行きつけの本屋のカウンターにはいつも無料提供のパンフレットなどがおいてあるので習慣でそこに置いてある文庫本大の本を何気なく持ち帰ってよくみたら新潮文庫の「白い犬とワルツを」だった。れっきとした商品だった。手に取った時店員も見ていて黙っていたのでタダなのだろうと勘違いしてしまった。しかし返しそびれてまだ手許にあるのだが中身はなかなか読ませる。「マディソン郡の橋」と同時期の発表でテレビドラマにもなって日本でも放映されたらしいが無学で知らなかった。愛妻に先立たれた老人が思い出に生きながらガンで往生する話。しみじみと心を打つ。滂沱の涙をながした場面もある。こんなアメリカ人ならテロに報復することなど考えないだろうと思ったりしながらドロボーで手に入れた本を読んでいる。
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