刺身には箸を動かした。残念だーあーーー。狙っていたのに。
昼食を終え、再び、午後の見学がスタートした。
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いよいよ三日目、旅の最終日を迎えた。明日は、母国へ一路旅立つ。朝5時半に起床。皆、それぞれに思うところがあり、目が早く覚めたのだろう。ただ、ねずみ男君は相変わらず、ご機嫌斜めのようだ。起きるやいなや、「あんた、いびきがうるさくて眠れなかったぜ」という。「お互い様だぜ」と言ってやった。紳士、のび太君は、知らぬ存ぜずでお構いなし。
早々に洗面を済ませ、最後の朝食へ行くことに。6時半から開くそうな。隣の変人達には声をかけず、三人で食堂へ向かった。6時半ちょっと前だ。さすがに食堂の門は閉ざされていた。「まああ、いいか」と言うことで、入り口前の椅子に腰掛けて待つことにした。程なく、オープン・ザ・ドア。我々は一番乗りを目指して、どっとなだれ込んだ。慌てることはなかった。我々しかいないんだから・・。
例のごとく、お盆がないので、皿を持って、しかるべき料理を皿に盛った。変わり映えのしない料理だが、背に腹は替えられぬ。幾度となく皿を持って、往復すること常のごとし。料理の監視役の視線も気にならず。最後だからなあーー。僕、ジャイアンは、おかゆを2杯いただく。最後はオレンジジュースとコーヒーで締めくくった。のび太君は、そつなく上品に食し、ねずみ男君は「腹の調子があまり良くないなあーー」と言いながらも、たらふくまんまでご機嫌。食べ終わり、部屋に戻る頃になっても、スネ夫君と一休さんは現れず。彼らの行動は予測不可だ。
部屋へ戻り、荷物の整理だ。のび太君は大きなトランクを持参していたが、どうも、麻雀パイが重そう。引きずっていくから大丈夫か。僕、ジャイアンは、例のゴム枕。ボーリング玉を小さくしたように圧縮してある。弾力があるので、トランクには充分、収まった。ねずみ男君はコレと言った買い物なし。トランクは着替えた下着類で満たされていた。土産が入る」余力は、たっぷりありそうだ。
ベッド・メイキングさんへのチップは三泊だから、各人が一回ずつ払うことに決定。ねずみ男君の番だが、「小銭がない」と言う。仕方なく、僕、ジャイアンが、「貸しだぜー」と言って机に置いた。ほとんど、忘れてしまうことが多いが、今回もそうだ。日本に帰って、この備忘録をしたためている時、思い出した。借りた本人はとうに忘れているだろう。誰が出しても良いチップだ。これはこれでいいか。
ともあれ、僕たちは集合場所、新館ホールへ向かった。新館への通路を歩いていた時、例の元気の良い売店のお姉さんに遭遇。「あら、まだいたのね。買っていってよ」と呼び止められた。と、その時、何を思ったか、紳士のび太君が、「つつつうーーー」と、店内にかかげられてる衣服類の所へ行った。サイケデリックな服を手で触れ、値段を見た。「わおーーーーつ、高い」。のび太君は苦笑いだ。僕たちも、つられて、もらい顔。他の商品も、安くはない。これ以上書く必要もあるまい。僕たちは、お姉さんには悪いが、そそくさとその場を立ち去った。後ろから、「帰りにまた寄ってね」という声が聞こえた。後ろ髪を引かれる思いがした、いやしない。少しはしたか?。我々には、ほとんど、後ろ髪がないからなあーーーーー。思わず髪をなでる。
冗談を言っている場合ではない。集合場所のホールへ着いたが、まだ誰も来ていない。それもそうだろう。まだ時間まで30分はある。コーナーに置かれた椅子に腰掛け、ホールを往来する人たちを眺めていた。ほとんどが外国人である。当たり前か。ここは外国だ。日本人は我々ぐらいか。
ホールの案内係をしている一人の女性に目が止まった。僕、ジャイアンは何を思ったか,つかつかと彼女の側へ行き、ツーショットの写真撮影をお願いした。彼女は笑ってこのお願いを承諾してくれた。のび太君の高級カメラで、パチリだ。撮り終わったとき、チェックカウンターの側にいた、上司らしき女性に彼女は呼ばれた。おしかりを受けている様子。「悪かったかなあーー」と思ったが、僕、ジャイアンにとっては記念すべき一枚だ。何事も挑戦、挑戦だあーー。頃も良く、メンバー達が集まり始めた。いよいよ最後のバスツアーだ。
