2005年08月17日(水) |
文庫の新刊を買いました Two Books |
「実験小説 ぬ/浅暮三文」(光文社文庫)、そして「クチュクチュバーン/吉村萬壱」(文春文庫)の二冊を買った。 おそらく二冊ともマイナーな本であろう。 そんな本が面白かった日にゃ、小躍りしたくなるものである。 タイトル、表紙のデザイン、帯の文(多くは最新刊に付いている)、裏表紙のあらすじ紹介、解説、この5点が購入の決定には大きくかかわってくる。 特に知らない作家のものだと。
「実験」の場合はまずタイトルでひっかかった。 そして帯の文。 <「絶頂期の筒井康隆を彷彿とさせるアイディア」>。 ここまでで決定である。
「クチュ」の場合は、タイトルもなかなかだが、表紙のデザインが良かった。 帯の<世紀の奇書 待望の文庫化>により、裏表紙のあらすじを読むに至る。 一応解説も読もうとしたが、もうあらすじを読んだ時点で心奪われていたらしく、読まずして決定。
そういえばまだ「浄土」を読んでいないのに、という考えが頭を過ぎる。(別に「浄土」がつまらないわけではない)
読むペースが遅い本には、二つのパターンが考えられる。 ひとつはつまらない場合。 ひとつは読み応えのある場合。 「浄土」は明らかに後のパターンである。
どっちにしろ、まだ読み終えていない本があるから次のは買わない、なんてことを僕がやってしまうと、確実に人生の中で出会う本の数が減ってしまうのである。 だから、読み終えていない本があっても気にしないで買っていく主義だ。
でも、途中で挫折した本もあるなあ。 「華麗なるギャッツビー」とか。(五年前くらい) 今読んだら案外いけるかもだけど。
ついしん amazonで「クチュ」のカスタマーレビューをみたら、<筒井康隆、安部公房、大友克洋、各氏の作品が好きな方にお勧め>というタイトルで書かれていた。 また、同氏の芥川賞受賞作「ハリガネムシ」のエディターレビューには、こんな一文が。 <人類進化の壮大なビジョンを初期筒井康隆の作品世界を彷彿とさせるグロテスクかつドタバタふう筆致によって描き上げた> また、「実験」の作家は、デビュー作がメフィスト賞を受賞している。 ちなみに僕は、筒井氏、森氏のファンである。 そして森氏は、第一回メフィスト賞受賞者である。 ちゃんとリンクしているのが、少し怖い。 言っておくが、amazonのそれらを読んだのは衝動買いの後である。
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