三連休を ずっぽりコーチングの勉強に費やした私に かのひとからの「映画行かない?」という誘いは またたび前の猫、肉前の犬、酒前のわたしとあなた。
とびつく。
有楽町マリオン下での待ち合わせ前も 方向音痴クィーンの私を気遣ってメールをくれる。 勝手に判断するな 迷ったらおまわりさんに聞け その際 いちいち相手を承認しなくていい とかなんとか。
大丈夫よ。 私 タクシーに乗っていくから(内緒) マリオンの時計が丁度待ち合わせ時刻を人形たちが奏でると同時に 到着した私を 「えらいねぇ」と 。
誉められたよ。 ひとりで待ち合わせ場所に来れただけで・・・。
そして 小さな劇場で観たのは 14歳の少年がカンヌで最優秀男優賞をとった「誰も知らない」
ただ、ただ、 淡々と 命がある。そこにある。 ただ淡々と生きている。 一生懸命ある。
静かな 静かな 心の震えが ずーっと続く映画だった。
観終わって 言葉がなかった。 「すごい映画だね」彼が言う。 言葉なんて いらない。静かに二人で浸った。 かのひとと観た 最初の映画は 批判も風刺もこれっぽちもない 描写の作品だった。
つい数日前 うちのグループ会社が丸の内に物販と飲食の店を出した。 新聞にもテレビにも取り上げられはじめている。 そこにある、ロスの江戸前寿司屋と提携している店に行った。
まだ 食事をはじめるには早くて、小1時間ウエイティングバーで 一杯軽くビールを飲んだ。
誰の目にもとまらない奥まったソファ(明らかに年代モノ)で コーチングしてもらった。
もし、
自分の身近な人に マッサージ師がいたら いつでも至福のマッサージが、 アロマセラピストがいたら いつでも至福の香が。
身近にコーチを携える私はなんとすごく恵まれた環境よ。 「今 私はおそらく仕事に恐れや不安を感じている。 それを取り出してみてみたい」というオーダーにかのひとは応じてくれた。
結果、 今 ものすごく忙しい時間を駆け抜けながら 誰にも愚痴を言えず 不安を告げられず 肩を張って必死に必死に 走っていたことがわかった。
そして 自分に自分をねぎらって欲しい よしよしして欲しいという言葉が出た。
私はぽろぽろ泣きながら 「ほんとは つらいの」と 出した。
その瞬間 私は 蓋をして閉じ込めた自分の感情を はじめて手のひらに乗せてあげられた。
ただ それだけ、ただそれだけで どれほど 人の気持ちが軽くなるか 身を持って知った。 そんな引出しを作ってくれた 優れたコーチであり私の大切な人であるかの人。
この間15分程度(すっごーい)
でも 実は飲み込んだ言葉がある。 あなたに よしよししてほしの。(ちくしょー いえねーや)
その後 しこたま飲んで 丸の内で飲んでも 平気で歩いて帰ろうとする自分たちって これまたすごい。
そっと手を繋ぐ。 なんでかわかんないけど 涙が出てる。 3日間のセミナーのせいでもあり、映画のせいでもある。
静かに見つめよう。 自分の心を。
誰も知らない
私の心は 私も そして誰も 誰も知らない。
|