風邪をひいた君は鼻声であたしを呼ぶ。それがなんとなくいつもとは別人みたいでドキりとさせられる。でも君の声がいつもと変わらなくてもそれでもやっぱり心臓がドキドキするのは変わらないのだ。鼻声でも君は君だからあたしはいつでもいつでも,ドキりと心臓が高鳴るんだ。「早く風邪治ると良いね。」「有り難う。」ほらまた。ヤラレてしまう。
くらくら眼の前がくらむ。歪んだ天井に圧し潰されそうだ。ゆらゆらたあしの魂がさ迷う。ふわりふわり。ほらもう脳味噌はぐちゃぐちゃ。魂は飛んでいった。回る廻る天井
暖かい場所を探し泳いでた。最後の離島で君を見つめていた―――
しなやかに動く。くねる躯。あぁ。あたしの心はあなたに全て持って行かれたのです。唄う猫の声響いてあたしはもう空気に溺れる。あぁ。