僕たちはマッサージさんが来るまで、のび太君のベッドを占拠し、ビールやら焼酎、酒を飲み始めた。今日一日の出来事を皆、語り出した。ただただ、脳裏に焼き付いているのは、悲惨な戦争の足跡だ。のび太君は、その一つ一つをカメラに収めている。「我々は、もっと歴史を知らねばならない」。口癖のように彼はそう言う。確かにそうだ。日本もそうであったように、この地も、見事に近代化が進み、いまや、高層ビルが建ち並ぶ都市に変貌した。戦争の反省の中から、人々が苦労して築き上げたこの繁栄。決して砂上の楼閣であってはならない。世界中の人々が、助け合いながら共存共栄をはかって行くこと。その事が、未来に残せる我々の遺産なのだ。とっちゃん坊や達は、皆、そう考えているようだ。
湿っぽくなった。皆、酒を「ぐっ」と飲み干したころ、一休さんが席を立ち、部屋へ戻った。マッサージさんがくる時間だ。僕等の部屋にはまだ来ない。四人で再び飲んでいたとき、ドアをノックする音が。来たか?。今宵はこのジャイアンが、山男の洗礼を受けようと、ドアを開けると、な・な・なんと、昨夜来た美少女が、ほほえみながら部屋へ入ってきた。「ええええつ」と僕は一瞬驚き、思わず体を引き寄せ、肩をポンポンと叩いて、親愛の情を示した。彼女は黙って従っていた。他の三人が、「おい、おい、なんて事するんだ。セクハラだぜ」と僕を戒めた。彼女はただ、にこにこしているだけ。
昨夜と寸部違わぬ行程で白魚の様な手が、僕のボディーを揉みほぐしていく。僕は「ほんわか、ほんわか、ほーい、ほーい」と、至福の境地。時折、仲間三人の視線がこちらを覗う。「だから、あんた達も頼めば良かったじゃん」と言いたかったが、それは止めた。よほど、昨夜の恐怖が脳裏にこびりついているようだ。揉んでいる間、彼女は一言もしゃべらない。聞こえるのは男三人の、恨み節みたいな声ばかり。「恨みますぜえーーーーーー」。おお、怖いーーーつ。
瞬く間に1時間が過ぎた。僕一人なら「もっと、もっと」と時間を延長したかったが、彼らの目もある。頭と顔を揉みほぐし、最後に背中を「ポン、ポン」と叩いて、「はい、終わりました」と彼女が言った。僕は所定の金子を彼女に払った。彼女は「にこっ」と笑って、金子を受け取った。僕は最後のお別れに再び彼女を抱擁した。他の三人が「やり過ぎだぜ。離れて、離れて。二回も抱擁してさ」と、不満げに言う。そっと体を離すと、彼女は丁寧に、お辞儀をして部屋から出て行った。僕も「ありがとう」と言って彼女を見送った。
僕の独断と偏見で一言書いておこう。紳士、のび太君には悪いが、昨夜の僕の振るまいが極めて紳士的であったので、すっかり彼女は僕を信頼したのだろう。恐らく、今日のマッサージは「あの人、ジャイアンに違いない」と、彼女は想像したに違いない。見事的中だ。彼女には何の屈託もなかった。ただ、嬉しかっただけに違いない。てなわけで、今宵を迎えた訳だ。僕の抱擁は親愛の証。彼女は十二分にそれを理解した。本来なら、体をよけるはずだが、彼女は微笑みながら、僕に従った。これこそまさに信頼の証と言わず何と言おうか?。
ねずみ男君が言った。「あんた、ただの客だから彼女は、いやいやながら従っただけだ」と。なるほど、そういう考えもあるが、僕の辞書には「信頼」という一言しかない。僕は相当に独りよがりで、自己顕示欲の強いナルシストなんだろうか?。ちと、大げさになってしまった。反省、反省。
彼女が帰った後、僕たちは再び飲み始めた。一休さんは戻ってこない。まああいいか。ねずみ男君は不機嫌そうに、はやばやとベッドインした。スネ夫君も酒を飲み挙げて、部屋へ戻った。紳士、のび太君が「ジャイアン、僕も寝るよ」と言って、ベッドに横になった。僕も寝ざるを得ない。心地よい疲れが、則、僕を眠りに誘った。ねずみ男君のいびきも、全く聞こえず。明日になり、「あんたのいびきで眠れなかった」と、ねずみ男君に言われることは必至か?
