僕は去年の夏ぬけがらに成って。今でも探し続けてるんだよ。ほらいぢわるなあの子が笑いながら僕のぬけがらを奪って駆けていく。だから僕は今でもぬけがらをトランクに詰め込めないんだ。それでも待っててくれるの??去年の夏僕はぬけがらに成った。
季節が変わってゆく。あたしは歩き出せるだろうか??道の途中でつまづいたり引きかえしたくなったりするだろう。あたしはそれでも道を進んでいけるだろうか??絶対安全な道を季節の代わり目と共に探す。見付かる筈の無い道を。
こんな深い空どんな色で画こう。遠くへ連れ去ってこの壁を越えて暖かい抜け殻に詰め込んで無くした物を無くした事を。何も残らない何も残したくない。
そしてあたしは土の中。掘り起こして起して。あたしを起して。目覚めない眠りにつく前にあたしを起して。