「かさぶた」刃物を持って線を引く。彫刻の様な白に傷を作って流血させる。人と話して嘘を吐く。赤い紅い心臓に言葉達が突き刺さる。塞いで塞いで塞ぎ込んで白血球で固めて固めて固め込んで祈る祈り祈る。傷が残りません様に。戒めだけが残ります様に。
分解が出来無く成ったので計算処理はは不可。エラー表示。あなたの心もあたしの心も理解出来無く成ったので判断停止。エラー表示。機械的電子音がひっきりなしに鳴り響く。
苦しさに身悶えする。震えて使い物に成らない腕を必死に押さえてそれでも苛々は収まらない。空気が上手く吸えないんだ。大きく息をすると苦しくなる肺。気管がキュっと締まってあぁ,あたしはあたしに絞め殺される。溺れた様に空気を求めてもがく。沈む。
勝手に踊り始める赤い靴。昼も夜も,雨の日も風の日もずっと踊り続ける。天使は冷たく言う「お前は永遠に踊り続けるのだ」あたしは疲れ果てた挙げ句とうとう首切り役人の所に行って言う。「どうぞこの赤い靴を私の足ごと切って下さい」少女の儚い頼みは叶ったのかしら。あたしの赤い靴は踊りだす前かしら??それとももう踊り出して少女の様に疲れてしまった??誰もが主人公だから。