雑技団の出入り口にあるポスターの前で記念撮影だ。のび太君の高級カメラのシャッターが切られた。「次はおいらが撮る」と言って、順高級カメラ持参のねずみ男君がシャッターを切ったが、「あれっつ」と言って、撮り直し。僕たちは再びポーズをとった。「はい、チーズ」の掛け声とともに、「にやっ」と白い歯を見せながら、カメラに視線を向けたが、また、撮り直し。「おい。おい。どうなってんの?」と言って、皆、顔がだんだん引きつってきた。なんとか撮影終了。やれやれだ。
入口付近でバスが待っていた。ホテルへ直行だ。バスの中では、あれこれと今日の出し物についての反省が始まった。包丁投げの男。的になった人間の体のあちこちに取り付けられた板みたいなやつに、少年おぼしき男が包丁を投げる。的に命中すれば拍手喝采。手元が狂って、ちんちんにでも当たれば大ごとだ。まあ、この辺はプロだ。その心配はないか。ここで、スネ夫君が発言。「的までの距離がえらい近かったぜ。俺でもできる」と。僕たちは皆、首を縦に振った。内心では「危ないもんだぜ」と思いながら。
僕の「服脱がし演技」はともかく、ほかに圧巻だったのは、一人の美女がフラフープを回し始めた。最初は一個。次に胸、腰、足元の三個。だんだん数が増えていく。最後には20~30個のフラフープを全身にかぶり、器用に回し始めた。フラフープは床に落ちることもなく、美女の体の揺れとともに見事に回転。美女はどんな顔をしているのか?。フラフープに妨げられて見えない。にんまり顔なのか?、真剣そのものか?、顔が歪んでいるのか?。定かではない。恐らく、にんまり顔だろう。観客向けの顔なら当然そうだ。僕たち、とっちゃん坊や達には、一個だって回すのが難しいだろう。すでに、腰がくたびれています。
ほどなく、バスがホテルに到着した。他のメンバー達も明日の説明を聞くために集まってきた。明日はいよいよ最終日だ。最終日はゆったりとスケジュールが設定されている。それも良い。あわただしく移動するのも結構、疲れる。
さあ、今宵は残りの酒を飲みつくして。明日に備えようと話していると、なんと、一休さんがマッサージを所望。珍しいことだ。昨夜、僕たち三人が、マッサージに酔いしれたことに刺激を受けたのか?。もう一人、初老の独身男性が申し込んだ。腰当ゴムパットを買った男性である。この時、案内人が、「女性にしますか?男性にしますか?」と問いかけた。二人とも「女性で」と、即応答。ちゃっかりしているぜ。案内人は、昨夜そんなこと聞かなかったのに、今日は何故?。僕たちは、若干不満だ。
そこで、僕ジャイアンが、「のび太君、ねずみ男君、僕たちはどうすべーーー?」と聞くと、返事なし。昨夜の狼もどき、山男たちの記憶が脳裏に浮かび、恐怖のあまり、言葉を発せられなかったのだろう。「仕方がない。今宵は僕、ジャイアンが山男の餌食になるか」と、僕一人が申し込んだ。
もみ手が来るまで、とりあえず部屋で宴会だ。薄暗がりのベッドに集まり、買ってきたタコの干物を餌に、ぐいぐい飲み始めた。
僕、ジャイアンは考えた。どうやって僕の服が脱がされ、ぽっちゃりの女性に移ったのか?。しかも後ろ手にきつくロープが縛られたまま。謎だ。
そこで、名探偵コナン、シャーロックホームズ、金田一京助、明智小五郎という異名を持たない、迷探偵、ジャイアンが謎解きに挑戦だ。まず整理してみよう。そもそも、僕ジャイアンが指さしで指名されたのには理由がある。
第1、脱がされやすい、よれよれの上着をきていたこと。 第2、体型が中肉中背で、ぽっちゃり女性とお似合いだったこと。 第3、騙されやすそうな、腑抜けたおっさんだったこと。 第4、一見、優しそうで?、文句を言いそうにないこと。
ここまで書くと、もう十分だろう。ターゲットとして合格したのだ。紳士、のび太君や、ねずみ男君や、スネ夫君、一休さんの場合は、そうはいかないだろう。なんとなれば、ぴしゃっと着こなした、のび太君では服が脱がされない。ねずみ男君は、くすぐったりやで、ちょっと体に触れると、身もだえしてしまう。これじゃあ、脱がせるほうが大変だ。スネ夫君、彼はひょうひょうとしす過ぎて、何があっても反応なし。まして、サンダルとタオル姿では舞台に上がれまい。一休さんは、長靴姿。おまけに、探検家風の服をまとい、腰には探検道具を巻きつけている由。その姿では、演技より、彼の格好に拍手喝采で、演技が色あせてしまう。まあ、そんな理由で僕に白羽の矢が立ったのだろう。
