読書日記

2002年02月26日(火) ジェフリー・ディヴァー「エンプティ・チェア」読了目前。

ジェフリー・ディヴァー「エンプティ・チェア」読了目前。
殺人の容疑者の少年と少年に拉致された女性との逃避行。
ライムの科学的分析による推理に基づく追跡行。
少年を逮捕し、女性を救出した後、すでに少年に隠匿されている女性を救出するためにサックス捜査官が少年を連れ去り、物語は再び逃避行と追跡行になる。
その裏で独自に行動しサックス捜査官と少年の命を脅かす男たち。
さらに隠匿されている女性の存在に気がつき暴行しようとする正体不明の二人組。
ライムとサックスの愛情と願いが交錯する中で登場人物たちは女性が監禁されている場所へ集中していく。
思いがけない犯人や犯行などのどんでん返しがきついのがこの作者の特徴であるが、今のところ(といっても、残り130ページのところまで来たが)サックス捜査官の思い切った行動しか目立った変化はない。
この後の動きに注目である。
また、ライムの手術が行われるかどうかにも注目の終盤である。



2002年02月25日(月) 水樹和佳子「ケシの咲く惑星」(ハヤカワ文庫「樹魔・伝説」所収)

を読んでみた。立派なSF漫画だった。金星から帰還した13才の少年の語る家族の物語は冷たく哀しい悲劇だった。愛を取り戻した思った瞬間に二度と戻らぬ奈落に突き落とされるという残酷な悲劇。結局二親とも失ってしまった少年はこの後愛の淵でさまよう者になるのだろうか。それとも慈愛に満ちた愛の化身として復活するのだろうか。
切なすぎるSFセンチメンタル・ストリー。漫画ゆえに格調高い。



2002年02月24日(日) 美崎薫「IT/AVの融合!!動き始めた『記憶する在宅』」(月刊アスキー3月号)に気がつく。

 美崎薫「IT/AVの融合!!動き始めた『記憶する在宅』」(月刊アスキー3月号)に気がつく。以前「パソコンデータの捨て方残し方まとめ方」(青春出版社)を読み、デジタルカメラ利用法やデジタルファイリングの方法に感心したことがある。他の著書も読みたくて多少探したが見つからずそのままになっていたところにこの連載なのでわくわくしている。
「記憶する在宅」とは何か。著者の説明によると、家全体をコンピュータのように加工して、コンピュータに記録できるものはなんでも「記憶」できるようにしたい。その理念に基づいて我が家に大改造を施したのが「記憶する在宅」だそうである。
296ページから298ページまでのわずか3ページにすぎない読み物だが、興味津々である。
AV機器とコンピュータの融合を目指し、DVD-Videoの300枚+1枚チェンジャーを2台さらに多数のチェンジャーをパソコンに接続してそれらをうまく扱える仕組みを検討中であるという。
さらに世界初の電動ビデオ収納システム「VIDEO DRIVE」というのはビデオデッキやCSチューナが床下から電動でせり上がってくるシステムで使用しない時は床下に収納されているので空間を広く使える仕組みである。
全体としては約45項目に及ぶ設備についての一覧表が凄くて面白い。
あるべき未来の情報生活の研究の先取りというところか。
一番面白かったのは著者の家の猫が「VIDEO DRIVE」が持ち上がるといつも間隙をついて床下に入ろうとするという解説とその写真だった。
近くのブックオフが「今日限り文庫本全品100円」セールをやっていたのでふらふらと入ってしまった。
小栗虫太郎「失楽園殺人事件」(扶桑社文庫)
村松友視「鎌倉のおばさん」(新潮文庫)
佐藤多佳子「イグアナくんのおじゃまな毎日」(中公文庫)
をまず買ってみた。



2002年02月23日(土) 宮脇磊介「日本のセキュリティに欠けているもの」(月刊アスキー3月号185ページ)を読んだ。

宮脇磊介「日本のセキュリティに欠けているもの」(月刊アスキー3月号185ページ)を読んだ。
何気なく読み出して恐ろしくなった。今日までは世間や職場の様子を眺めて日本のインターネット普及もやっと、例えばアメリカ並になったかななどとのんびり考えてそれで済んでいた。しかし、この文章を読んでインターネットの一般化は国際的罠にはまる道筋を進むことなのだと認識した。バラ色の未来ではなく自縄自縛の灰色の未来に突き進んでいることに改めて納得した。
昨年の3月から5月にかけて韓国から「サイバーデモ」攻撃があったという。自民党本部、産経新聞社、扶桑社、新しい歴史をつくる会、北海道議会、文部科学省に対して3日間1日5回ずつ数十万人から150万人の韓国国民に呼びかけて集中的にアクセスを殺到させる攻撃があり、自民党本部のウエブサイトは完全にシャットダウンした。この事件を報道した機関はごくわずかで当の自民党議員さえ知らされなかった。
宮脇氏は「その事実を、国民に対してリーダーシップを発揮し、警告を発すべきリーダーたちがまったく知らない。国家の体をなしていないのではないか。」と書いている。さらに「歴史的に見れば、冷戦下では日本は軍事もインテリジェンスも100%米国に依存し、軍事問題などに言及しようものなら日本の政治家は票を減らすばかりか首さえ飛びかねない、という言論環境が長く続いた。そのつけは大きい。」
要するにリーダーシップを取るべき人間に主体性が全くないというわけか。今話題の鈴木のような主体性は発揮できる自民党議員はいる、ということか。
IT革命を言ったのは前の首相森だったかもしれないが言わせたのはCIAだったりホワイトハウスだったりするのだろうか。
何も考えずにITを進めると手ひどい目に遇うことを知らない日本国民を鴨にするために。
パソコン機器から漏れている電磁波は100メートル以内の距離ならば傍受して、どんな画面を表示しているか、どんなキーを打ったかなどすべて記録できるという。逆に電磁波を照射して誤動作させたりシステムを破壊させたりもできるという。
これもSF映画などを観て空想的にはありうるかなと思っても現実問題としては見過ごしていることがらである。
セキュリティの面で日本は非常に遅れたままインターネットや携帯電話などが当たり前になってきている。
ある日突然自分たちがどこかの奴隷同然だったことに気がつくのだろうか。
今、こうしていることもすでにその一部分なのかもしれない。
(宮脇磊介氏は、元内閣広報官。)


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