仔猫と箱庭の収容所



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痂。


「かさぶた」


刃物を持って線を引く。
彫刻の様な白に傷を作って流血させる。


人と話して嘘を吐く。
赤い紅い心臓に言葉達が突き刺さる。


塞いで塞いで塞ぎ込んで
白血球で固めて固めて固め込んで
祈る祈り祈る。


傷が残りません様に。
戒めだけが残ります様に。




2003年11月07日(金)


エラー


分解が出来無く成ったので
計算処理はは不可。


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あなたの心も
あたしの心も理解出来無く成ったので
判断停止。


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機械的
電子音が
ひっきりなしに鳴り響く。




2003年11月06日(木)


空気に溺れる


苦しさに身悶えする。


震えて使い物に成らない腕を必死に押さえて
それでも苛々は収まらない。


空気が上手く吸えないんだ。


大きく息をすると苦しくなる肺。
気管がキュっと締まって
あぁ,あたしはあたしに絞め殺される。


溺れた様に空気を求めて
もがく。


沈む。




2003年11月05日(水)


あたしの赤い靴


勝手に踊り始める赤い靴。


昼も夜も,雨の日も風の日も
ずっと踊り続ける。


天使は冷たく言う
「お前は永遠に踊り続けるのだ」


あたしは疲れ果てた挙げ句
とうとう首切り役人の所に行って言う。
「どうぞこの赤い靴を私の足ごと切って下さい」


少女の儚い頼みは叶ったのかしら。


あたしの赤い靴は踊りだす前かしら??
それとももう踊り出して少女の様に疲れてしまった??


誰もが主人公だから。



2003年10月31日(金)

*仔猫と箱庭* 弥甫

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