前置きはこのくらいで、迷探偵の推理を続けよう。ぽっちゃり女性は後ろ手にロープで縛られたまま僕の後ろに立った。二人を包みながら、黒い袋が足元から上部へ上がっていく。問題はその時だ。袋が首近くまで来た時、ぽっちゃり女性が僕の服を脱がせた。どうやって?。推理はこうだ。 第1、僕は直立不動。ぽっちゃり女性は後ろ手のまま僕の袖を下から、そっと引っ張り脱がせた。うんん、これは可能性が薄い。
第2、ぽっちゃり女性は軟体人間だ。訓練で肩が前後に動く。肩を回し、手を前に持ってきた。その時、結ばれていたロープもほどいた。口か何かで?。あとはそっと、両袖を引っ張れば、服は脱げる。若干、可能性あり。
第3、第2との折衷案だが、ぽっちゃり女性は軟体人間であることに変わりはない。第2案との違いは、肩を回すのではなくて、後ろ手を足にくぐらせ手を前に持ってきた。その後は一緒。これが最良の技だろう。
手がほどけりゃ、あとは簡単だ。脱がした服をまとい、自分で両手を器用に縛り、足をくぐらせ後ろ手にする。はーーーい完成。服を脱がされているとき、気が付かない僕もあんぽんたんだ。直立不動。目を白黒、ぱちぱちさせながら正面を見ていた。恥ずかしいなあーーと思いながら。
訓練すれば、短時間で、これくらいはできるだろう。要はターゲット選びの問題だろう。ホテルに戻るまで、なんだか酒に酔った気分だった。心は「迎え酒でいっぱいやるでー」と叫んでいた。
新しい出し物が始まった。若い男性と、ぽっちゃりした、かわいいミニスカートの女性が登場した。何やら長いロープを持っている。男性が客席を見回した。僕、ジャイアンと視線があった。これがいけなかったか?。突然、僕のほうを指さし、舞台に上がれという。最初は僕ではなく、隣のネズミ男君かと思ったが、どうもそうではなく、僕らしい。「わーーい?、何故?」、僕なのか?。
僕は手を横に振って断ったが。皆が「上がれ上がれ」と言う。大衆の面前で顔をさらすのは慣れていないが、「やむなし」と、度胸を決めた。舞台の端から上がり、中央まで行くと、もう、目の前が真っ暗。観客の顔がまともに見れない。たじろいでいると、男性がロープの端を僕に握らせた。「えええっつ、引っ張りっこするの?」と思ったら、そのとおり。僕は負けまいと、力強よく引っ張った。ロープがピーンと張った。はい、オッケー。要するにロープに仕掛けがないことを観客にアピールしただけだ。「なあーんだ。そうだったのか」と思う間もなく、そのロープが女性の体にぐるぐると幾重にも巻かれ、最後に女性は後ろ手に縛られた。
そこで男性が最後の一結びを僕に任せた。「ようし、きつく結んでやるぞー」と、僕は力任せに「ぎゅーぎゅーーー」と、後ろ手になった女性の手を締めあげた。「かわいそうだぜ。これからどうすんの?」と思ったら、な・な・なんと、床に置かれていた黒い袋状の布の真ん中に僕に入りなさいと言う。僕の後ろに、縛られた、ぽっちゃり女性が寄り添うように立った。体が触れている感触はなかった。残念。そう思うゆとりもなかったのが真実だ。
男性は袋を「ぐぐぐーーーつ」と、僕達の首のところまで引き上げた。観客には首の上の顔しか見えない。「にこっ」と笑おうかと思ったが、顔が引きつって、それどころではない。一緒に袋に入った後ろの女性が僕に悪さをしている風でもない。静寂の数十秒が流れた。
突然、袋が首から落ちた。僕の全身が観客の視線にさらされている。いったい、何が起こったのか、僕にはわからなかった。会場から拍手が起こり、僕は自分の体を見た。わおーーーーーーつ、着ていたジャンパーがない。夜は寒かろうと、ジャンパーを着ていたんだが、上半身を見ると、横じまのはいった、ピンクの丸首シャツのみ。僕は恥ずかしさで、おっぱいを抑え、後ろにいた女性を見ると、あっと驚く為五郎だ。その女性が、僕のジャンパーを着て、その上から、先ほどのロープがぐるぐるに巻き付いていた。おまけに後ろ手のままだ。ロープはきつく縛られたままだ。この不思議。如何に解説せん。
ななんで、また、どうして。僕は狐につかれた面持ちで、「わおーーーつ」と両手を横に広げ、驚きのジェスチャーをした。ネズミ男君、十八番の「わかんなーーーーい」のしぐさである。男性が成功、成功と言わんばかりに、ニコニコ顔で僕に握手を求めた。握手に応じ、拍手を浴びながら舞台を降りた次第である。パンツまで脱がされなくてよかったぜ。
「記念品があるかな?」と思ったが、それはなし。あるといえば、のび太君、ねずみ男君、一休さんが、この時とばかりに映したカメラの写真のみだ。僕、ジャイアンは、わが姿を見て唖然。間抜けな顔をして写真に収まっていた。
帰り際、バスの中で、そのトリックを暴こうと、喧々諤々議論したが、決め手となる回答なし。このジャイアンにさえ、分からないのに、どうして、他のとっちゃん坊や達に回答が見出せようか。いや、見出せない。今、僕が冷静になり、考えついた回答が一つある。紙面が長くなった。次回に述べよう。
時はどんどん過ぎていくのに、僕の時は止まったままだ。旅、二日目の先を急ごう。そうそう、書き忘れていたことがある。買い物以外にもう1か所、立ち寄った所がある。海辺にある公園だ、名前は忘れた。この公園の近くに初老の夫婦が子供のころ住んでいたようだ。案内人が気を利かして、この公園の説明を初老の夫婦に任せた。
「この公園も昔と随分、変わってしまいました。それでも、砂浜だけは昔のままです。よく泳ぎに来ました。近くの小学校に3年生までいました。その後、日本に引き上げました。云々・・・・・・・」。老夫婦は涙ぐんでいた。僕たちメンバーは一斉に拍手を送った。泣かせるぜえーーー。「故郷の山に向かいて、言うことなし。故郷はありがたきかな」。
公園の道端に、土産品店があった。タコの干しものを売っていた。今宵のつまみにどうかしらん」と、店内にいた女将の勧めるままに、味見をしてみた。「珍味だぜーーー」と、ねずみ男君が言う。まさにしかり。女将の顔を見た。実に美人だ。僕、ジャイアンは二袋を女将に手渡し、「美しい方ですね」と言うと、「おつほほほーーー」と顔を赤らめ嬉しそうに、そばにいた店員に微笑んでいた。「こりゃあーー、少しまかるかなあーー」と思ったが、さにあらず。残念だあー。柳の下にいつも、どじょうはいないか?。まあ、美人の顔を拝めただけでも、良しとしなくちゃーーー。
夕食の時間がやってきた。車はとあるレストランの前で止まった。定番の丸テーブル。このスタイルにも少々飽きてきたが、仕方がない。例によってビールを飲む。やはり、日本のビールが一番うまい。ここは異郷の地だ。郷に入っては郷に従えだ。文句も言えないか。なにはともあれ、のび太君がカメラのシャッターを押したことは言うまでもない。
さてと、今宵は雑技団の演技を鑑賞するオプションが組まれていた。参加したのは我々5人のメンバーだけだ。ほかのメンバー達は疲れていたと見える。お寝んねタイムか?。疲れを知らないのは、我々、田舎者、とっちゃん坊屋たちである。案内人さんに連れられて、劇場の門をくぐった。真っ先に目に留まったのは、美しい衣服をまとった、美女たちが演技をしているポスター。「こりゃーー期待がもてるぜ」と、皆、にんまり顔。演技場内の前列に陣取った。周りを見渡すと、客は三分の一程度。「ありゃー」と、少々、気抜けした。
出し物が順を追って進んでいく。過去、何回か見たものと、さほど違わない。軟体人間。包丁人間。カンフー人間。フラフープのお姉さんの演技。見事だ。だが、しかし、ばっと、ある演技が始まったとき、ハプニングが起きた。「えええつ、なんで、わーーーい」。続きは次回に述べよう。
旅、二日目の午後、食事を済ませ、あちこち見学しながら、本拠地まで戻ることになった。途中、専門の寝具店へ寄るという。なるほど、旅行社とタイアップした店か?。寝具等には縁がないが仕方がない。二階のだだっ広いところに、特殊な加工で製造された健康に良いという敷布団や、枕が所狭しと並べてある。一休さんと、ジャイアンはためしに、展示用のフトンに寝てみた。確かに快適だ。そこへ、寝具の説明をするために、女性の店員さんがやってきた、
「はい、あなたは起きてください。そこの椅子に座って」と、僕、ジャイアンは起こされた。かたや、一休さんは「そのまま寝ていて結構ですよ」と言われ、「えらあい差別じゃあないか?」と思ったが、一休さんは、その服装と長靴のスタイルから、購入意識ゼロと判断されたか?。
ここの寝具の何が特徴かと言えば、要するに希少なゴムの木からとれるエキスを使って、枕や寝具を製造しているという。ホテルのまくら等とちがい、頭を乗せると、いい塩梅に枕が凹み、頭を上げると、反動で元の状態に戻る。なおかつ、夏はひんやりと冷たく、冬はほんわかと温かくなるというのだ。さらにさらに、無呼吸症候群の人には、もってこいの枕だという。
そんな魔法のような枕があるというのか?。にわかには信じがたいが、思うところあり、枕なら買っても良いかと考えた。ぎゅうぎゅう詰めに丸めて、さいころを大きくしたような形になっているので、持ち帰りには支障がない。問題は値段だ。さすがに特殊なゴムというだけあって、結構高い。
一休さんのとんちも、ここでは役に立たず、僕は考えた。おねだり、甘え作戦である。「ねええ、これもっと安くならなあーい。」と言うと。10を7に下げてきた。「うんん、お願い。もっと、もっと」と言い、枕を抱いて、ベッドに横たわった。「もうこれ以上、まからないわ」と店員さんが言う。「それなら結構」とあきらめかけた時、奥から上司らしい女性が出てきて、「いくらなら買うの?。値段を言ってみんしゃい」と言う。僕はすかさず5と答えた。しばらく考えていたようだが、「いいわ。それでいい」と商談成立。
見事、枕をゲット。他のメンバーも数人、枕とか腰当パットみたいな物を買ったようだ。バスに乗ったとき、紳士、のび太君が、「あんた、あれは原価5以下だよ」と言う。さもありなん。愛嬌愛嬌だ。人が幸せになるなら、それも良いではないか。今は山の神が愛用し、鼻提灯を膨らませながら、すやすやと眠っている。いびきが少なくなってよかったぜ。
てなわけで、後はどこへ行ったんだったっけ?。そうそう、海に面した倉庫みたいなところへ連れていかれた。ここは今、改造中とのこと。二階のフロアにエレベーターで上がった。テラスに出ると海が見えた。心地よい風が頬をなでる。二階の奥まった一角に、パールを展示、即売している店があった。ここで、紳士、のび太君の触手が動いた。怪しげな光沢を放つ、黒真珠。バラの花にも勝るピンクのパール。「だれにやるの?」と聞いたら、女房への土産だそうな。ネックレスを買った。泣けるぜ・・・。云万円以上はしたようだ。
かたや、一休さんの財布の紐は全く緩まない。何を買って帰っても喜ばれないそうだ。自分が気に入ったものでないと駄目という人もいるから、これは仕方がない。ところで、ねずみ男君と言えば、「今回は餞別をもらっていないので、買う必要はない」と言う。独身だが、まだ恋人もいないしなあーーーー。 もう一人のスネ夫君は相変わらず、ひょうひょうとしていて、貴金属等に全く興味を持っていないようだ。何に興味があるのか、さっぱりわからない。
しからば、僕、ジャイアンはどうしたのか?。聞くも涙、語るも涙だ。得意のお根切作戦も、ここでは功を奏せず。それもそうだろう。貴金属の値が下がったら、偽物っぽくなるからなあーーー。ピアスが欲しかったんだが、あきらめかけたころ、またもや女性店員さんが、四角い箱に入った、ハンドクリームみたいなものを二箱持ってきて、これをサービスとしてつけるという。「手の甲に塗って、延ばしてみんしゃい」という。「手の甲が白くなり、きれいになったでしょ」という。左右の手の甲を比較してみると、確かに、塗ったほうの手の甲が白くなり、きれいになっていた。おまけに、べとつかない。うんんん、これも魔法か?単細胞の僕、ジャイアンは結局、ピアスを買う羽目に。とぐろを巻いた鬼蛇に、ピアスは似合わないと思うが、皆が幸せなら、それも良いではないか。今日は高い買い物をしたぜ。反省、反省だ。
反省したところで、再び夕食タイムとなった。
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